本屋に毎日通えば、売れ筋・死に筋は手にとるようにわかる

みなさんには、自分だけのお気に入りの本屋がありますか?

小さくても何だか居心地が良い本屋、圧倒的な蔵書数を誇る本屋、コーヒーを飲みながら本が読める本屋。

あるいは、通勤・通学の途中にある本屋さんがお気に入りという人もいるのではないでしょうか。

毎日通うようなお気に入りの本屋を見つけると、じつは意外なメリットがあるんです。




1. 新刊の発売がすぐにわかる

自分のお気に入りの本屋を見つけると、新刊の動きに敏感になります。これは断言できます。
なぜなら、同じ本屋に通い続けると棚のレイアウトや本の陳列が自然と頭の中にインプットされるからです。
そして、棚構成のちょっとした変化に気づくことができるようになります。

出版・書店業界では1日に約200点の新刊が発売されていますが、その多くは誰にも気づかれず葬られます。
しかし、本屋へ毎日のように足を運んでいると、葬られるはずだった本に気づけるようになるのです。

「売れない本=ダメな本」という公式が絶対に成り立つわけではありません。
本当は良い本のはずなのに、膨大な新刊のせいで殺される作品がたくさんあります。

本屋へ毎日のように通っていると、本選びの精度は確実にアップします。
そして、誰も気づいていなかった良い本に出会えるようになります。

2. 本の売れ筋がわかるようになる

「本屋のランキングコーナーをチェックすれば、世の中の動きがわかる」

そんな話をよく耳にしますが、これはランキングだけに限ったことではありません。

いい加減な書店員は確実に存在しますが、ほとんどの書店員は「棚づくり」に全力を捧げています。

どの本を面陳にするか、平積みにするか。棚差しの本の隣には何を並べるか。
こうした細かい計算をしたうえで本というのは並べられています。

ですから、いまどの本が売れているのか、書店員はなにを売ろうとしているのか。
売れ筋がわかるとともに、棚を通じて書店員と対話できるようになります。

これも、通いなれた本屋でしか味わえないメリットです。

3. 本屋の死に筋がわかるようになる

売れ筋の反対が「死に筋」です。

死に筋を知ったところで何の意味があるのか?そう思う人もいるでしょう。

本屋の死に筋は、売れ筋を知ることと同じくらい重要です。
これは出版・書店業界人にとって特に大切な話ですが、これだけ売り上げが減少している業界で死に筋を陳列するのは甚大な「機会損失」です。

本来であれば「売れない本も掘り出していこうよ!」と声高に叫びたいところですが、現実を見ないといけない局面もあります。

売り上げを伸ばすには、売れる本を置く。当たり前の話です。
死に筋を明確に切り捨てて、売れ筋の展開を増やさなければ本屋は立ち行かなくなります。

ですから、出版・書店業界ではたらく人は、なおさらお気に入りを本屋を見つけるべきです。

陳列場所の変化で死に筋は読み取れる

新刊が発売されてすぐはあんなに大々的に展開されていたのに、1週間後には棚差しになっている。
よくある話です。

棚差しになった本、あるいは店頭から消えた本は言うまでもなく死に筋です。

こうした変化も通いなれた本屋のほうがつかみとりやすくなります。

本屋の「改装」で死に筋は読み取れる

同じ本屋に毎日通っていると「改装」に出くわすことがあります。
改装にも大小さまざまありますが、わかりやすくいえば「棚のレイアウト変更」です。

実用書を縮小して、雑誌売り場を広げる。
文芸書を減らして、コミックを増やす。

こうした改装を垣間見ることで、その本屋の死に筋が見えてきます。
縮小されたジャンルは、その本屋の死に筋ジャンルです。

はじめて行った本屋で、死に筋を見ることはできません。通いなれた本屋でないと改装後の変化には気づけないからです。

地域性や客層を考慮する必要はありますが、1つの本屋に通い続けると死に筋が手にとるようにわかります。

もちろん、1つの本屋だけの話なので大きなトレンドとはいえません。
しかし、トレンドが小さいところからはじまるというのは、火を見るよりも明らかです。

毎日通う本屋さんを見つけよう

正直に言うと、同じ本屋に毎日通うと変化がなくてつまらないこともあります。
とくに、小さい本屋だと「毎回同じ本」を見るハメになるでしょう。

でも、わたしはそれも良しとしています。

昨日はなんとも思わなかった本が、今日はなんだか良い本に感じる。
そのときの気分で本の良し悪しが決まることもある、そう思うからです。

まずは近所でも職場や学校の近くでもかまいません。

あなたも、自分だけのお気に入りの本屋を見つけてみませんか?