相次ぐ休刊…2014年に休刊した主要な雑誌をまとめてみた

雑誌が売れない時代と言われるなか、2014年の今年も実にさまざまな雑誌が休刊となりました。
今回は1年の振り返りも兼ねて、2014年に休刊した主要な雑誌を取り上げ、内容にもふれながら振り返ってみたいと思います。




今年休刊した雑誌数が驚異の数字に…

まずは2014年に休刊した雑誌全体についてふれたいと思います。
今年休刊した雑誌は全部で176誌となりました(Fujisan.co.jp「休刊の雑誌一覧」より算出)。
この数字の中にはいわゆる地方版(たとえば「ウェディングスタイル香川版」)なども含まれていますが、大小問わず176誌もの雑誌がこの1年間で姿を消したことになります。

その中から、特にファッションやカルチャーなどに大きな影響を与えた休刊雑誌を取り上げ、そこから読み取れる雑誌のトレンドについても考えてみたいと思います。
時系列で確認して、今年1年間の休刊情報を振り返ってみましょう。

女性の社会進出によって廃刊となった「すてきな奥さん」

まずは主婦と生活社が1990年から発行を続けていた「すてきな奥さん」が2014年5月号で廃刊となりました。
雑誌のタイトルが示すとおり、家庭を守る奥さんに必要な節約術や料理のレシピなどを取り上げていた雑誌です。

すてきな奥さん

「すてきな奥さん」表紙(画像は2014年1月号)

最盛期には80万部を売り上げていたようですが、現在は約15万部ほどに部数は低下。
その理由の1つとして、女性の社会進出によって「すてきな奥さん」のコンセプトが女性に受け入れられなくなったことが挙げられます。

女性の社会進出はまた、政府の統計結果を見ても一目瞭然だ。2012年に3,033人を対象に内閣府が行った調査を見ると、約45パーセントの人が「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考えに反対。1992年の34パーセントから実に11ポイントもの上昇を見せた。Japan Real Time「「すてきな奥さん」休刊へ―24年の歴史に幕」より

こうした背景から、「すてきな奥さん」の後継誌として「CHANTO」という雑誌が創刊されました。
家庭を守る女性のための雑誌から、子育てからキャリアのことまで考える女性のための雑誌に生まれ変わります。

chanto創刊号

「CHANTO」創刊号(画像:fujisan.co.jp)

「すてきな奥さんは発行当時、専業主婦の方が読者層であることを前提にしていました。でもここ数年、この世代の女性を取り巻く環境が大きく変化してきています」と語るのは同誌編集長の山岡朝子さん。新刊のCHANTOでも編集長を務める彼女は、新たな雑誌について「仕事もこなす既婚女性をターゲットにした情報を掲載していく予定です」と話す。(同上より引用)

日本を代表する女性誌でもあった「すてきな奥さん」がこうして生まれ変わることは、雑誌業界だけでなく社会全体の変遷を大いに物語る出来事といえそうです。

アゲ嬢を生み出した先駆的な雑誌も休刊へ

今年はギャル系の雑誌が相次いで休刊されたことも大きなトピックとなりました。
キャバクラ嬢向けのファッションやヘアスタイルを取り上げ、「アゲ嬢」という言葉とともに一躍売り上げを伸ばした「小悪魔ageha」が休刊となったのも今年でした。

小悪魔agehaの休刊

2014年5月号で休刊となった「小悪魔ageha」

のちほど紹介しますが、今年はギャル文化を牽引してきた雑誌が相次いで休刊となりました。
この小悪魔agehaの休刊もギャル文化の衰退を物語る1つの出来事といえそうです。
小悪魔agehaの休刊についてくわしくは『小悪魔ageha』の出版社が倒産…いったい何があったのか?をご覧ください。

ギャル文化に最も影響を与えた雑誌「egg」

今年の休刊雑誌で1番インパクトがあったのが「egg」の休刊です。
「egg」は1991年創刊のギャル系雑誌。5月31日発売の7月号をもって休刊となりました。

egg休刊

2014年7月号をもって休刊となった「egg」

eggはギャル文化を発信するとともに、押切もえ、益若つばさ、今井華などの人気モデルを輩出した雑誌でもありました。
ルーズソックスやコギャル、ヤマンバなどのブームを創りだしたのもeggです。

そんなeggの兄妹誌である「men’s egg」も2013年10月に休刊しています。
「egg」休刊がギャル文化にどのような影響を与えるのでしょうか。このままギャル文化は消えていくのでしょうか。
今後のギャル系雑誌全体の動向に注目です。

大人ギャルというジャンルにも休刊の波「BLENDA」

”大人ギャル”をコンセプトに2003年創刊された「BLENDA」が2014年8月7日発売号をもって休刊となりました。
これだけギャル雑誌の休刊が続くと、ギャル文化の衰退はもはや否定できません。

BLENDAの休刊についてくわしくは雑誌『BLENDA(ブレンダ)』が休刊!厳しい雑誌業界の実情をご覧ください。

誌面リニューアルも、休刊を決意「HUgE」

最後に紹介するのは講談社が発行する男性ファッション誌「HUgE(ヒュージ)」です。
2003年に創刊した「HUgE」は裏原系ファッションを皮切りに、その後モード系ファッションへとシフトし、コアな男性読者に支持されてきました。

HUgE

雑誌の表紙は毎号どれも洋雑誌の体裁で、個人的にはかなり好きな雑誌だったので非常に残念です。
ビジネスでは「集中と選択」なんていう言葉がよく使われますが、「HUgE」の休刊はまさに講談社のビジネス的な決断だったのかもしれません。

2014年に休刊した雑誌まとめ

最後にあらためて2014年に休刊した主要な雑誌をおさらいしましょう。

  • ・すてきな奥さん⇒「CHANTO」創刊(主婦と生活社)
  • ・小悪魔ageha(インフォレスト出版)
  • ・egg(大洋図書)
  • ・BLENDA(角川春樹事務所)
  • ・HUgE(講談社)

主要な雑誌をまとめてみましたが、その陰では中小の雑誌がことごとく休刊・廃刊に追い込まれています。
先述したように、2014年の今年に休刊となった雑誌数はのべ176誌にものぼります。

書店の売り上げの6割を支えるとも言われている雑誌。こうして休刊が続くと、出版業界はますます不況に追い込まれます。

とはいえ、変化は受け入れるしかありません。
雑誌が売れないと嘆くばかりではなく、その代替となる収益を確保することが何よりも急務です。

雑誌「VERY」を愛読する「VERY妻」にはくれぐれもご注意を

本屋の雑誌担当者が知らないとヤバイ「雑誌の基礎知識」

女性ファッション誌『CanCam』の由来と特徴とは?

モテたいなら要チェック!女性ファッション誌「4つの常識」

なぜ売れる?集英社の女性誌3つが売り上げ好調な理由とは

女性ファッション誌の発行部数ランキング!(2013年10月〜12月)