出版・書店業界がわかるWebマガジン KOTB(ことびー)

知りたいキーワードを検索

書店で雑誌を買うと電子版も無料になる【空飛ぶ本棚】がスゴイ

公開日:2014/05/12  更新日:2016/09/08
空飛ぶ鳥

雑誌が売れない時代。
雑誌の売り上げは1997年の1兆5644億円をピークに、2013年には8972億円まで落ち込んでいます。

さらに、2015年の雑誌が売上高が書籍を下回る事態にまで発展。雑誌が出版業界の売り上げを支えていた時代は去ってしまいました。

この雑誌不況、出版不況を打破するべく始まったサービスが「空飛ぶ本棚 sky storage service(スカイストレージサービス)」。
これは「書店で雑誌を買うと無料電子版がついてくる」というもので、書店チェーンの文教堂グループホールディングスがはじめたサービスです。

読者にはどんなメリットがあって、どんな仕組みで成り立っているのでしょうか。くわしく、わかりやすく解説します!

スポンサーリンク

無料電子版雑誌がついてくる仕組みとは?

  • 1、まず書店で雑誌を買います
  • 2、お会計後にレジでクーポンコード(16桁)が発行されます
  • 3、クーポンをスマホやタブレットから専用アプリに入力します
  • 4、そこから電子版の雑誌がダウンロードができます

電子版は出版社が制作・提供を行い、文教堂独自のシステム開発・運用によって成り立っています。

紙と電子版を提供するメリットとは?

紙の雑誌と電子版の雑誌を2つも持って意味あるの?

そんな声も聞こえてきそうですが、このいわゆる「ハイブリッド雑誌」は読者にどんなメリットがあるのでしょうか。

紙の雑誌はかさばります。ですから、基本的には紙の雑誌は自宅で読みます。
電子版の雑誌は自宅で読みきれなかったページを電車内や出先でスマホ・タブレットを使って読みます。

また、旅行雑誌であれば紙の雑誌は家でパラパラ、旅行先ではスマホやタブレットで実用的に使うなんてことも可能です。
バックナンバーに関しても、電子版であれば場所をとらないのでコレクションすることもできます。

こうした使い分けができるようになると雑誌がどこでも読めて、さまざまなシチュエーションで活用できるようになるので、雑誌を普段読まない人にもアプローチすることができます。

なお、対象雑誌は4月末時点で経済誌、ファッション誌、料理雑誌などを含む合計94誌となっています。

実際の売れ行き状況は?

この「ハイブリット雑誌」ですが、売れ行きはどうなのでしょうか。

文教堂によると、2013年12月のサービス開始当初から対象雑誌の販売増は目に見えるものだったとのこと。
例として、「週刊東洋経済12月14日号」の販売数は、開始前の同誌の10誌の平均販売数に対し約1.6倍の伸びを見せています。

女性ファッション誌『25ans(ハースト婦人画報社)2月号』は約1.9倍。
『週刊ゴルフダイジェスト1月7日・14日新春特大号』は約2倍の伸びを見せたといいます。

こうした売り上げの伸び率を見て、対象雑誌を当初の11誌から94誌にひろげたことからも好調ぶりがうかがえます。

文教堂がはじめたこのサービスは他の書店チェーンにも広がりをみせています。
文教堂はシステムを開放して、たくさんの書店を参加させることでスケールメリットを図っています。
大手チェーンでは丸善、ブックファースト、啓文堂書店、有隣堂書店など計21法人が展開に着手しています。

こうした「ハイブリッド」な取り組みは米Amazonの「Kindle MatchBook」でも始まっています。
「Kindle MatchBook」とは、アマゾンで紙の書籍を買った人が同じ内容のキンドル版(電子版)を2.99ドル以下(無料を含む)で入手できるサービスです。

国内でも少しずつ広がりをみせはじめた電子書籍・雑誌。
出版業界の「ハイブリット」が出版不況を打開するキッカケになることを願うばかりです。

【関連サイト】空飛ぶ本棚

 


  • Webマガジンの購読はコチラ

  • 新着記事

  • 記事カテゴリ

  • コトビーのライター募集
  • コトビーの本屋PR大作戦
  • コトビーについて