習慣を身につけるには?『やってのけるー意志力を使わずに自分を動かす』

あなたは自己啓発書の言葉に酔いしれて「自分は変わったんだ!」こんな風に勘違いしていませんか?
そうした本で変わったと思っても、ほとんどの場合そのモチベーションは長続きしません。

言葉は力を持っているようで、実はカンフル剤に過ぎない部分があります。
いわゆる「名言集」のようなものの中から自分にフィットする言葉を探して、それを唱えることでやる気を高めているという人もいるでしょう。
でもそういう人ですら、本当の意味で「自分を変えた」とは言えないと思います。

なぜ私がここまでハッキリと断言できるのかといえば、それは本日の主役『やってのけるー意志力を使わずに自分を動かす』(ハイディ・グラント・ハルバーソン著、大和書房)を読んだからに他なりません。

著者のハイディ・グラント・ハルバーソンはアメリカの社会心理学者。この本はすべて心理学のアプローチに基づいて話が進んでいきます。




自分がどのタイプの人間かによって目標達成へのプロセスは大きく異なる

人は2つのタイプに分けることができます。
自分がどちらのタイプかをきちんと把握することで、目標の達成をグッと身近なものにしてくれます。

達成までの道のりの楽しさや面白さは、選択した目標のタイプによって変わります。目標の違いは不安や抑うつなどへの陥りやすさ、落ち込んだときの対処法、成功の見込みが低いときに耐え続ける力にも影響します(P80)

ここで質問です。あなたにとっての目標はどちらですか?

  • A「周りに能力を示すこと」
  • B「成長すること」

Aを選んだ人は「証明型」です。
Bを選んだ人は「習得型」です。

それぞれの型には良し悪しがあります。

証明型の目標は、順調に進む場合、やる気を高め、目覚ましいパフォーマンスを導きます。しかしうまくいかないときは、自分には能力がないと早々に結論付けるため、簡単にあきらめてしまう傾向があります(P97)

たとえば、自分のアタマの良さを示すために試験で100点を取ることを目標にしたとします。
最初の試験で100点が取れないと、証明型の人は自信をなくします。
「自分はアタマが良くないのかもしれない」という不安が生じて、ネガティブな感情が支配するからです。
そして「アタマが良くないのだから、努力しても意味がない」と結論付けて、それ以降勉強をしなくなります。

習得型の目標を持つ人は、能力不足による低調な結果や直面するトラブルをネガティブには捉えません。問題にぶつかっても、とくに意気消沈したり、無力感を味わったりすることなく、壁を乗り越えるための行動を取ろうとするのです(P86)

先ほどのような試験でもし30点をとった場合、習得型の人は勉強方法を変え、勉強時間を増やすことで対処しようとします。
つまり、証明型の目標を持つ人よりも、習得型の目標を持つ人のほうが過程を楽しんだり、失敗を乗り越える力があることを示しています。

まとめ

この本が優れているのは、その人のタイプごとに取り組むべき思考法をきちんと紹介していることにあります。

「自分がやる気をなくすのはどんな時だろう?」

「自分はこの目標を何のために達成しようとしているのだろう?」

「ポジティブ思考だけしていればいいんじゃないの?」

こうした問いかけに対して、本書の中に答えは書いてありません。
なぜなら、その答えはこの本を通じて自分で考えて導きだすことになるからです。
体験型の自己啓発書、そう呼んでも過言ではありません。

自分がどういう思考回路を持っていて、どんな時につまづいて、どんな時にやる気をなくして、どんな時に失望するのか?

そして、そんな時にはどんなふうに思考を持っていけばいいのか?

本書は今まで自分が気づいていなかった思考回路の存在に気づかせてくれます。

やる気が起きない、仕事がイヤだ、何のために頑張っているのかわからない…

そんな方は一読の価値、ありです。