本好きはきっと大好きな出版社、みすず書房の話

みなさんはみすず書房という出版社をご存知ですか?
おそらく、世間一般にはあまり知られていない出版社かと思います。

個人的なみすず書房のイメージはズバリ、

本好きにはたまらない本を出す出版社

という感じです。

もう少し詳しく言うと、何だか難しそうな本をたくさん出しているわけです。わたしの知識レベルでは絶対にスラスラ読めません。
しかし、です。ちょっと難しい本を読んで「おれ、知ってるよ」感を演出するにはピッタリの本をたくさん出しています。

ちょっと背伸びをして読みたい、そんな本をたくさん出しているというのが、みずす書房のイメージなわけです。




ちょっと難しい本を差し出す「みすずさん」

哲学・思想や歴史、芸術や医学にいたるまで、みすず書房はいろいろな本を出版しています。
最初に説明したように、「みすずさん」は難しい本が多い。でも、「こんな本読んでるんだよね感」を出すのにちょうど良い。

まあ、このへんから私の知識レベルが推察されることになるのですが、それはさておきです。
この記事を書きながら、みすず書房でググっていろいろ調べているのですが、刊行タイトルがすごいですよ。

たとえばこんな感じです。

  • 弁証法的想像力ーフランクフルト学派と社会研究所の歴史
  • 封建的世界像から市民的世界像へ
  • 実体概念と関数概念認識批判の基本的諸問題の研究
  • 恋愛のディスクール・断章
  • モードの体系ーその言語表現による記号学的分析

どうでしょう、漢字の羅列とこの字面。
ざっとタイトルを眺めただけで、わかっていただける気がします。

なによりも、「みすずさん」は見た目が美しい

何よりも、私がみすずさんを好きな理由は美しい見た目にあります。
見てよし、触れてよし、ついでに嗅いでよし。

これはもう、本好きにとって絶対必要条件だと思います。
本を持った時の、絶妙な分厚さ。
ハードカバーのゴツゴツした感じと、表面のなめらかさ。

あの重厚感って、本好きにはたまらないわけです。たとえ読めなくても、所有欲をきっちり満たしてくれます。

ただ、難読本をたくさん読まずに、所有欲どまりになってしまうのはいかにも残念。
だから年末年始の時間があるときにこそ、みすずさんに手を出したいな。そんな心境でございます。

『21世紀の資本』がスゴイことになってる

そのみずす書房さんから、このたび大型新刊が発売されました。
タイトルは『21世紀の資本』(トマ・ピケティ著)。これが、非常に売れているのです。

このまえ、書店営業で本屋さんをまわっていて非常に驚いたことがありました。
なんと『21世紀の資本』が、くまざわ書店のとある店舗のビジネス書ランキングで2位にランクインしていたのです。

1位が『お金が貯まるのはどっち?』ですから、あまりのテイストの差に思わず笑ってしまったのですが、みすず書房さんがランキングに入るなんてにわかには信じられませんでした。

いや、これは決してみすず書房を悪く言うわけではないのです。
なぜスゴイかと言うと、みすず書房のような人文書版元の新刊は初版部数がどうしても少なくなるからです。

この状況が気になって、知り合いにいろいろ聞いてみたのですが、どうやらこの『21世紀の資本』は初刷1万部とのこと。
噂レベルなので実際のところはわかりませんが、みすず書房さんにとってもこれだけの初刷部数は異例のようです。

値段を聞いても驚きます。なんと5500円です。728ページの大ボリューム。
カバーの重厚感もさすが、みすず書房という感じです。

21世紀の資本

なぜこんなにも売れているのか、この本がいったい何について書かれているのかは割愛いたしますが、この本のつくりはいかにもみすず書房という感じで好感が持てます。

難読本が好きなアノ人へのクリスマスプレゼントなんかにもいいかもしれません。
年末年始に挑戦してみたい、そんな気持ちにもさせられる1冊でした。

21世紀の資本

※トップ画像は「みすず書房ツイッター」より引用させていただきました。