なぜ1万部も売れた?!円周率100万桁がひたすら書いてある本がもはや狂気

みなさんは、円周率をどれくらい言えますか?
おそらく、多くの人が3.14で止まっているはず。「ゆとり」の人は3で止まっているかもしれません。

しかし、ご存知のとおり円周率はずっと続くんです。現在は5兆桁までいってるとのこと(笑)。
その永遠につづくとも思われる円周率をひたすら書いてある本があります。

それも、なんとじわじわ売れ続けて1万部を突破してしまったのです。




30冊からスタートしてじわじわ書店で売れ続ける

著者と言っていいのかもわかりませんが、著者の牧野貴樹氏が自宅のプリンターで「なんとなく面白い」という理由で30冊だけ印刷したのがはじまりです。

自宅のプリンターで30部刷って売ったら、すぐに全部売れまして。次に印刷屋さんに頼んでみようということになって、300冊くらい作って書店さんにも少し流し始めたんです。それで3年とかくらいかけて300冊が売れて、それで僕としては「面白いことしたな」と満足して終わりにしていたんです。だけど、ずっと注文が来るんですよ。(じわじわ売れてる謎の本「円周率1000000桁表」の著者に直撃)より

この本にはちゃんとISBNもついていて、アマゾンでも販売されているれっきとした本なんです。

でも、見た目は「無料の小冊子」とも見られかねないほど薄い。
だって、円周率をひたすら100万桁羅列しているだけですから。

円周率本の中身

書店員で理工書担当の人であれば「あーあの本ね!」と思う方もいるかもしれません。

本じゃなく、冊子と言いたくなるほど薄い(厚さは5mmくらい)ので、棚差しにしちゃうと完全にわかりません。
そんな理由もあって、書店では平積みで販売しているお店が多いそうです。

実際のところ、わたしが以前はたらいていた書店でも平積みにしていました。
私はPC書・理工書を担当していたので、まさにこの本を販売する担当者です。

たしかに売れるんですよ。理工書売り場なんて文庫や雑誌にくらべたら人が少なく閑散としているんです。
人なんか来ないのに、気づいたら平積みが減っている。

そんな不思議な本なんです。
もの珍しいから、面白いから、そんな理由で買っていく人が多いのが「円周率本」です。

円周率本を誕生日プレゼントに選んで超スベった話

これは3年前の話です。

わたしが書店員をしていたころ、この円周率本を発見して「なんだコノ本は!」と歓喜していたころ。

ちょうど友人の誕生日が近い時期でした。
書店員のわたしとしては「書店員としてのプライド」を魅せるチャンス。当然、プレゼントに本を選びます。

無難にオシャレな写真集とかにしておけばいいものを、狂ったわたしは「円周率本」をプレゼントにえらびました。

べつにプレゼントを受け取る相手は数学好きでも何でもありません。
ただ単純に「ウケる」と思っただけでした。

実際にプレゼントを開けた友人の反応は「……なにこれ(苦笑)」。

「ウケる」と踏んで、満を持してプレゼントした円周率本はあっけなく惨敗となったのです。

記事によると、著者さんは「ほら、ここに君の誕生日があるよ!円周率の中から誕生日の4桁が見つかるなんてオシャレ!」という使い方を提唱しています。

円周率本で誕生日を探す

円周率本が役に立つのはどんな場面?

ちなみに、円周率の暗記の日本記録は10万桁だそうです。

さて、この円周率本はどんな場面で役に立つのでしょうか?

さきほど説明したとおり「ウケ」を狙ってプレゼントしても、ウケません。
というか、その場は盛り上がったとしても受け取った相手にしたら「超いらない本」です。

ですから、部屋に飾る、本気で覚えるといった用途に適しているのかもしれません。

あるいは数学ガールにプレゼントをすれば、すっごい食いついてくれるかもしれません。

ちなみに、お値段は314円(税抜き)。徹底してます。