本屋でトイレに行きたくなる「青木まり子現象」のすべて

「なぜ、人は本屋に行くとトイレに行きたくなるのか?」これはもはや業界を超えた、有名な論争となっています。

この「本屋で便意をもよおす」ことを青木まりこ現象と呼びます。
ご存知の方も多いかと思いますが、初めて聞いたという人も多いはず。

青木まりこ現象の基礎知識から、本屋と便意の関係性について6つの説を取り上げて解明を試みます。




そもそも「青木まりこ現象」とは?

まずは初めて聞いたという方のためにも、「本屋とトイレ」の関係性をあらわす青木まりこ現象についてご紹介します。

先述のとおり、青木まりこ現象とは「本屋でトイレに行きたくなること」をいいます。
なぜ「青木まり子」などという個人名が使われているのでしょうか?

この現象名は1985年4月発行『本の雑誌』(第40号)への一般読者からの投稿に由来します。
その投稿とは、「本屋にいるとなぜか便意をもよおします。どうしてでしょうか?」(青木まり子・会社員)というもの。

そう、この投稿者である「青木まり子さん」こそが、現象名の由来になったのです。
すべてのはじまりは、この投稿がキッカケでした。

その後、テレビ・ラジオ・雑誌をはじめとするメディアがこぞってこの話題を取り上げ、青木まり子現象はたちまち全国区となりました。

本屋でトイレに行きたくなる6つの理由

なぜ本屋でトイレに行きたくなるのか?
その理由を6つの説に分類してみましょう。

  • [1] 本(紙)のインクのニオイ(化学物質)が原因
  • [2] 大量の本に囲まれるプレッシャーから
  • [3] トイレに行けないのでは?という不安感
  • [4] 過去の経験から反射的に行きたくなる
  • [5] リラックス状態で副交感神経が優位にはたらく
  • [6] 本のニオイがトイレットペーパーを連想させる

[1]本のインクに含まれる化学物質が便意を誘発する

まず有力な説が、本の印刷のときに使うインクに含まれる化学物質が、人間の脳に何らかの作用をするというもの。
このニオイが胃腸にはたらきかけることで、便意をもたらすのではないかと言われています。

[2] 大量の本に囲まれるプレッシャーから

これは大量の本に囲まれることで、自分にいま必要な本はなにか?こんなにたくさんあるのに見つけられるのか?
といった心因がもとになって、そのプレッシャーが便意につながるというもの。
非日常的な空間がもたらす作用といってもいいかもしれません。

[3] トイレに行けないのでは?という不安感

本屋という空間は時に迷路を思わせるレイアウトになっています。
それによって「トイレはどこにあるんだろう?」という不安感を呼び起こし、本屋に行くことでトイレに行きたくなる説です。
また、本屋によってはトイレを設置していないこともあるので、便意を助長します。
これは本屋に行ったらすぐにトイレの場所を確認すれば解決する話です。

[4] 過去の経験から反射的に行きたくなる

なんらかの原因によって、過去に1度でも本屋でトイレに入ったことがあると、本屋に入った瞬間に条件反射的にトイレに行きたくなります。
人間の体の作用とも言えますが、1度でもトイレに行くとこの現象からは逃れられない恐怖の説でもあります。

[5] リラックス状態で副交感神経が優位にはたらく

胃腸のはたらきは副交感神経がはたらくことで活発になると言われています。
副交感神経はリラックスしている状態に優位にはたらくため、本屋というリラックスできる空間が胃腸のはたらきを促すという説です。
この説は[2][3]の説とまっこうから対立します。
個人的な経験からすると、本屋でトイレに行きたくなるのは緊張状態からであることが多いので、この説には懐疑的です。

[6] 本のニオイがトイレットペーパーを連想させる

この理由は条件反射説にも似た要素がありますが、本屋という紙の権化のような場所に行くことでトイレットペーパーを連想するという説です。
トイレットペーパーというものに明確なニオイがあるかは疑問ですが、この説が有力ならば無意識に作用する人間の体のスゴさを感じます。

で、結局どの説が正解なの?

本屋でトイレに行きたくなる原因として、以上6つの説を紹介しました。
さて、最大の関心はいったいどの説が正解なのか?ということです。

結論から言うと、どの説にも絶対的な要素はなく、本屋で便意をもよおす原因は解明されていません。
科学的に解明されていないわけなので、あくまでも推論をもってして対処するしかありません。

とはいえ、皆さんにも該当する説・思い当たる説が多いのではないかと思います。
推論の域を出ないのは忸怩たる思いがありますが、便意に負けて本屋を楽しめないようなことがあっていけません。

青木まりこ現象まとめ

それでは最後に青木まりこ現象について改めておさらいしておきましょう。

  • ・「青木まりこ現象」は一般読者である青木まり子さんに由来する
  • ・「本と便意」を1つの理由に求めるのは難しい
  • ・本と便意はまったく関係ない可能性も否定できない

本来であれば、「これが本屋での便意の原因だ!」といえるような確固たる見解が欲しかったのですが、断定することは難しいのが現状です。
やはり本屋に行くことでさまざまな心理的要因が作用してトイレに行きたくなる、というのが最も有力な説なのではないかと思います。

原因がハッキリしない以上、自分の身は自分で守る!まずは本屋に行ったらトイレの場所を確認する!
これが青木まりこ現象が教えてくれる、賢明な本屋ライフだといえるでしょう。