Amazonで酷評『謎解きはディナーのあとで』は本屋大賞を汚したのか?

何となくAmazonで本を探していたらふと目に入ってしまったのです。
それは『謎解きはディナーのあとで』の星の数。なんと☆が2つ。
パラパラとレビューを見てみると…。めっちゃ叩かれてるーーーっ!!

  • 「あくまでマーケティングの勝利
  • 「あまりのつまらなさに怒りを覚える作品
  • 「1500円も出して後悔
  • 「本屋さんの目こそ節穴でございますか?」

…最後のコメントなんかはかなり上手いのですが。

普通の作品であれば、ここまで厳しいコメントが寄せられることもありません。
ある意味でここまでの盛り上がりを見せているのは、この本が「本屋大賞」を受賞していることに他なりません。
 




「書店員が選んだ」という看板の重さ

レビューを見ていて思うのは「書店員の目はどうなっているんだ?」という意見が非常に多いこと。
本屋大賞が売れたのは、「本のことを熟知している書店員が選んだのだから面白いに決まってる!」という大前提があるからだと思います。

それなのに読んでみたら全然おもしろくない…おい書店員どーなってんだ!話が違うぞ!
これはまあ、当然の意見かもしれません。

それ以上に、ここで考えなければいけないのは「書店員目線の面白いと一般読者目線の面白いはイコールなのか?」ということ。

チーズが大好きで、世界の色々なチーズを食べている人がいるとしましょう。
その人がチーズをあまり好きでない人に対して「このチーズはすごい美味しいよ!」と言ってブルーチーズをオススメしたらどうなるでしょう?
ただでさえチーズが好きではないのに、ブルーチーズなんていうクセの強いチーズを食べさせたらもっとチーズが嫌いになるかもしれません。

すみません。たとえ話がこれほど下手だったとは今まで気づきませんでした。

要するに『謎解きはディナーのあとで』は「書店員の意見はアテにならない」という考えを植え付けてしまったかもしれません。
そうなると、本屋大賞の権威は一気に失墜します。

本を読まない人に向けたオススメ本としてはいいのかもしれない

『謎解きはディナーのあとで』は内容がかなり平易で、執事とお嬢様という設定も小説初心者にウケる要素です。
それにあの洗練されたイラストのカバーが組み合わさって、メディアが大々的に取り上げたとしたら売れないわけがありません。
書店員に「この本は売りたい!」と思わせるたった1つのことでも紹介しましたが、やはりカバーデザインは偉大です。

ふだん本を読まない人を読者に引き込む」という意味で考えれば、『謎解きはディナーのあとで』は大成功だといえるかもしれません。

ただ、本屋大賞が「書店員が売りたい本」を選ぶという本来の意味を失った瞬間、それは単なるメディアのための文学賞に成り下がります。

いい機会なので、過去の本屋大賞のAmazonの星の数を数えてみました。
どの作品もおおむね4つ〜4つ半で推移していますが、『謎解きはディナーのあとで』だけが2つで異様に低い。

考え方によっては『謎解きはディナーのあとで』は本屋大賞に新しい風を吹き込んでくれたわけですが、本屋大賞の地位を失墜させないためにもこれ以上の失態はゆるされません。

どうして『謎解きはディナーのあとで』が本屋大賞に選ばれたのか、今となっては知る由もありません。
それ以降の3作品(『舟を編む』、『海賊と呼ばれた男』、『村上海賊の娘』)は売れ行き・評判ともに申し分ないのですが、内容が伴っていない本屋大賞作品がこれ以上生まれないことを祈るばかりです。

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