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徹底解説!芥川賞と直木賞のちがいとは?

公開日:2015/07/16 
芥川賞と直木賞のちがい

又吉直樹さんの『火花』が第153回芥川賞を受賞し、大いに盛り上がっています。
お笑い芸人としては、初めての受賞なんですね。

さて、みなさんは直木賞・芥川賞のちがいについてどれくらい理解していますか?

よくニュースでも見かける2つの文学賞ですが、イマイチ区別できていない。
そんな人も多いのではないでしょうか。

今回は芥川賞と直木賞のちがいについて、さまざまな角度から、わかりやすく解説します。

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芥川賞と直木賞のちがいは「ジャンル」

結論からいうと、芥川賞と直木賞のちがいは対象となる「ジャンル」にあります。

芥川賞は「純文学」作品に対して贈られる文学賞。

直木賞は「大衆文芸」作品に対して送られる文学賞。

簡単に言ってしまうと、ちがいはこれだけです。

ここから詳しく説明しますが、この2つの文学賞を創設したのは同じ人物ですし、賞金や発表時期も同じです。

それでは具体的に見ていきましょう。

芥川賞ってどんな文学賞?

まずは芥川賞(芥川龍之介賞)について見ていきましょう。
どんなジャンルに与えられるのか?賞金はいくらなのか?

1つずつチェックしてみましょう。

  • ・創設は1935年
  • ・文藝春秋を設立した菊池寛がつくった賞
  • ・芥川龍之介の功績を讃えてつくられた
  • ・対象ジャンルは「純文学」
  • ・無名あるいは新人作家が対象
  • ・正賞は懐中時計
  • ・副賞は賞金100万円
  • ・年2回(1月・7月)に発表

直木賞と重複するところがありますので、ちがうところだけをピックアップして紹介します。

芥川龍之介の功績を讃えてつくられた

芥川龍之介

芥川龍之介といえば、大正時代を代表する作家で菊池寛とは友人関係でした。

彼の功績を讃えて1935年につくったのが芥川賞でしたが、当初はほとんど話題にならなかったそうです。

しかし、1956年に石原慎太郎の「太陽の季節」が受賞すると状況は一変します。
多くのメディアが取り上げるようになり、そこから日本を代表する文学賞の1つとなったのです。

対象ジャンルは純文学

純文学っていったいどんなジャンルのことをいうのでしょうか?

いかにもむずかしそうなジャンルですが、わかりやすくいえば「芸術性が高く、個人的な要素が強い作品」です。

靴でたとえるなら、下駄が芥川賞。スニーカーが直木賞といったところでしょうか。
…お察しのとおり、あまりしっくり来てません。

私小説(作家自身が主人公の作品)といった場合も多いので、そこで見分けるとわかりやすいでしょうか。

芥川賞の選考委員はだれ?

文学賞は基本的に有名な作家の人が集まって受賞作を決定します。
芥川賞の選考員をつとめる人は以下のとおりです(2015年7月現在)。

  • 小川洋子
  • 奥泉光
  • 川上弘美
  • 島田雅彦
  • 高樹のぶ子
  • 堀江敏幸
  • 宮本輝
  • 村上龍
  • 山田詠美

直木賞ってどんな文学賞?

続いては直木賞(直木三十五賞)について見ていきましょう。

芥川賞と重複するところもありますが、1つずつチェックしましょう。

  • ・創設は1935年
  • ・文藝春秋を設立した菊池寛がつくった賞
  • ・直木三十五の功績を讃えてつくられた
  • ・対象ジャンルは「大衆文芸」
  • ・無名あるいは新人作家が対象
  • ・正賞は懐中時計
  • ・副賞は賞金100万円
  • ・年2回(1月・7月)に発表

直木三十五の功績を讃えてつくられた

直木三十五
直木賞という言葉は有名ですが、直木三十五と言われても「はて?」という人は多いのではないでしょうか。

直木三十五(なおきさんじゅうご)は、大正・昭和時代に活躍した作家。
やはり菊池寛と交友がありました。

直木三十五の作品には、大衆小説や時代小説などがあります。

対象ジャンルは大衆文芸

大衆文芸、大衆小説など言い方はいろいろあります。

わかりやすくいえば、ハラハラドキドキするような、多くの人が理解しやすい作品のことです。
ただし、時代小説が受賞することも多くあります。

直木賞の選考委員はだれ?

直木賞の選考員をつとめる人は以下のとおりです(2015年7月現在)。

  • 浅田次郎
  • 伊集院静
  • 北方謙三
  • 桐野夏生
  • 高村薫
  • 林真理子
  • 東野圭吾
  • 宮城谷昌光
  • 宮部みゆき

知っておきたい芥川賞・直木賞の豆知識

ここからは、知っておくと自慢できるかもしれない芥川賞と直木賞の豆知識について紹介します。

選考が行われる料亭「新喜楽」ってどんなところ?

芥川賞の選考会in新喜楽

出典:日本近代文学館

芥川賞、直木賞ともに同じ会場で選考がおこなわれます。
その会場になるのが、東京都中央区築地にある「新喜楽」という料亭です。

1階が芥川賞、2階が直木賞です。

食べログによると、新喜楽は以下のような料亭だそうです。

  • ・評価:3.24(2015年7月16日現在)
  • ・予算:30,000円
  • ・日本料理の店で日本三大料亭の1つ
  • ・口コミによると、2人で8万円かかることも

芥川賞と直木賞の最年少・最年長受賞者ってだれ?

【芥川賞】

  • 最年長:黒田夏子(75歳9ヶ月)『abさんご』
  • 最年少:綿矢りさ(19歳11ヶ月)『蹴りたい背中』

【直木賞】

  • 最年長:星川清司(68歳2ヶ月)『小伝抄』
  • 最年少:堤千代(22歳10ヶ月)「小指」およびその他

芥川賞と直木賞のちがい【まとめ】

あらためて、芥川賞と直木賞のちがいと共通点についてまとめておきましょう。

  • ・芥川賞は「純文学」
  • ・直木賞は「大衆作品」
  • ・無名あるいは新人作家が対象
  • ・正賞は懐中時計
  • ・副賞は賞金100万円
  • ・年2回(1月・7月)に発表
  • ・どっちの賞も菊池寛がつくった

本屋大賞が大ブレイクしてからというもの、メディアで取り上げられる機会も減ってしまった直木賞・芥川賞。
しかし、歴史を見ると絶対に軽視できない文学賞であることは間違いありません。

第153回芥川龍之介賞は又吉直樹さんの『火花』が受賞し、大いに話題となりました。
これを復調のキッカケとして、芥川賞・直木賞が出版業界の売り上げに貢献してくれることを願うばかりです。

 


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