雑誌の危機を救うのは「バックナンバー読み放題」かもしれない

以前の記事で、dマガジンがいかに便利で使いやすいかについて触れました。

じつは雑誌の定額読み放題サービスにはいくつかあって、それぞれに特徴があります。
今日紹介する株式会社オプティムが運営する「タブホ」というサービスなのですが、このタブホはバックナンバーの充実に力を入れている雑誌定額サービスの1つ。

今後の雑誌の在り方を変えるかもしれないサービスについて見ていきましょう。




まるごと1冊読める喜びが、タブホにはある

タブホは、月額540円とdマガジンよりも少し高いのですが、読める雑誌が400誌もあってかなりお得感があります。dマガジンで読める雑誌が150誌くらいなので、比べると圧倒的な差です。

ただし、dマガジンは月額料金は安いのですが雑誌の一部のページしか読むことができません。読めるコンテンツに制限があります。
つまり、読みたいと思ってワクワクしてたのに定額サービスではバッサリカットされていたなんてことが、日常茶飯事なわけです。

これ、実際に使ってみるとわかるんですが、かなり興ざめします。dマガジンがトータルで優れているからまだ許せているものの、部分的に見たら大きなマイナスポイントです。

一方のタブホは本日発売の雑誌、つまり新刊雑誌を読むことができません。あくまでも発売日から数日〜数週間が経過しないと読むことができないわけです。

しかし、タブホは大半の雑誌で一部のコンテンツしか読めないといった制限はかけず、まるごと1冊を読者に提供しています。

dマガジンのようなコンテンツ制限がないので、興ざめすることもないわけです。このあたりはバックナンバーに特化しているからこそ成せることなのかもしれませんが、その方向性で勝負しているタブホには感心させられます。

タブホはdマガジンとは競合しながら、きちんと距離をおいてビジネスをしているなと印象です。
すみ分けができていれば、競合しつつも補完する関係性が保てます。

雑誌はもっと時間をかけて広く読まれるべき

「鮮度が命の雑誌なのに、バックナンバーばかりじゃダメでしょう」という声があるのも事実なのですが、私はタブホはじめとする”バックナンバー”が充実した雑誌定額サービスは非常に優れていると思います。

「雑誌は情報の鮮度が高くないといけない」のは事実ですが、果たしてそれはすべての雑誌に当てはまることでしょうか。雑誌によっては時間が経過したことによって価値が磨かれる場合もあるのではないでしょうか。

写真週刊誌やモノ情報誌は鮮度が重要ですが、グルメ雑誌やファッション雑誌などは時間が経過してもコンテンツが極端に劣化することはありません。

出版社が心を込めて、時間をかけて作った雑誌が、わずかな期間で読めなくなってしまうのは出版業界にとって大きな損失です。
まだまだ多くの人に読まれるべき誌面が、ごく短い期間で断裁されるのはどう考えてももったいないですよね。

本屋に並べることができる雑誌にはキャパの問題があって数に限りがあります。本当はもう少し並べておけるはずの雑誌でも返品せざるを得ないことが多いわけです。これは物理的なスペースの問題ですから、どうしようもありません。

しかし、タブホをはじめとする雑誌定額サービスがバックナンバーを豊富に扱いはじめれば、バックナンバーもしっかりと生き続けることができます。

最新刊は本屋やコンビニでチェックして、バックナンバーは定額サービスで読める環境をつくっておく。
こうしたすみ分けが、今後進んでいくのではないかと個人的に思っています。

雑誌のバックナンバーをもっと多くの人に開放して、優れたコンテンツがもっと多くの人の血肉になって欲しいものです。
電子雑誌をアーカイブする文化が定着すれば、雑誌に触れる機会が多くなるかもしれませんね。