なぜ、アスコムの本はベストセラーになるのか?

さて、アスコムについての話です。
ご存じない方のために簡単に説明しておきますと、アスコムというのは主に実用書やビジネス書を出している出版社のことです。

ここ最近、というか数年前からですがベストセラーを量産している出版社です。
出版業界ではたらいていれば、おそらく日々耳に、目にする名前ではないかと思います。

それはなぜか?ズバリ、本がめちゃくちゃ売れてるからです。




アスコムは講談社や集英社と同じような立ち位置になり得るか?

本が売れていれば、それだけその版元の名前も有名になって広まることになります。
講談社や集英社や小学館という名前を誰もが知っていることがその証左です。

個人的にはアスコムという出版社は、規模は違えど音羽グループ一ツ橋グループの版元と同じような領域に入ってきているのではないかと感じています。

つまり、出版社名がブランド価値を持つということです

出版業界ではたらいている人は別ですが、おそらくほとんどの人は出版社の名前なんか気にせずに本を選ぶと思います。

本屋でパラパラと本を眺めて「あ、これ面白そうだな」と思えば、そのまま気にせず買います。

「なんだ、面白そうだけど〇〇社の本か。やめとこう」

ということは、ほとんどありません。出版業界を知らない一般読者はね。

アスコムが本を出すたび熱狂する「アスコムおたく」が出現?

出版社名にブランド価値が出てくるということは、その出版社のファンが生まれるということでもあります。
特に、アスコムのようなある程度刊行物のジャンルが特定されている場合は、ファンが生まれやすいのではないでしょうか。

とはいえ、実用書、特に健康書は自分の悩みがあって初めて本を手に取ることが多いはずなので、アスコムの本だからといって無条件に買うことは少ないかもしれません。

でも、これだけ新聞広告を売って、売り上げを伸ばして、テレビでの露出があれば「アスコムの本なら安心だな」と読者に思ってもらえる可能性は出てくるわけです。

実用書はいまも昔も変わらず、類書が本屋にあふれています。
たとえば、ここに同じテーマを扱った本が2冊あって、どちらを買おうかと悩んでいる読者がいるとしましょう。

このときに、もしかしたら「どちらも内容的には同じようなもんだけど、アスコムって有名だし、こっちにするか」と背中を押す要因になり得る。これが出版社のブランド価値です。

こうなるとハッキリ言って本を売るのがラクになります。
もはやよく言われるブランド論的な話になりますが、ただアスコムってだけで本が売れていく可能性があるのです。

それだけ、私は出版業界で働きながらアスコムの存在を強く感じているわけであります。

アスコムの代表的な本をご紹介

個人的に、といいますか世間的にも上記の3点は認知度・売り上げともに抜群でしょう。

特に、最後の『お金が貯まるのは、どっち!?』に関しては非常に上手に本を打ち出しているなと思います。
具体的に言うと、ビジネス・実用どちらのジャンルでも展開できるということです。

お金のことなので、当然だれにでも必要なテーマです。
中を読んでみるとよくわかります。

ビジネスパーソンが仕事に生かすことがデキるつくりになっていながら、家計を守る主婦目線での内容でもあるのです。
これは担当編集者の抜群のセンスとしか言えないと思います。

お金関連であれば、WAVE出版の『正しい家計管理』なども売れ行き良好ですが、これは実用向けのつくりになっていますね。
これもロングセラーとなっています。装丁が素敵です。

まとめ

調べてみると、アスコムは一度つぶれていたりといった情報も出てきます。
出所が曖昧な情報ばかりなので、何とも言えませんがこうした背景がありながら、ここまで出版業界で存在感を示していることには脱帽です。

そのうちアスコムについて詳しく調べた記事も書いてみたいと思います。