ちょっと汚い定食屋で読む、新聞や本や雑誌の独特な心地よさ

最近は大戸屋、やよい軒といった清潔な定食屋が定着しつつあります。
味もサービスも安定感があるお店は、ハズレが少ないので満足感がそこそこ高めです。

チェーン定食屋が台頭する一方で、長年”横ばい営業”(勝手に決めつけ)を続けている昔ながらの定食屋さんも存在します。
いわゆる夫婦で営業しているような、昔ながらの定食屋さんですね。

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私は、ここで読む新聞、本、雑誌の独特な心地よさが大好きです。

ふだんは読まない漫画や雑誌、スポーツ新聞に目を通せるまたとない機会を提供してくれるのも定食屋。
行くたびに、「この選書…!もしやご主人は元ヤン…?!」なんて思いを馳せるのもちょっとした楽しみだったりします。

店内のお客さんを見ながら、その人のストーリーを妄想するのもまた良し。
ブルーカラー(ホワイトカラーの対義として)の人たちが、黙々とゴハンを食べているのを見ながら「ふむふむ、近くの工場で働く人かな」なんて予想してみたり。

何の仕事をしているのかまったく想像できない60代のおじさんが瓶ビールを飲んでいる風景も良いですね。

お店を切り盛りするお母さんとのやり取りもチェーン店では味わえない体験です。
接客をしてくれるお母さんは愛想があまりないんだけど、少しだけ滲み出る哀愁を感じてみたり。
注文はメモを取るでもなく、すべて暗記できちゃうベテランの技に感心したり。

厨房では無口で頑固そうに見えるけど、カウンターに座るおじさんに話し掛けられればそれなりに会話を交わす店主の姿。
お店が空いている時間帯には、テレビから流れる野球中継を興味なさげに眺め続ける店主の姿も垣間見えます。

店内はとてもキレイとはいえず、むしろ「最近掃除したのいつ?」と言いたくなるような汚れ具合。
椅子の座り心地だって褒められたもんじゃありません。ガタつき、カバーが剥がれていることだってあります。

それなのに、なぜ居心地が良いんだろう。
それなのに、なぜ読書が進んでしまうんだろう。

ちょっと汚い定食屋。瓶ビールと餃子で軽く一杯。一息ついたら生姜焼き定食で至福のメシ。

少しだけ贅沢で満たされたこの時間が、わたしの読書生活を快適にしてくれるのです。