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意外とカンタン!雑誌の発行部数と売り上げを手軽に調べる方法

公開日:2017/01/18 
雑誌の売り上げと発行部数を調べる方法

雑誌の売り上げ部数が落ち込んできていますね。みなさんも、とりわけ紙の雑誌を読む機会は減ってきているのではないでしょうか?

よほど趣味性があったり、手元に保存しておきたいと思わせる雑誌でないと、紙を買う理由がなくなりつつあるのかもしれません。

出版業界の売り上げを支える雑誌の売り上げ動向は、今後の展望をはかる上で重要な指標です。

それを知るためには、やはり雑誌の発行部数をチェックするのが手っ取り早い。

そこで今回は、雑誌の発行部数を調べる方法についてわかりやすく解説します。

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発行部数と売り上げ部数はちがう

まず前提として、発行部数と売り上げ部数のちがいについてふれておきたいと思います。すでに知っているよ、という人は読み飛ばしてください。

発行部数は印刷された冊数のこと

発行部数は、出版社が雑誌やして印刷した部数のことをいいます。日本雑誌協会(JMPA)が「印刷証明付発行部数」として公表しています。

以前までは出版社が独自に発表していましたが、水増しなどが常態化。信頼に足りるものを目指すべく、客観的な発行部数として使われるようになりました。

売り上げ部数は実際に売れた冊数

売り上げ部数(実売部数)とは、実際に雑誌が売れた冊数のことをいいます。

ざっくり言えば、【発行部数ー返品数=実売部数】ということができます。

出版社が自社の売り上げを公表することもありますが、客観的には日本ABC協会が公表している実売部数があります。

発行部数を調べるなら日本雑誌協会で

まず結論から言うと、雑誌の発行部数は日本雑誌協会のウェブサイトから調べることができます。

はじめに、日本雑誌協会の「印刷部数公表」のページへ行きます。

一般社団法人 日本雑誌協会 印刷部数公表

発行部数を調べるときは、

  • ・銘柄ごとに調べる
  • ・ジャンルごとに調べる
  • ・出版社ごとに調べる

といういずれか3つの方法によって調べることが可能です。

特定の銘柄の雑誌発行部数をピンポイントで調べる方法

雑誌の銘柄で発行部数を調べる

まずは【部数算定期間の選択】を選びます。そして、調べたい雑誌名を入力しましょう。入力ができたら【検索】を押します。
ここでは小学館の「CanCam」の発行部数を調べてみます。

CanCamの印刷部数公表

赤枠のなかに、CanCamの発行部数が表示されました。2016年7〜9月は115,000部であることがわかります。

ついでに算定期間を目一杯戻して、2008年7〜9月の発行部数と比べてみましょう。

2008年CanCam印刷部数公表

【526,667部(2008年)⇒115,000部(2016年)】と、8年経って発行部数が40万部以上も減少していることがわかります。

雑誌のジャンルごとに調べる

今度は雑誌をジャンルごとに調べてみましょう。

雑誌のジャンルというのは、「日本雑誌協会」「日本ABC協会」「日本雑誌広告協会」で統一されており、「雑誌ジャンル・カテゴリ区分」として分類されています。

ジャンル別の印刷部数公表

上記赤枠が雑誌のジャンル区分です。この中から、調べてみたいジャンルを選択しましょう。正直なところ、ジャンル名を見ただけではいまいちわからない人も多いと思います。

ここでは、男性の「総合週刊誌」をクリックしてみます。すると、以下のように「総合週刊誌」に分類されている雑誌名が、発行部数とともにズラッと一覧で表示されます。

総合週刊誌の印刷部数公表

2016年7〜9月の発行部数を比べてみると「週刊文春」が661,000部で他誌を圧倒していますね。

出版社ごとに調べる

もう一つ、雑誌の発行部数を出版社別に調べる方法があります。

あまり使う機会は少ないですが、

「いま集英社の雑誌の勢いはどんな感じ?」
「新潮社が発行している雑誌の一覧を確認したい」

なんてときには役に立つかもしれません。

使い方はいたってカンタンで、【出版社名・雑誌名検索】の欄に調べたい出版社名を入力するだけです。ここでは光文社で調べてみます。

光文社の印刷部数公表

女性誌強しの光文社は、軒並み好調な印象です。

ABC協会の実売部数は気軽に調べられない

さあ、発行部数の次は実売部数を調べよう!と行きたいところですが、ABCの実売部数は雑誌協会の発行部数のように気軽に調べることができません。

というのも、ABCは「ABC会員」として入会費と月額会費を払わないと実売部数を見ることができないからです。

ただし、紙ベースで発行されている「雑誌レポート」を図書館などで閲覧することは可能です。たとえば、国立国会図書館のリサーチ・ナビには以下のようなガイドが記載されています。

ABCレポート(日本ABC協会刊)
日本ABC協会が広告市場調査のために部数を報告しています。報告される部数には公称部数と、協会が「公査」(監査)した「ABC部数」があり、雑誌、新聞、専門誌紙、フリーペーパーごとに「発行社レポート」と「公査レポート」を発行してきました。

当館所蔵は、いずれも1990年代以降の号のみです。
・『雑誌発行社レポート』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(半年刊 【Z21-2282】 [所蔵]1992年~)
 旧誌名『雑誌部数発行社レポート』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(半年刊 【Z21-2282】 [所蔵]1991年)
・『雑誌公査レポート』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(【Z21-2375】 [所蔵]1992年~2007年)
 旧誌名『雑誌部数公査レポート』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(年刊 【Z21-2375】 [所蔵]1991年)
・『新聞発行社レポート半期』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(半年刊 【Z21-2401】 [所蔵]1993年~)
 旧誌名『新聞発行社レポート. 半年平均部数』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(半年刊 【Z21-2401】 [所蔵]1992年)
 旧誌名『新聞部数発行社別レポート』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(半年刊 【Z21-2401】 [所蔵]1991年7-12月)

国立国会図書館「リサーチ・ナビ」より

雑誌レポート日本ABC協会

ABC協会「雑誌レポート」より

発行部数に比べると売り上げ部数はかなり調べにくいですが、実際の売れ行きを知ることは雑誌業界の動向を知る上で非常に重要だと思います。

本当はインターネットで気軽に閲覧できると良いんですけどね…。

日本雑誌協会の発行部数はかなり気軽に見ることができるので、何気なく調べてみるのもオモシロイと思います。

「あれ、この雑誌って意外と売れてないんだな…」という発見があったりと、けっこう時間泥棒です(笑)

 


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