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AneCanが衝撃の休刊。ライバル誌と発行部数を比較してみた

公開日:2016/08/15 

雑誌についての暗いニュースが後を絶ちません。
女性ファッション誌のなかでも独特の立ち位置で発行を続けていた「AneCan」(小学館)が休刊を発表しました。

象徴的な雑誌の1つが消えるというこの事態をライバル誌の現状とともに分析をしたいと思います。

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なぜAneCanは休刊するのか?

雑誌が休刊に追い込まれる理由はただ1つしかありません。それは発行部数(実売部数)の減少です。
つまり、売れなくなって採算が合わないから撤退するということです。

小学館のプレスリリースでは「AneCan」について以下の発表がされました。

この度、女性向けファッション誌『AneCan』を、2016年11月7日発売の12月号をもって休刊することといたしましたので、ご報告いたします。同誌は「お姉さん系 CanCam」として2006年に年2回刊行後、2007年3月から月刊誌として創刊し、一大ブームを巻き起こしました。以来、アクティヴな30 歳前後の多くの女性たちの心を捉え、全国的にも認知度の高い雑誌に成長しましたが、昨今の読者ニーズや広告環境の急激な変化を真摯にとらえ、月刊誌としての休刊を決定いたしました。

「一大ブームを巻き起こしました」という自画自賛に対しては失笑しかありませんが、約10年間の歴史に幕を閉じることになったAneCan。

「昨今の読者ニーズや広告環境の急激な変化」というのがここでは重要です。
”読者ニーズ”というのは読者に支持されなくなったことであるのは言うまでもありません。

そして、「広告環境の急激な変化」というのは雑誌のおもな収入源である広告収入が減少したことが原因です。

AneCanに限ったことではなく、そもそも雑誌業界全体の売り上げは減少の一途を辿っています。
雑誌の売り上げが落ちれば、スポンサーとの単価交渉も厳しくなります。広告単価を下げざるを得なくなるからです。

もっといえば、雑誌への出稿は効果が見込めないという理由で広告を引き上げる企業も出てきます。

雑誌の広告費は年々減少し、一方でインターネット広告費が増加しているのが現状なのです。

採算が合わなくなればビジネスの継続がむずかしくなりますから、休刊という手段を取らざるを得ません。

AneCanのライバル誌はまだまだ売れている?

単純に雑誌が売れなくなっているということもAneCan休刊の1つの要因です。
しかし、見方を変えれば「ライバル誌に読者を持って行かれた」と考えることもできます。

そこで、2つの期間を比べてAneCanとライバル誌の発行部数を比較してみましょう。
ここでライバル誌として比較するのは、日本雑誌協会の「印刷部数公表」で分類されている「女性ヤングアダルト誌 > キャリア」のくくりです。

AneCanが独走する時代は確かに存在した

まずは2009年4月〜6月における発行部数は以下のとおりです。

AneCanの発行部数比較

出典:日本雑誌協会「印刷部数公表」

雑誌の発行部数は季節要因はあれど、基本的にはそのときの読者ニーズを反映したものとなっています。
いかがでしょうか。AneCanはライバル誌を差し置いて、キャリア向けの女性ヤングアダルト誌で堂々の発行部数第一位(260,000部)を誇っています。

壊滅的な発行部数のマイナスがAneCanを襲う

それでは続いて、直近の集計である2016年4月〜6月の結果を見てみましょう。

2016年のAneCan発行部数

出典:日本雑誌協会「印刷部数公表」

BAILAの発行部数は順調に推移しています。そして、CLASSYは順調どころか大幅に発行部数を伸ばしています。

一方のAneCanは、さきほどの260,000部と比較して80,667部となっており、単純計算で-18万部という大幅な減少が見られます。

さらに小学館というくくりでいえば、OggiとDomaniの2誌が減少している点も気になるところです。

AneCanのひとり負け?伸びてる雑誌との違い

この結果からもわかるように、雑誌業界全体が縮小していながらも、発行部数を伸ばしている雑誌は存在するわけです。

いわば当然の話ではありますが、読者ニーズを汲み取れない雑誌が淘汰されるということを改めて認識させられます。

雑誌のブランド名や専属モデルに頼ってばかりの誌面づくりでは、読者から支持され続けるのはむずかしいということです。

結果論といえばそれまでですが、AneCanは蛯原友里、押切もえ、高垣麗子という専属モデルありきの雑誌だったと言えるかもしれません。

モデル人気があるうちは絶頂を味わえるものの、ひとたびファンが離れていけばあっという間に終息する。
局所的なモデル人気に頼る手法は、もはやファッション誌では通用しない時代になったと言えるでしょう。

 


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