読んだら食欲が止まらない…絶対におにぎりが食べたくなる本3選

突然ですが、わたしは最後の晩餐にしたいくらいおにぎりが好きです。

塩味の効いた白米に酸味のある梅。

お茶碗にご飯と梅をのせて食べても美味しいですが、おにぎりにすることで生まれる何とも言えない幸福感。

想像するだけでお腹が空いてきます。

食のグローバル化が進む現代で、「何でいまさらおにぎりなんだ」と思われてしまうかもしれません。

たしかにおにぎりは地味です。 海苔を巻いたら真っ黒、地味です。

しかし、そんなおにぎりのイメージを打ち破る、珠玉の「おにぎり本」の存在を知れば、あなたもきっとおにぎりの虜になっているはずです。




なんて画力!絵で伝わるおいしさ

まず最初は、絵本『おにぎり』です。

文章は平山英三さん、絵は平山和子さんが描いています。

福音館書店の幼児絵本シリーズの一冊で、とにかく美味しそう!

本書ではどこか懐かしいおにぎり作りの様子や、実際に香りがするような描写が楽しめます。

幼児向けということで、文章は少なく、食べ物の温かさや質感といった魅力を絵で伝えています。

幼児向けではありますが、おにぎりに関する想い出がすでにある大人だからこそ楽しめる絵本ではないかと思います。

この絵本を最後のページまで読めば、きっとおにぎりを食べたくなるはずです。

おにぎり (幼児絵本シリーズ)

あなたはおにぎり保守派?それとも人権派?

続いては、東海林さだおさんの『おにぎりの丸かじり』です。

週刊朝日で1987年から続く連載エッセイ『あれも食いたい これも食いたい』を書籍化した作品で、東海林さんの視点が斬新です。

本のタイトルとは裏腹におにぎりについて書かれているのは130ページから135ページまでの6ページのみです。

しかし、そのわずか数ページでおにぎりを食べたくなっている自分がいます。

本書では、おにぎりの具は隠されるべきかどうかにフォーカスしています。

「具は包み隠そう」「秘すれば花」という、具は内包されるべきだと唱える保守派の主張がまず書かれており、対して「おにぎりの具は一生隠されたままでいいのか」「具に光を」という、具を露出させようといった人権派の主張が書かれています。

ふだんはほとんど意識しない点ですが、読んでみると「たしかにおにぎりの具は隠されている方がいいかも」「具がはみ出ているおにぎりは何と呼ぶべき?」と考えさせられます。

おにぎり以外の話も含めて、東海林さんの出すたとえに「確かに!」と納得しながら楽しく読める一冊です。

そして本書を読めば、きっとあなたもおにぎりが食べたくなっているはず。

おにぎりの丸かじり (文春文庫)

「おにぎり本」の頂点に立つ作品

最後は、原田マハさんの『生きるぼくら』です。

原田さんの本は読んだことがなかったのですが、いわゆるジャケ買いをきっかけに初めて読みました。

なぜジャケ買いをしたのかというと、なんと梅おにぎりの写真が印刷された全面カバー帯(特大帯)がついていたからです。

本書は主人公である麻生人生が、あることをキッカケに梅おにぎりが大嫌いになってしまうことから始まります。

いじめや引きこもり、認知症といった重いテーマが、一つではなく同時に並行して描かれています。

それだけの要素が重なると暗い話になってしまいそうですが、主人公の祖母、通称マーサばあちゃんがこの本の太陽となって、物語を明るくしています。

救いを求めて訪れた場所でさらなる試練に立ち向かう主人公たちが、苦境にめげずに成長していく姿に心を打たれます。

そして、主人公の麻生人生が梅おにぎりを食べられるようになった時、あなたもきっとおにぎりを食べたくなっているはずです。

個人的には「おにぎり本」の頂点に立つ作品で、何度も読み返したいと思える本です。

そして、おにぎりが食べたくなります。私は読み終えたその日、夕食をおにぎりにしました(笑)

生きるぼくら (徳間文庫)