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超有名な英語参考書『Forest(フォレスト)』がまさかの新名称を一般公募

公開日:2016/05/16 
フォレストの書名募集

高校時代、慣れない英文法に苦戦しながらも頑張った記憶が私にはあります。
そして、その苦難の時代を支えてくれたのは、かの有名な英文法書『Forest(フォレスト)』でした。

英語参考書『フォレスト』は出版社である桐原書店が1999年に刊行をスタートし、累計430万部を超えるベストセラーとなっている名著です。
数々の学生、さらにはTOEIC受験などの英語学習をする社会人を支えてきた英語参考書がなんと新名称を公募します。

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命名者には賞金30万円!

なぜ書名をわざわざ変えるのか?そのあたりの疑問について、著者は以下のように語っています。

世の中が変わるのと同じように「ことば」も変わります。新しい単語が生まれ、ことばの使い方も変わってゆくのです。
『総合英語Forest』にも変化すべき時が来ました。私たち著者は、今般、新しい参考書として『総合英語Forest』を生まれ変わらせることを決めました。(プレスリリースより)

これについては、いろいろな受け取り方ができると思います。

まずフォレストという参考書はもともと桐原書店が刊行していた本です。
それが、次の新版からは、いいずな書店という出版社から刊行になります。

桐原書店といえば、TACとの買収交渉が二転三転したことでも記憶にあたらしいですね。
このあたりの事情が、今回の出版社の変更と書名変更に大きく関係していることは明々白々です。

そもそも、書名を変更するためにわざわざ公募を選ぶなんていうことは、滅多にありません。
プレスリリースではくわしくは触れられていませんが、心機一転アピールをするためには有効な施策とも言えるでしょう。

命名者として選ばれると賞金30万円が進呈され、さらに応募者のなかから抽選で20名に1万円の図書カードがプレゼントされます。
いかに力を入れているかが窺い知れるところです。

ただし、書名を変更するということには大きな危険つきまといます。

書名を変更するリスクとどう向き合うか?

フォレストという英語参考書、わたしも高校時代に使っていました。
個人的に買ったのではなく、高校1年生のときに英語の授業で全員に支給されたのです。

学校によってちがいはあれど、フォレストに対する忠誠心(いわば顧客ロイヤルティ)は凄まじいものがあります。
社会人になった今でも、ときおり”高校のときフォレスト使ってましたよトーク”で盛り上げることがあるくらいです。

つまり、「フォレストで勉強しておけばまず安心」という考え方が脈々と受け継がれてきているとも言えます。
にもかかわらず書名を変更するということは、過去に培ってきた顧客ロイヤルティを失うことでもあるのです。

一般公募で書名を募集することで、「新・フォレスト」の名前をある程度宣伝することはできるでしょう。
ただし、今まで築いてきたブランド力までを受け継げるかといえば正直疑問です。

出版社による書名公募という広告手法は新鮮ですが、これに失敗すると今まで築いたものが失われる危険性があります。

新・フォレストの行く末や、いかに。

 


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