癒し系書店員―それは出版社の営業にとって心のオアシス

出版社の営業の皆さん。今日も受注は取れましたか?

私はといえば、日によってまちまちです。
「よっしゃ!めっちゃ受注したった!」という日もあれば、「あちゃー。今日全然取れね…」という日もあります。

取れない日は仕方ない!と割りきるようにしていますが、それでも受注が取れない日はどうしても伏し目がちに…。

そんなときに我々を救ってくれるのは、金曜日のビール。そして「癒し系書店員」です。




誰もが持っているはずの「心のオアシス」

言うまでもありませんが、書店員にはいろいろなタイプがいます。
新刊にしか興味のない人、広告があれば注文をくれる人、「あとでFAXします」と言ってFAXをくれない人、門前払いの人…。

その反面、中には「え、なに、この人は天使なの?」と思わず言いたくなるような書店員も存在します。
それを「癒し系書店員」と呼ぶことにしましょう。

癒し系書店員には以下の傾向があります。

  • ・忙しくても話を聞いてくれる
  • ・欠本補充(1冊だけ棚差し)をすんなり受けてくれる
  • ・売れた本のスリップをとっておいてくれる
  • ・仕掛けてくれる
  • ・我が社の本をホメてくれる(「〇〇社さんの本、すごい売れてますね!」)
  • ・雑談に花が咲く
  • ・かわいい

他の書店の営業でどんなに注文を断られても、どんなに罵声を浴びせられても、癒し系書店員がいるお店に行くだけでメンタルは回復します。

担当する沿線にオアシス補給所を確保せよ!

そんなわけで、出版営業の仕事を楽しくするためにも癒し系書店員の存在は必須です。
しかしこの癒し系書店員、当然のことながら簡単に出会えるものではありません。

最初は心を閉ざしているのに、何度か足を運ぶことで癒やしを開花させる書店員だっています。

反対に「あっ、癒し系書店員に出会えた!」と思って歓喜するも、次に訪問した時には悪魔のような対応をしてくる「気まぐれ書店員」だっています。

「これが自分の癒やしだ!」と確信を持てるようになるには時間がかかるのです。

閑話休題、出版営業は沿線ごとに担当を持つことがほとんどです。
ですから、その沿線ごとに数店舗はオアシスを確保したいところ。

絶対に訪問しないといけない主要店や大型書店の担当者が癒し系書店員であれば、こんなに恵まれたことはありません。
だって大型書店の担当者が癒し系書店員だったら、まとまった冊数の注文が取れるわ癒やされるわで、「総合癒やしポイント」は満点となるでしょう。

とはいえ、そんな甘いもんでもありません。
絶対に訪問しないといけない主要店や大型書店の担当者が「鬼畜書店員」であった場合は、体に鞭打って立ち向かわなければならないのです。

鬼畜書店員と戦って、もう体はボロボロ…戦意喪失…。
ああ、もう俺はダメかもしれない…。

あきらめないで!
そんなときに我々を救ってくれるのが、癒し系書店員なのです。

鬼畜書店員との激闘でボロボロになっても、沿線に何箇所かオアシスを確保していれば、激戦後に癒し系書店員の店へ向かうことができます。

オアシスと激戦地を上手く組み合わせるように営業スケジュールを立てることも、出版営業という仕事の重要なファクターなのです。

「癒し系書店員」へと開花させる2つのテクニック

さて、ここまででオアシスを確保することの重要性はおわかりいただけたかと思います。
先にも述べたとおり、すべての書店員が簡単に癒しを提供してくれるわけではありません。

ここからは、私が実際に書店員さんを「癒し系」へと開花させたケースをご紹介します。

まず1つは、その書店員さんがオススメする本を聞き出し、その場で買って帰るというもの。

これは、次回の訪問にかなり生きてきます
同じ本の話題で盛り上がることほど、距離を縮めてくれるものはありません。

もう1つは売り上げデータを提供する、というやり方。

売り上げデータを提供する」は内部的にあまり良しとしない出版社もあるかもしれません。

でも、書店員は外部の情報を求めています。
書店員は閉鎖的な空間にいるので他店・他チェーンの動向がわかりません。
ライバル店の売り上げや取次のデータなどで良好書の情報を提供すると距離はグッと縮まります。

これは出版営業の友人に聞いたやり方なのですが、情報を持って行くことで感謝されるのはもちろん、良好書は話のキッカケになるので非常に便利です。

両方ともハードルは低いながら、効果は高めです。
癒やしを開花させるために、コツコツ続けていきましょう。

ほら、もう大丈夫。
振り向けば、そこには優しくほほ笑んでくれる癒し系書店員がいることでしょう。