秀逸すぎる1冊『日本のブックカバー』で全国の本屋のブックカバーを旅しよう

本が好きな人、ならびに本屋が好きな人。
その多くはきっと、本屋でもらえるブックカバーが好きなはず。

勝手ながらこんな想定をもとに、今回は素晴らしい本を紹介したいと思います。その名も『日本のブックカバー』。

日本全国にある本屋でもらえる紙のブックカバーの写真がひたすら掲載されているという、ちょっと異色な1冊です。




ブックカバーは好きですか?

ブックカバーと言うと、布や革でつくられたものを思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし、この本で紹介されているのは、いずれも紙のブックカバー。本屋で本を買うと、基本的に無料でかけてもらえるアレです。

ブックカバーは本屋ごとにさまざまなデザインがあり、そのデザインも本を買う1つの理由になったりするくらい重要です。

基本的にはベーシックバージョンを採用しながら、季節ごとあるいはスポンサーによってはかなり面白いデザインのブックカバーに期間限定で出会えるもの良いですよね。

ブックカバーがもらえるのが嬉しくて本を購入してしまう、そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。

いまのデザイン、そして過去のデザインまで網羅!

さて、今回紹介する本の話に戻りましょう。本書のすごいところは、日本全国の本屋のブックカバーの写真を実際に掲載しているところ。

それだけでなく、いま採用されているデザインはもちろん、過去に採用されていた歴代のブックカバーまでが見られるところも秀逸です。

おしゃれなブックカバーから時代を感じる昔のブックカバーまで、本屋のブックカバーがアーカイブされています。

ブックカバーというのは1つの本屋に1デザインが基本なのですが、やはり時代に合わせて変化するもの。わかりやすくいえば、車のモデルチェンジみたいなところでしょうか。

特に大手書店チェーンの歴代ブックカバーデザインがひと目で見ることができるので、非常に見応えがあります。「あー、この時代のデザイン、すげーオシャレじゃん」なんて言いながら読むのがすっごい楽しいです。

個人的にはリブロのブックカバーの変遷が気になるというか、1990年代に使われていたブックカバーの色使いがとっても好きです。欲しい。

ちょっとした旅行気分、あるいは感傷にも浸れる

『日本のブックカバー』というタイトルの通り、本当に日本全国の本屋のブックカバーが紹介されています。

大手書店チェーンは無難なデザインが多いですが、小さい本屋ほど攻めたデザインを採用しているところも面白いですね。吉祥寺のブックス・ルーエ、日本橋のタロー書房あたりが有名でしょうか。

なかにはすでに閉店してしまったお店のブックカバーもあったりするので、いまはなき本屋に思いを馳せることもできます。

あるいは遠く離れた地方の本屋のブックカバーも紹介されているので、ちょっとした小旅行を味わえるのもいい感じです。私は地方に旅行に行った際には、必ず現地の本屋を巡りまくるので、この本、たまらないです。

本書の残念なところ

ただ、残念な点もいくつかあります。

  • ・『日本のブックカバー』というタイトルがわかりづらい
  • ・「書皮」という言葉じゃ伝わらない
  • ・装丁に”引き”がない

本書が大好きだからこそ、あえて厳しいことを言わせていただきます。

まず、『日本のブックカバー』というタイトルにしてしまうと、”本屋で無料でもらえる紙のブックカバーである”ということが伝わりづらい。さもすると、「布や革でつくられた市販のブックカバーについての本なのかな?」という勘違いを生みます。

また、本書では「帯」や「裏表紙」に”書皮”という言葉を多く使っています。正直なところ、”書皮”という言葉は人口に膾炙していないので、使うべきではないと思います。

さらに、ブックカバーを紹介する本書のブックカバーデザインがイマイチです。良くいえば、重厚かつ荘厳な印象。悪くいえば、ガチガチの古いデザイン。”引き”がありません。

もっと明るいポップなテイストにしたほうが、より多くの読者にリーチできたのではないでしょうか。

紙のブックカバーが好きな人は多いはずなので、潜在的な読者層にアピールできていないのは非常にもったいないです。

と、記事の最後で批評をしてしまいましたが、あくまでも商業的な話。

これだけは断言できます。本書の内容は最高です。企画を立てた編集者の方に大きな拍手を送りたい気分になります。

紙のブックカバーが好きな人ならまず間違いなく楽しめる1冊です。わたしが言うものヘンですが、買って損はさせません!