意外と知らない「出版社の社名と由来」12選

日本には約3600もの出版社が存在しています。
その多くが東京都に集中しており、大手と呼ばれるのは一握り。

規模が小さくても大きくても、対等に勝負できるのは出版業界の面白いところです。

そんな出版社の名前って聞いたことはあるけど、意外と由来を知らなかったりします。
今回はいくつかの会社に絞って、出版社の名前とその由来について解説。

由来を知って、ちょっとだけ天狗になりましょう。




アスコム

健康実用書をはじめ、ビジネス書から語学書まであらゆるジャンルの本でベストセラーを生み出すアスコム。

名前の由来は前身の会社「アスキー・コミュニケーションズ」から来ています。

岩波書店

岩波書店は創設者である岩波茂雄から来ています。そのままです。
夏目漱石の『こころ』を最初に刊行した出版社としても知られています。

岩波書店の特徴はなんといっても「買切り」。
岩波好きの読者は多いかもしれませんが、書店員にとっては正直なところ厄介な版元でもあります。

偕成社

字面からは想像できませんが、人気の児童書・絵本を中心に出版しているのが偕成社(かいせいしゃ)です。

「偕」という字には「ともに」という意味があり、社名の由来は「ともに成る」からきています。

刊行物としては「ノンタン」「100かいだていえシリーズ」「エリックカール」などが有名です。

幻冬舎

出版業界だけでなく、あらゆる業界で強い影響力を持つ見城徹氏が設立した幻冬舎。

社名は作家の五木寛之氏によるものです。

「幻冬舎」という社名は、作家の五木寛之氏に命名していただいたものです。 「幻冬」は厳冬に通じ、「冬に耐え強い芽を」、厳しい冬を生き抜いて大きく成長せよとの気持ちが込められております。(幻冬舎公式サイトより)

講談社

泣く子も黙る、出版業界の怪物・講談社。

前身である大日本雄辯會から派生。
社名は名前のとおり「講談」に由来します。

出版社の売上高ランキングでは常に上位にランクインする出版社でもあります。

三省堂

三省堂といえば書店が有名ですが、辞書をはじめとする刊行物も出版しています。

三省堂の社名は中国の古典『論語』に由来しています。

社名の「三省堂」は中国の古典『論語』の「学而篇」の一節「吾日三省吾身」(われ日にわが身を三省す)という言葉から採られたもので、「不忠、不信、不習について、日に幾度となくわが身を省みる」という意味です。(三省堂公式サイトより)

ちなみに、1889年までは「SANSHODO」と表記していました。

CQ出版

かなりコアな版元かもしれませんが、わたしが以前に理工書担当をしていたころに印象深かったのがCQ出版です。

無線・エレクトロニクス関係の雑誌・書籍の出版を行なっています。

明確な説明はありませんが、CQという無線通信の用語から社名が付けられています。

集英社

小学館の娯楽雑誌部門が独立するかたちで生まれたのが集英社です。

社名は「英知が集う」に由来しています。

一ツ橋グループを形成している出版社の1つです。

自由国民社

「現代用語の基礎知識」で有名な自由国民社。

なんとも政党のような社名ですが、もともとは1928年に「サラリーマン社」として発足した会社です。
雑誌「自由国民」が由来となり、1949年に自由国民社に変更となりました。

デアゴスティーニ・ジャパン

「デアゴスティーニ♪」のCMでお馴染みですね。

イタリアに本社を置くデアゴスティーニ社の日本法人がデアゴスティーニ・ジャパンです。

社名は、イタリアの地理学者であるジョバンニ・デ・アゴスティーニが1901年に設立した地図研究所に由来しています。

ネコ・パブリッシング

日本有数の「かわいい社名」であるネコ・パブリッシング。

創業者である笹本健次氏が1976年につくった企画室ネコが社名の由来になっています。

PHP研究所

いまや有名ですから違和感はありませんが、パッと見た感じは理化学系の研究所っぽい社名です。

PHPとは「Peace and Happiness through Prosperity」の頭文字をとったもの。
繁栄によって平和と幸福を」という壮大な意味に由来した社名です。

松下幸之助が創設した出版社ですから、ついつい「パナソニックのP」が入っているのかと思いきや、関係ないので要注意です。

社名と刊行ジャンルのちがいを見る楽しみ

ここまでザッと出版社名の由来をご紹介しました。
数が多いので、数回に分けてお送りしたいと思います。

出版社名の由来を見ていると、過去の理念に基づいて命名された版元が多いことがわかります。

でも、そのうち経営的に厳しくなり社名とは似ても似つかないジャンルの本を刊行する出版社もチラホラ。

社名の由来と、現在の刊行物の「スキマ」を読み取るのは面白みがあります。
出版業界の厳しさはもちろんのこと、その出版社が創業以来どのように舵を取ってきたかがよくわかるからです。