【衝撃】出版取次の栗田出版販売が倒産、民事再生へ

出版業界、書店業界ではたらく人にとってはショッキングなニュースです。

国内の出版取次で第4位のシェアを誇っていた栗田出版販売が、6月26日に民事再生法の適用を申請し、倒産というかたちとなりました。

近年はインターネットやスマートフォンなどコンテンツの多様化もあり、若者層を中心に書籍の販売数が減退するなかで、減収基調が続き財務面も悪化。同業者との業務提携やグループ内での経営効率化などを進めていたものの、2014年9月期(97年に決算期変更)の年売上高は約329億3100万円に減少し、債務超過に転落していた。書籍の扱い部数の減少に歯止めがかからず、人員整理や営業所の統合を行うなどの合理化策も奏功せず、支え切れなくなり今回の措置となった。

帝国データバンクの記事より参照です。

2014年9月時点で約134億9600万円の負債を抱えていました。
出版取次の倒産としては、過去最大額の負債です。




以前から不安視はされていた

栗田出版販売の倒産はショッキングではありますが、じつは以前から予見されていたことでもあります。

そもそも、日本国内の出版取次シェアは7割以上をトーハンと日販の2社で分けあっている状況です。
第3位の大阪屋ですら赤字決算を発表しているわけですから、栗田出版販売の厳しい経営環境は想定内と言えるかもしれません。

栗田出版販売は本社移転、リストラ策を断行していました。
それでも業績は回復しない。このあたりに出版業界の現状が垣間見れます。

栗田出版販売はなくなっちゃうの?

民事再生法の適用なので、今後も栗田出版販売は継続していくと考えられます。

ちなみに民事再生法をわかりやすく言うと「借金を免除してあげるから、もう1回がんばれよ」と応援してもらうことです。

債権者(栗田出版販売にお金を貸している人)が、栗田出版販売を解散させて借金を回収するよりも、もう少し時間を与えて借金を返済させたほうが良い!という合意があって成立するものです。

こうしたメリットはありますが、社会的な信用は失われます。

いよいよ、トーハン・日販の複占がはじまるか?

こうなってくると、出版取次はますます大手2社が影響力を握ることになります。

栗田出版販売を帳合にしていたのは中小書店が中心ですが、これらの書店が帳合変更でトーハン・日販になるケースもあるはずです。

わずかとはいえ、こうやって少しずつトーハン・日販が足場を固めていっている状況といえます。

経済学的にいうと、独占・複占状態は競争の原理がなくなる、いわゆる「不完全競争市場」となるリスクを孕んでいます。
ただ、2つの取次に集約してしまったほうが物流の効率化にもつながるメリットも考えられるでしょう。

いずれにしても、栗田出版販売の倒産によって今後の出版取次の潮流は確実に変化していくと考えられます。