書店員必見!出版社の営業が語る「こんな書店員はイヤだ!」

おそらくあまり知られていないであろう出版社の営業の仕事。

ズバリ言ってしまえば、「書店の担当者のところに行って自社の本を置いてもらう」というのが主な仕事です。
なので、出版社の営業は本当にたくさんの書店に足を運びます。

書店員の中には、しっかり話を聞いてくれる担当者もいるし、「忙しいから無理!」といって全く話を聞いてくれない担当者もいます。

今回は本の雑誌社から発売された『本屋の雑誌 別冊本の雑誌17』の特集「こんな書店はキライだ!」で紹介されている出版社の営業マンの本音を集めて、出版社の営業目線から見た書店の良し悪しについて考えてみます。




そもそも出版社の営業ってどんな仕事してるの?

出版社の営業は冒頭でも説明したように、書店に行って担当者から注文をもらってくる仕事をしています。

書店の担当者は本のジャンルごとに分かれていて、文庫担当、雑誌担当、ビジネス書担当、文芸書担当など書店によって様々です。

書店に行って、棚を見て自社の本が欠品していれば補充の注文をします。
あとは、新刊の案内をしてどれくらいの本を置いてもらうか決めてもらいます。

基本的には本の内容が記された注文用のチラシを渡しながら、自社の本のオススメポイントを説明します。

いかに自社の本に興味を持ってもらうか。「この本は売れる・売りたい!」と担当者に思ってもらえるか。営業の腕が問われるところです。

それ以外にも、書店でフェアを提案したり、棚のメンテナンスを手伝ったりすることもあります。

くわしくは「出版社の営業ってどんな仕事?」をご覧ください。

出版社の営業のホンネ「こんな書店員はイヤだ」ベスト5

それではここから、出版社の営業目線から見た「イヤな書店・書店員」を挙げていきたいと思います。

注文数がいつもアバウトな書店員

先ほど紹介したように、出版社の営業は担当者からどの本を何冊入れてもらうかを提案します。
どの本を何冊入れるかは担当者の判断なので、売れると思えばたくさん注文をしますし、売れないと思えば注文しません。

きちんと考えて注文冊数を決めてくれればいいのですが、書店の担当者の中には「新刊はすべて各5冊でいい」とか「わからないから、とりあえず1冊ずつでいいよ」なんていう返答をしてくる人がいます。

営業が「この本は特にオススメしたい!」と思って説明をしても、結局どの本も同じ冊数。
これはガッカリしますね。もうこの担当者にはどんな熱意を伝えても無意味だな、と思ってしまいます。

本当に話聞いてるの?という書店員

書店員の仕事の1つに補充で入荷した本を棚に入れていく作業があります。
1日にどれくらいの冊数が入荷してくるかは、その日によってかなり違います。

まとめてドカーンと本が入ってきた日は、本の整理で大忙し。
そんなときに出版社の営業が行くと、イヤな顔をされます。

これはまあ、仕方がないのです。

しかし、中には明らかに時間があるのに忙しい「雰囲気」を出してくる書店員がいます。

コチラが本のチラシを見せながら説明をしているのに、見向きもせず。
本に棚を入れながら話を聞く(聞いているフリ)、荷解きをしながら話を聞く(聞いているフリ)という感じ。

仕事とかいう前に、人としてどうなのよ?と思ってしまいますよね。

居留守を使う書店員

出版社の営業が書店に行って、「〇〇さんいらっしゃいますか?」と聞くとレジの人がバックヤードに呼びに行く。
何やらボソボソと話をしている。やがて戻ってきて「ただいま外出中です」。

「ちょ…そこに絶対いるだろう!バレバレ!」

なんてこともあります。

大手の出版社にはニコニコする書店員

大きな会社と小さな会社。大企業と中小企業。
どんな業界にも大小あるように、出版業界にも大手の出版社とそうでない出版社があります。

大手の有名な出版社が来ると「いつもお世話になってます!」とニコニコ対応する書店員。

しかし、無名な出版社が来ると「はあ…いま忙しいんですよね」で済ます書店員。

書店員も人ですから…仕方がないですよね…そうですよね。

私も以前、書店で働いていたのでわかりますが、大手の出版社がくると自然と背筋が伸びる気がしましたもの。

でも、どうかそれを表に出さないように何とかこらえてほしい!

新刊を「配本でいいです」という書店員

新刊の案内をしに担当者のもとへ。
コチラが熱意を持って説明。この本は〇〇で売れます!こういう切り口で類書もありません!

てな感じでひと通り説明を終えたあとにポツリと一言。

「全部、配本でいいです」

ズコーッ!

ここで使われる「配本」という言葉は、新刊の注文はせずに取次が決めた冊数にしたがって仕入れることを意味します。

つまり、「書店の担当者は自分で注文数を決めずに、取次に仕入れを丸投げする」ということなのです。

取次の配本は過去のデータから算出していて、「この書店には、新刊をこのくらいの冊数入れるのが妥当であろう」と決めてくれます。

なので、新刊をムダに多く仕入れたり、反対にもっと仕入れればよかったという可能性が低くなります。

しかし、です。

自分の意志で仕入れを決めないとはどういうことかと。自分で売り場をつくるという気持ちはないのかと。

取次の配本に頼りたくなる気持ちはもちろんわかります。でも、本当に気持ちを込めて売り場をつくろうという想いがあれば、「すべての新刊を配本に任せる」ということにはならないはずです。

新刊をひととおり説明したあとに、「これはウチのお店では売れないジャンルだから、配本に任せるよ」ということなら理解できます。

「すべて配本に任せます」

これは、出版社の営業の心が大きく離れる一言です。

書店員と出版営業が本屋を救う

ここまで、こんな書店員はイヤだ!を紹介してきました。

ただ、ひとことだけ言わせてください。

「書店員は大切な存在です!」

ここで紹介したのは、あくまで一例であって、多くの書店員は話を聞いてくれますし、熱意をもって売り場づくりに協力してくれます。

書店がどんどん潰れていくこの時代。出版業界を守り、新しいものに変えていく。その急先鋒は他でもない、書店員の皆さんです。

もし、読んでいただいた方に「あ、これ自分にも思い当たるな…」ってことがあったら、もう一度自身を見つめなおしてもらいたいのです。

出版社と書店がきちんと連携して、タッグを組まないことには出版業界の凋落は続くばかりです。

今回の記事が出版社の営業と書店員がいい関係を築くキッカケになればと願っております。