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忙しい大人こそ読むべき!小説の読書効果は忘れたころにやってくる

公開日:2016/08/17 
カテゴリ:読書法
小説の読書の効果

本を読むことで身につくことはたくさんあります。
そのなかでも、やはり実用書や学術書、ビジネス書や参考書などは読んだ知識がそのまま体の中に入ってきます。

つまり、”即効性”が高いわけです。
それもそのはずで、書いてあるのは知識そのもの。それをそのまま吸収すれば、おのずと知識は身につきます。

しかしどうでしょう。小説にはそのような”即効性”を期待できるでしょうか。
おそらく、世の中に存在するほとんどの小説からは即効性のある知識は身に付けられないでしょう。

ですから、小説を読むことに否定的な人も少なくありません(たとえば堀江貴文さんは小説の時間対効果の低さを指摘しています)。

とはいえ、わたしは小説から身に付けられることは多いと思っています。
なぜか?その最大のメリットは”言葉による表現力が広がること”にあります。

自分が伝えたい感情、書きたい文章、説明したい内容などはすべて言葉で表現しないといけません。
しかし、”ある1つの事実”を表現しようとしても、表現方法はじつは無数に存在します。

ふだんから本を読み、いろんな言葉による表現に触れている人は、”ある1つの事実”から無数の表現を使い分けることが可能です。

たとえば、オリンピックである日本選手が金メダルを取ったとしましょう。

そこであなたが感じるのは「感動」や「喜び」など、あなたの内側に存在する”ある1つの事実”でしかありません。

本を読まず、さまざまな言葉に触れていない人は1つの事実から1つの表現しか導けないでしょう。

しかし、言葉による表現のレパートリーをたくさん持っていれば”ある1つの事実”から複数の表現を導くことができます。
自分が伝えたい感情を適切に表現する言葉を知っているかいないかで、生活の質は大きく変わってくるでしょう。

小説を読むことは、言葉による表現の多様性にふれることでもあります。

ただし、それはさきほど紹介したような”即効性”のある知識ではありません。いわば、自分の血肉となってゆっくりと醸成されるものなのです。

私は仕事の関係で本をたくさん読みますが、小説も織り交ぜるように意識しています。
それでもやはり実用的なビジネス書が多くなってしまうのが悩みでもあります。

小説を読んで、むずかしい言葉や聞き慣れない四字熟語にふれると、積極的に日常会話で使うことにしています。
そうすることでアウトプットができるので、読んだものを自分の血肉にすることができるからです。

しかし、自分で気づいたことなのですが、わたしは小説を読む機会が少なくなると、会話で凝った表現や小難しい言葉を使わなくなります。
それだけではなく、自分の内側に沸き起こった感情を上手く表現する言葉が出てこないことが極端に多くなります。

これはつまり、小説を読む機会が減っていることによって日常会話が平易な言葉だけになったり、自分が表現したい気持ちを上手く表現できなくなっているのです。

こうした感覚を味わうと「あ、もう少し小説読む機会を増やさないとな」と気づくことができるので、1つのバロメーターとなっています。

話が逸れましたが、小説を読むことの効果は一朝一夕では身につきません。
でも、小説でたくさんの表現に触れると、自分が操れる言葉は確実に増えていきます。それはきっと、即効性のある知識では得られないでしょう。

小説で時間をかけて手に入れた表現力は、きっと人生を豊かにしてくれるはずです。

 


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