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迷惑な立ち読み客に立ち読み料を請求する「地獄の本屋」とは?

公開日:2017/01/13 
本屋の立ち読み料

立ち読み客への思い、考え方は立場によって大きく変わってくると思います。あなたは立ち読み客についてどう思いますか?

お客目線でいえば本の中身を確認して買いたい、あるいはつまみ食いしたいときに立ち読みは欠かせません。

一方、書店にとって立ち読みは売り場を荒らされるうえ、さらに買わずに帰る立ち読み客ともなればもはや敵でしかないでしょう。

立ち読みばかりの客があふれれば本屋は潰れます。ですから、立ち読みと購入はしっかりバランスを取るべきで、立ち読みしかしない人は自分の首をしめることになるということを理解すべきでしょう。

このような立ち読み客問題は日本のみならず海外でも同じのようで、イギリスで立ち読み客に「立ち読み料」を請求する本屋が話題になっています。

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英国・ヨークシャーデールのBloomindalesという古書店では、客に立ち読み料として50ペンス(約72円)を要求し、支払いを断ると無礼な言葉をかけることで「地獄の本屋」と呼ばれているそうだ

店主によれば、客が本当に買う気があるのかを確認するためであり、実際に金を徴収したことはないという。しかし、地元ハウズの議会には過去4年で20件以上の苦情が寄せられているそうだ。議長は店主の態度について、フレンドリーで絵に描いたように美しい町の評判を落とすものだと非難しているとのこと。

よほど立ち読み客が嫌いなんだろうなと、店主の心情がうかがえる内容です。

買わないなら金を払え、というのは商売をする側の一方的な都合のようにも思えますが、わからなくもありません。

書店目線で言えば、棚を荒らされるリスク、さらには本が傷んで売れなくなる(返品になる)ことを考えると立ち読み料を請求したいわけです。

でも、お客目線でいえば「なんだこの本屋」と言いたくなるでしょう。「本は中身を自由に試し読みできるもの」という認識がある以上、立ち読み料なんてとんでもない話です。

「立ち読み料」制度があったら本屋はどうなる?

もし日本の書店で「立ち読み料」が制度として導入されたらどうなるでしょうか?

客:「あの、この本の中身を確認したいんですけど…」

書店員:「はい、では立ち読み料として定価の1%をお支払ください」

こんな具合で料金が発生するとなれば、本の中身を確認せずに買う客が増えそうです。と、それ以上にそもそも本を買わない客が増えるかもしれませんが。

わざわざ立ち読みをするときに申請をして、料金を払うのが面倒ですから制度としては実現しそうもありませんね。

AI技術が進化すれば、立ち読み料が手軽に徴収できる

ただし、AIをはじめとする技術の発展によって、立ち読み料がもっと気軽に徴収できるようになる可能性はあります。

アマゾンが運営するレジのないコンビニ、「アマゾンGO」がイメージとしてわかりやすいですね。

「アマゾンGO」の仕組みはこんな感じです。

来店客は「アマゾンGO」のアプリを起動させたスマートフォンを端末にかざして、自動改札のような入り口から入店する。棚から商品を取ると、センサーが検知してアプリ内の「買い物かご」に入れたことになり、店を出た後にアマゾンに登録したクレジットカードで代金が決済される(レジなしコンビニ開店…アプリで決済、米で来年

これを利用すれば、書店の本にタグをつけ、立ち読みをした客を感知することで自動課金が容易になるでしょう。

ひとことでいえば”諸刃の剣”である立ち読み料ですが、客としては当然ないほうがいいに決まってます。

でも「立ち読み料反対!」を声高に叫ぶには、立ち読みと購入の両方をしっかり果たす必要があるでしょう。

 


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