発表!書店の売り上げランキングベスト20

みなさんは書店チェーンをいくつ知っていますか?

売り上げが縮小していると言われますが、書店の売り上げは依然として出版業界にとって大きな存在です。
今回は書店チェーン別の売り上げランキングを20位まで発表。それぞれの書店の特徴などを解説します。




2013年度 書店売上高ランキングベスト20

さて、さっそくランキングの発表に入ります。
今回は日販『出版物販売額の実態2014』から書店の売上高を抽出し、分析を加えていきます。
なお、ランキングはカルチュア・コンビニエンス・クラブ、ブックオフ、ヴィレッジヴァンガードは除外しています。

順位前年順位企業名本社所在地売上高伸び率店舗数
紀伊國屋書店東京都1071億7200万円-0.9%64店舗
未来屋書店千葉県507億1800万円+2.6%245店舗
ジュンク堂書店兵庫県503億1000万円-2.0%45店舗
有隣堂神奈川県501億9400万円-2.2%44店舗
フタバ図書広島県352億2300万円+0.1%59店舗
トップカルチャー新潟県338億8400万円+5.2%72店舗
文教堂神奈川県314億9300万円-8.2%196店舗
宮脇書店香川県262億9600万円-3.7%271店舗
三洋堂書店愛知県252億5200万円-3.4%88店舗
10三省堂書店東京都241億5800万円-12.5%36店舗
1111くまざわ書店東京都224億4000万円-1.7%110店舗
1210丸善書店東京都213億9400万円-15.7%28店舗
1312リブロ東京都211億200万円-6.2%87店舗
1413虎の穴東京都199億9000万円-2.0%25店舗
1514いまじん白揚愛知県193億7500万円-2.4%15店舗
1615精文館書店愛知県193億3700万円-1.2%43店舗
17ブックファースト大阪府180億円42店舗
1817八重洲ブックセンター東京都169億円0.0%13店舗
1916ニューコ・ワン熊本県165億500万円-3.7%30店舗
2019キクヤ図書販売兵庫県143億4400万円-4.5%38店舗
(C)日販 営業推進室 書店経営支援チーム「2014 出版物販売額の実態」より

第1位 紀伊國屋書店

前年度から-0.9%とわずかながら売り上げは減少したものの、他チェーンを圧倒する売り上げを誇るのが紀伊國屋書店です。

注目はなんといってもその店舗数です。
64店舗と他の書店チェーンと店舗数は変わらないものの、1080億円という売り上げを叩きだしています。
これは1店舗あたりの売り上げの高さ、出店する立地の良さ、そして紀伊國屋ブランドがあってこその数字と言えるでしょう。

第2位 未来屋書店

未来屋書店はイオンブループの会社として、イオンモール内に出店する書店です。売り上げは前年度比+2.6%の507億1800万円でした。

イオンモールが全国各地に次々と出店するのに合わせて店舗数も大幅に増えています。
ただし、すべてのイオンに未来屋書店が出店しているわけではなく、一部イオンでは他チェーンが出店しているケースも存在します。

1位の紀伊國屋書店とは売り上げ額でかなりの差がありますが、今後の展開に期待がかかります。
未来屋書店の売り上げアップは、イオンの赤字解消にかかっているといえるでしょう。

第3位 ジュンク堂書店

ジュンク堂書店の売り上げ額は前年度比-2.0%の503億1000万円でした。
2015年に丸善書店と合併し、丸善ジュンク堂書店となりました。ただし、各店名は変わっていません。

ジュンク堂書店は大型店が基本で、専門書も多く扱っているのが特徴。
いま書店業界では「地方の小さな本屋が、駅前に出店した大型書店に潰される」という状況が続いています。
そういった流れを考えると、大型書店を基本スタンスにしているジュンク堂書店は丸善と同じように今後も強みを持ち続けると考えられます。

第4位 有隣堂

有隣堂の売り上げ額は前年度比-2.2%の501億9400万円でした。
店舗数は44店舗で、出店しているのは神奈川県・東京都・千葉県の3つのエリアのみです。
上位3社が全国に店舗を展開していることを考えると、いかに濃密な店舗網を持っているかが伺えます。

書籍以外に文房具の販売もあるので一概には言えませんが、有隣堂の販売力が成せる技といえるかもしれません。

第5位 フタバ図書

フタバ図書の売り上げ額は前年度比+0.1%の352億2300万円でした。
広島県を中心に展開していることもあり、首都圏あるいは地方の人には馴染みのない書店ではないでしょうか。

書籍販売だけではなく、文具販売からレンタル事業まで幅広く展開をしているのが特徴です。
お店の種類によって「MEGA(メガ)」「GIGA(ギガ)」「TERA(テラ)」と店名を分けています。

第6位 トップカルチャー

トップカルチャーの売り上げ額は前年度比+5.2%の338億8400万円でした。
カルチュア・コンビニエンス・クラブのフランチャイズ加盟店として展開しているので、トップカルチャーと聞いてもピンと来ない人も多いかもしれません。

店名はほとんどが「蔦屋書店」となっており、一部「峰弥書店」「TSUTAYA」の名前で出店している店舗があります。
新潟県に本社を置き、お店も新潟県を中心に展開しています。

第7位 文教堂

文教堂の売り上げ額は前年度比-8.2%の314億9300万円でした。
店舗数は196と非常に多く、全国17都道府県に展開しています。

本社を構える神奈川県に全体の3分の1の店舗が集中しています。
大型店舗は少なく、一般書や雑誌、文庫が中心。

個人的に文教堂には「最も書店らしい書店」というイメージを抱いています。
専門書はないけど、フラッと行くにはちょうど良い書店。そんな感じです。

第8位 宮脇書店

宮脇書店の売り上げ額は前年度比-3.7%の262億9600万円でした。
香川県に本社を置く宮脇書店は「本なら何でもそろう」をキャッチフレーズに、全国271店舗を展開しています。
東京都には2店舗しかないので、首都圏在住の人にはあまり馴染みがないかもしれません。
フランチャイジーとして、直営店以外の店舗があるのも店舗数の拡大につながっています。

本なら何でもそろう、という宮脇書店にはこんな逸話があります。

ほとんどの書店では、店舗に在庫が無く取り寄せ注文をする場合、出版社に確認して品切れまたは絶版になっている場合には入手不可能と客に対して断る。しかし宮脇書店の場合は、品切れや絶版物の書籍も注文を受けて出版社の返品や店頭在庫を探す場合があり、数年後に突然「x年前に注文された本が状態は悪いものの確保できた」などと連絡してくる事がある。但し現在ではどの店舗でも行っているわけではない。(Wikipediaより)

第9位 三洋堂書店

三洋堂書店の売り上げ額は前年度比-3.4%の252億5200万円でした。
書店としては珍しく株式を公開しており、ジャスダックに上場しています。

愛知県に本社を置き、書籍販売以外にも古本の買取・販売、レンタル事業も行っています。

第10位 三省堂書店

三省堂書店の売り上げ額は前年度比-12.5%の241億5800万円でした。
前年度からのマイナスが大きく、第8位(前年9位)の宮脇書店との売り上げ額の差が広がっています。

設立が1915年と100年の歴史を持つ三省堂書店は何といっても神保町本店が有名です。
村上春樹をはじめとするベストセラー作家の本が発売された直後のテレビでは、神保町本店内のブックタワーがたびたび映ります。

第11位〜第20位で気になる書店

第13位のリブロは池袋本店が2015年6月に閉店することが決まっています(【衝撃】池袋のリブロ本店が閉店!!!!)。本店の撤退によって、売り上げの減少は免れないでしょう。

第14位虎の穴は「コミックとらのあな」を25店舗展開する書店、第15位いまじん白楊は愛知県、三重県、岐阜県、高知県、京都府、香川県の中部以南に出店をしています。

第19位ニューコ・ワンは、カルチュア・コンビニエンス・クラブのフランチャイズ加盟会社で熊本県・福岡県・宮崎県に展開。
第20位キクヤ図書販売は「喜久屋書店」を展開する会社です。

売り上げランキングからわかること

売り上げランキングを見ると、知名度と売り上げは必ずしも結びついていないことがわかります。
「八重洲ブックセンター」「ブックファースト」が「虎の穴」「いまじん白楊」よりも売り上げ額が低いというのは、客観的に見ても意外な事実ではないでしょうか。

また、店舗数と売り上げ額が必ずしも比例しないことにも注目です。
紀伊國屋書店と未来屋書店の店舗数の差を取り上げるとよくわかります。
64店舗と245店舗、約200店舗も差がありながら、64店舗の紀伊國屋書店の売り上げは未来屋書店の2倍以上です。

このような事実からも紀伊國屋書店の立地・販売力・ブランドの優位性が窺えます。

1店ごとの規模(店の大きさ)が違うため、きちんとした検証が必要ですが、これは他の小売店には見られない傾向かもしれません。
他の小売業界(特にアパレル)と比べれば、書店は差別化を図るのが難しい商売です。

にもかかわらず、どうして書店によってこれだけ売り上げ額に差がつくのか。これは追って検証してみたいところです。

個人的な感想

売上高を見ると、やっぱり紀伊國屋書店の強さを猛烈に感じました。さすが、と言わざるを得ません。

他にはフタバ図書、トップカルチャーの売上高の高さには驚かされました。

いまじん白揚は全国的な知名度は低いながら、非常に健闘している書店です。わずか15店舗にもかかわらず、ブックファーストや八重洲ブックセンターを上回るすごさには刮目すべきでしょう。

以上、書店の売り上げランキングベスト20をご紹介しました。