編集者必見!こんな本はイヤだ!書店員が売るのに困る本、嫌われる本

みなさんは本の好き嫌いをどこで判断しているでしょうか?
読者目線でいえば、ほとんどが好きな作家や好きなジャンルによって好き嫌いが区別されると思います。

一方で、プロの書店員目線で見ると、本の好き嫌いはまたひと味ちがったものがあります。

今回は、書店員目線でみた「こんな本はイヤだ!」と題して、書店員が嫌う本、売るのに困る本をご紹介します。




書店員メモ!「こんな本はイヤだ」

それでは早速、書店員目線でみた「イヤな本」を発表します!

いくら内容が面白くても、本屋で敬遠される本はベストセラーになれません。本づくりをする出版社の人もぜひ参考にしてみてください。

書店員に嫌われるのは、こんな本です。

  • ・判型が大きな本、変わった形の本
  • ・分厚い本
  • ・シリーズ(巻数モノ)で刊行される本
  • ・二番煎じ、類似本
  • ・新刊案内されたのになかなか発売されない本
  • ・なかなか重版をしない本
  • ・帯の高さが高い本
  • ・装丁やカバーが白い本

判型が大きな本・特殊な本

判型の大きな本、あるいは変わった形をした本は書店員に敬遠されがちです。

判型(はんけい)とは、つまり本の大きさのこと。文庫サイズ新書サイズA5四六判など色々なサイズがあり、この大きさのことを判型といいます。

判型の大きい本が嫌われる理由は、まず第一に並べるときに困るということがあげられます。

たとえば、文庫の売り場に1つだけA5サイズがあると平積みや面陳のときにキレイに並べることができません。
ジャンルによって本の大きさはある程度決まっているので、そこに「空気の読めないヤツ」が出現すると、一気にルールが崩壊します。

文庫の売り場にA5サイズは極端ですが、四六判サイズが主流のビジネス書の売り場にA5サイズがあるだけでもけっこう困るわけです。

たった1冊の例外のために売り場を乱さなければいけないのは、書店員にとってツライ決断となります。

分厚い本

本を棚に差すときに分厚い本があると、それだけで場所をとります。

入れたい本がたくさんある中に、分厚い本があるとそれに場所をとられてしまって棚づくりのときに困ります。

分厚い本があると、棚に入れる冊数の微調整がしづらく、結果的に”ぎゅうぎゅう”の棚が生まれやすくなります。すると、本を棚から抜こうとするお客さんによって、背表紙の天が破れるという自体を招きやすくなり、返品が増える結果になることも。

シリーズで出てる本

シリーズ(巻数)で出されている本は、それを揃えなければいけない、半ば強制のような意味合いを持ちます。

1巻が欠けていたり、途中の巻が欠けていると、売れる機会を逃すことになりますから、揃えるのが理想なのは言うまでもありません。

でも、全部揃えると棚にスペースがなくなるわけで…これは大変なジレンマです。

肝心なのはキッカケなので、当然最初の1巻を揃えることになりますが、それでも完璧主義な書店員なんかは非常に不本意だと思います。

二番煎じ・三番煎じの本

健康書やビジネス書に特に見られる傾向ですが、あるテーマの本が大きくヒットすると他の出版社から同じようなテーマの本が出されることがあります。

これはまあ仕方がないことです。どんな業界でも、ヒット商品が出れば他の会社もマネしますから。

とはいえ、同じような本ばかりが出ると正直ウンザリします。お客さんにとってもそうですが、日頃から本と向きあっている書店員にとってはなおさらのこと。

「あーあ、また医者に殺されない系か…」

なんて心で思いながら本を並べています。

書店員のモチベーションとしては、今までにない切り口の本が出れば「売りたい!」という気持ちが湧いてくるもんです。

いざそういう新刊が発売されてテンションが上っても、数カ月後には二番煎じが登場するという同じパターンが繰り返されるんですけどね。

新刊が出るといってなかなか発売されない本

出版社の営業部員は書店の担当者に新刊の案内を行いますが、「◯月上旬に発売予定です」と伝えているのに、なかなか発売されない本があります。

この新刊がそこまでヒットしなさそうな本であればまだいいのですが、ヒットするであろう、あるいはヒット作の続編である場合、なかなか発売されないとお客さんから問い合わせがあった時に困るわけです。

「まだ発売してないの?ずっと楽しみにしてるんだけど!」なんてお客さんが来たりすることもあるわけですが、正直知ったこっちゃないんですよ。

発売が遅れる理由はさまざまで、出版社の新刊のスケジュールは原稿が間に合わなかったり、デザインが遅れたり。書店員にとっては迷惑な話です。

なかなか重版をしない本

ヒットして売り切れする店が続出。それでもなかなか重版に踏み切らない出版社。

お客さんに「すみません、版元品切れです…」と伝えなければいけない書店員の心情はなかなかツライものがあります。

重版をしない理由はいろいろありますが、ベストセラー倒産とまではいかずとも、本の人気が一過性なのではないか?と慎重になる出版社が多いのも確かです。

ビジネスですから重版しないことを責めるわけにはいきませんが、書店員としてイケイケドンドンで売りたい気持ちが強いときに重版未定だと一気にテンションが下がります。

帯の高さが高い本

いまやヒットする本に欠かせなくなった「」。有名人の推薦文や読者を煽るようなキャッチコピーが売れ行きに大きく貢献します。

以前は本の下半分、5cm〜8cmぐらいの帯が主流でしたが、徐々に高さの高い本が出てきています。本の半分、それ以上の高さのものだってあります。

この”帯高”の本も書店員にとっては厄介なもの。というか、帯が高かろうが低かろうが、帯は厄介なんですけどね。

本を整理するときに指が帯に引っかかって破けてしまったり、指を切ってしまったりするリスクが高まるので嫌われます。

事実、わたしは棚差しの本を並び替えるとき、帯が高いで指を切ったことが何回もあります。

表紙が白い本

表紙・装丁の色が白い本も書店員に嫌われる傾向にあります。

表紙の紙の素材によっては、お客さんがちょっと触っただけで黒く汚れてしまったり、棚で整理しているときに擦った後が残ってしまいます。

汚れている本はお客さんが買ってくれませんので、返品せざるを得ないので困ったもんです。

でも白い本って売り場で映えるから仕方がないんですよね。実際、白い装丁の本は売れる傾向が強いので頑なに否定もできません…。

売りにくい本を折り合いをつける書店員

書店員に嫌われる本は結局、書店員のモチベーションを下げることになって売り上げにも影響します。

ただ、判型の大きな本、帯の高さが高い本、白い表紙の本などはあくまで本を売り伸ばすための仕掛けです。

書店員の好き嫌いはお客さんには関係のないことです。ましてや、本の多様性を考えれば書店員が売るのに困る本のほうが歓迎されるべきかもしれません。

本を単なるディスプレイにしないためには、こうしたマイナス要素と上手く付き合う必要があります。

と、キレイごとをいってみても、イヤな本はイヤなんですけどね。