本屋の時給はいくら?東京都内ではたらく書店員の給料事情

みなさんはアルバイトの求人をどうやって探してきましたか?
求人をさがすといえば、昔はお店の入り口にある「求人募集」の貼り紙が一般的でした。

いまは求人サイトが当たり前となり、貼り紙を使った求人も少なくなりましたね。
たまに求人募集の貼り紙を店頭で見つけると、いまでもついつい見てしまいます。

どこを見るか?と問われれば、まちがいなく「時給」と答えます。
いやらしい話ですが、求人募集の貼り紙を見て、

「ここの店員さんは時給◯◯◯円で働いているのね」

なんて分析を加えては一喜一憂しているわけです。

さて、そんな求人募集ですがやはり気になるのが書店員の時給です。
今回は東京都内にある主要な本屋の書店員の時給をくらべてみたいと思います。

そこから、一体どんな実態が浮かび上がってくるのでしょうか?




東京の書店員は時給いくらもらっている?

それでは早速、書店員の時給をくらべていきたいと思います。
本来であれば本屋をくまなく歩き回って求人の貼り紙をチェックしたいところですが、効率が悪いですし、なにより貼り紙で募集している本屋はほとんどありません。

ということで2015年9月29日現在、インターネット上で確認できる書店員のアルバイト求人に絞って比較をします。

書店員の時給に加え、客単価や売り上げを推測するためにエリア別で本屋を比べたいと思います。

まずはコチラのエリアにある本屋から。

新宿駅近郊にある本屋の時給

  • ・紀伊国屋書店新宿本店 910円
  • ・紀伊國屋書店新宿南店 910円
  • ・有隣堂新宿店(STORY STORY) 910円
  • ・ブックファースト新宿店 910円
  • ・ブックファーストルミネ新宿店 910円

意外にも横並びの結果となりました。
紀伊國屋書店については契約社員だと950円という時給で募集しています。

以前までは紀伊國屋書店とブックファーストで時給に差があったはずですが、現在は同じ時給に収斂しています。

東京駅近郊にある本屋の時給

  • ・丸善丸の内本店 960円
  • ・丸善日本橋店 930円
  • ・紀伊國屋書店大手町ビル店 910円
  • ・ヒントインデックス(カフェ) 1100円〜
  • ・三省堂書店有楽町店 900円
  • ・三省堂書店東京駅一番街店 900円
  • ・BX東京駅京葉ストリート店 880円〜1200円

丸善丸の内本店がやはり時給ではトップクラス。

ヒントインデックスはカフェのみ求人募集をしていましたが、書籍販売もおそらく同じ時給にしていると考えられます。

また、BX(ブックエキスプレス)東京駅京葉ストリート店は早朝・夜(22:00〜)だと時給が高くなるのが特徴です。

駅ナカの本屋はいずれも客数が非常に多く、ハッキリ言って大忙しです。そのため時給を高く設定しています。

あまりこう言うのは良くないかもしれませんが、いわゆる「書店員」をやりたい人に駅ナカの本屋はオススメできません。
どうしてもレジ中心になりますし、ゆっくり棚を整理している時間もほとんどありません。

一般的に思い描かれる「書店員像」とは大きくかけ離れているので、応募の際には注意が必要です。

なお、八重洲ブックセンター本店、くまざわ書店大手町店の時給はインターネット上では確認できませんでした。

品川駅近郊にある本屋の時給

  • ・くまざわ書店品川店 890~920円
  • ・BXエキュート品川サウス店 880円〜1200円
  • ・未来屋書店品川シーサイド店 1000円
  • ・ブックファーストレミィ五反田店 910円

渋谷駅近郊にある本屋の時給

  • ・紀伊國屋書店西武渋谷店 910円
  • ・啓文堂書店渋谷店 910円〜1138円
  • ・ブックファースト渋谷文化村通り店 910円
  • ・代官山蔦屋書店 930円
  • ・有隣堂アトレ恵比寿店 910円
  • ・青山ブックセンター本店 910円~1340円

多くの本屋が910円で右に倣え状態です。

紀伊國屋書店は北千住マルイ店、ららぽーと豊洲店、国分寺店のいずれも910円。
都内の店舗で時給を910円に統一している感じが見受けられます。

有隣堂アトレ恵比寿あたりは時間帯によっては激混みの様相ですが、思った以上に時給が高くありませんね。
いわゆるオシャレな街の代名詞でもある恵比寿。書店員の時給もオシャレに、とはいかないみたいです。

秋葉原駅にある本屋の時給

  • ・有隣堂ヨドバシAKIBA店 910円
  • ・三省堂書店アトレ秋葉原1 900円

秋葉原には書泉ブックタワーがありますが、現在のところ求人は確認できません。

有隣堂ヨドバシAKIBA店は都内でも有数の販売力を誇る本屋ですが、時給は他店舗と大きな差は見られません。

書店員の人手不足に喘ぐ、本屋の実情

ザッとではありますが、東京都内の主要な本屋の時給を見てきました。

わたしも数年前まで都内の本屋で書店員をやっていたのですが、そのころよりも時給が50円以上アップしています。

経済状況が良いということもあるのかもしれません。
しかし、時給がアップしているのはもう1つ別のところに理由があるように感じます。

それは、書店員の人手不足です。
書店業界に限りませんが、アルバイト不足はあらゆる業界で慢性化しています。

仕事で本屋を回っていると、多くの書店員が口をそろえて「今日は人が足らなくて…」と言います。
たまたまシフトに穴が空いてしまうケースもあるでしょうが、多くの本屋では人手不足が常態化しているのです。

既刊・新刊の補充や棚の整理、データ管理などをするはずの正社員がレジで接客せざるを得ない状況。

これが本屋の人手不足を物語っています。

本屋はもともと利益率の低いビジネスです。
売り上げの約20%しか利益になりません。1000円の本を売って200円の儲けです。

そこから人件費などを払うわけですから、経営状態が良くなる兆しはなかなか見出せないのです。

とはいえ、人手不足を解消するためには時給を上げなければいけません。
一方で、時給を上げると人件費がかさみます。経営が苦しくなります。

ほかの業種であれば、商品を値上げすればなんとかなるでしょう。
しかし、本は値上げができません。

このまま本が売れずに、書店員不足が続くとどうなるでしょうか?
書店業界、ひいては出版業界全体がますます縮小していくことは避けられないでしょう。

再販売価格維持制度、委託販売制度の抜本的な見直しが必要なタイミングは、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。