毎月同じで飽きられない?女性ファッション誌の表紙に専属モデルを起用する理由

みなさんにはよく行く本屋さんがありますか?どこの本屋でもいいのですが、頭の中に店内のレイアウトを思い浮かべてみてください。
いかがでしょうか。

きっと、思い浮かべた店内には女性ファッション誌が店内の一等地に並んでいるはずです。

特殊な立地条件や客層を除けば、女性ファッション誌は本屋のなかで一番大切に扱われます。
それはなぜか?売れるからです。もっと言えば、雑誌による集客で”ついで買い”も狙えるからです。

売り上げ不振とは言われるものの、女性ファッション誌が世の中に与える影響は相変わらず大きいですよね。

雑誌全体の売り上げを支えているのは、なんといっても女性ファッション誌です。

本屋に行けば所狭しと並ぶ雑誌。
どの女性ファッション誌にも私の現実世界には存在しない、それはそれはキレイなモデルさんが写っています。日頃の疲れも吹っ飛びます。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、本屋の雑誌コーナーをたびたび見ていて前から気になっていたことがあります。
それは、「なぜ毎号同じ専属モデルを表紙に起用する雑誌があるのか?」ということです。

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毎号同じカバーモデルを起用する女性ファッション誌

雑誌の表紙といえば、売れ行きに大きく関わる最重要ポイントです。

季節やそのときの流行に応じて、「今回はこのモデルで行こう!」と決めるのが理にかなっているようにも思えます。

しかし、これは女性ファッション誌に顕著なのですが、毎号同じモデルが微笑んでいる雑誌をチラホラ見かける。
もしかしてこれは、何か重要な意味があるのではないか?明確なメリットがあるからこそなのではないか?

そう思って、今回は女性ファッション誌に毎号同じカバーモデルを起用するメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

同じモデルを表紙に使い続けるメリットとは?

まずは女性ファッション誌の表紙に、毎号同じモデルを起用するメリットを考えていきましょう。
わざわざ同じ人を使うわけですから、何かしらメリットがあるはずです。

  • ・雑誌の世界観をブレずに表現できる
  • ・表紙をパッと見れば何の雑誌かスグわかる
  • ・カバーモデルにファンが付けば定期購読を狙える

雑誌の世界観をブレずに表現できる

女性誌のなかでも好調なのが40代をターゲットにした女性ファッション誌です。
とりわけ光文社はメディアでたびたび特集が組まれるなど、女性ファッション誌に大きな強みを持っています。

そんな光文社の女性ファッション誌の売り上げを支えているのが「STORY」という雑誌です。

新文化のインタビュー記事(5/12日号)によれば、「STORY」5月号は発行部数28万部、実売率65%という好調ぶり。
同雑誌は毎号同じモデルを表紙に起用している雑誌ですが、記事の中で光文社の為田編集長は、表紙モデルについてこう語っています。

表紙は雑誌の世界観を表現するものなので、モデルは1人の方がブレないから良いと思っています。

雑誌は特定のターゲットに対して何らかのテーマを持っているわけですから、それを表紙で伝えることは非常に大切です。
それを毎号同じモデルにすることで、統一された世界観を持たせているということですね。

「STORY」は5月号から表紙のモデルが稲沢朋子さんに変わったのですが、そのことについて為田編集長は興味深いことを語っています。

これまで表紙モデルだった富岡佳子さんは6年くらいやって頂いたので、もう「STORY」といえば富岡さんといわれるほど。単に”表紙モデル”というだけでなく、編集者にとっても読者にとっても『40代ってこういう人』というロールモデルになっていた

さらに、新しくモデルを務める稲沢さんは、富岡さんとは違うキャラクター。
その起用理由については以下のように述べています。

ミニ富岡佳子を作っても仕方がないので、思い切って正反対の人を選んだ。富岡さんはプロのモデルを25年もやっている人ですが、稲沢さんは読者モデル出身。オシャレの方向性も違う。富岡さんは”憧れ”の女性ですが、稲沢さんは共感性のある人で、誰とでも友だちになれる魅力がある。普通の主婦だった彼女がセンターポジションに立つことで、勇気づけられる人がいっぱいいるんじゃないか?それが最大の理由です

STORYの表紙モデル比較

富士山マガジンの画像より作成

つまり、今回の新しいモデルの起用によって大きく方向転換を図ったということです。
そして、”普通の主婦だった人”が毎号表紙モデルを飾るというインパクトが、読者に受け入れられています。

少し安直かもしれませんが、無名の人を応援したい、共感したいというAKB48の心理が40代の主婦層にも通じているのかもしれません。

毎号同じモデルを表紙に使うことで、こうした大きなメッセージや世界観を大々的に打ち出せるわけです。

表紙をパッと見れば何の雑誌かスグわかる

これはごく単純ですが、表紙のモデルを毎号同じにすると「◯◯(モデル)=△△(雑誌名)」というイメージが強く定着します。

そのため、本屋や雑誌コーナーでちらっと見ただけでもすぐに認知してもらえるようになります。

非常に豊富なラインナップが揃っている女性ファッション誌において、表紙の視認性というのは重要な要素の1つです。
女性ファッション誌戦争を勝ち抜くには、書店の店頭やネット上での視認性は大きな武器になるのです。

表紙のモデルにファンが付けば安定した売り上げが期待できる

好きなアーティストのファンクラブに入る心理があるように、自分の好きな人が関わっている作品は「単純な動機」で購入するようになります。

たとえばサザン・オールスターズのファンは、新しいアルバムが出れば無条件で買うでしょう。
これと同じで、表紙のモデルを好きになってもらえれば、読者が雑誌を購入するハードルはグッと下がります。

また、あわよくば定期購読の読者を獲得することもできます。
定期購読をしてもらえれば、号ごとの良し悪しに関わらず買ってもらえるので、出版社の収益が安定します。

同じモデルを表紙に使い続けるデメリットも忘れちゃダメ

さて、ここまでは表紙に毎号同じモデルを起用するメリットを見てきました。
一見すると良いことづくめなのですが、実際にはデメリットも少なくありません。

  • ・モデルの好き嫌いが売り上げに大きく影響する
  • ・季節や流行などの”旬”を打ち出しにくい
  • ・モデルのスキャンダルによる売り上げ激減リスク

モデルの好き嫌いが売り上げに大きく影響する

さきほど、メリットの3つ目で「表紙のモデルにファンが付けば安定した売り上げが期待できる」と説明しました。
これは裏を返せば、表紙モデルが嫌いな読者は雑誌を買ってくれないということでもあります。

表紙が雑誌の売り上げや世界観に与える影響は計り知れません。
もし仮に、表紙に自分の嫌いなモデルや芸能人が起用されていたら見向きもしないでしょう。私は確実に買いません。

もちろん「雑誌は表紙じゃなくて中身でしょ」という人もいるでしょうが、表紙になっている人はたいてい誌面でもたくさん出てきます。

表紙モデルの統一は、読者が離れると二度と戻ってこないリスクと隣り合わせでもあるのです。

季節や流行などの”旬”を打ち出しにくい

雑誌業界に関わらず、どんな業界にも流行があります。
それは季節によるもの(たとえば夏なら花火特集とか)もありますし、エンタテイメントの新作(映画やドラマ)などもあります。

雑誌はご多分に漏れず、いま旬の人を起用する傾向があります。
新ドラマの主演をつとめる女優などが表紙に出ることが多くなるのは、わかりやすい例ですね。

季節や流行などの”旬”を表紙に持ってくることで、少なからず売り上げが伸びる可能性があります。
しかし、毎号同じモデルを起用している雑誌はどうしても変化や”旬”を打ち出しにくい。

女性ファッション誌で使われる言葉で言えば、”いまの気分”を毎号同じモデルの表紙だと表現できないことになります。

モデルのスキャンダルによる売り上げ激減リスク

表紙モデルがもしスキャンダルを起こした場合、売り上げへの大打撃は計り知れません。
最近は不倫報道が盛り上がっているので、万が一表紙モデルが”フライデーされる”ようなことがあれば、一大事でしょう。

40代女性は特に不貞行為に厳しいでしょうから、一気に読者が離れていく可能性も否定できません。

いや、もしかしたら「独占告白!私が◯◯に手を染めた理由」とか言って、誌面上でスクープできれば売り上げが伸びる可能性はありますけどね。

毎号同じモデルを表紙に起用している雑誌一覧

それでは最後に、毎号同じモデルを表紙に起用している雑誌の一覧をご覧頂きましょう(当サイト調べ)。
男性誌にも同一モデルを表紙にする雑誌(Gainer、MEN’S CLUB、LEONなど)がありますが、圧倒的に多いのは女性誌です。

個人的には、domaniが知花くららさんからエビちゃんに変わったのが残念でした…。
理由とか全然知らないんですが、どうしてなんだろう…。誰かおしえてください。