本当に大丈夫?店頭在庫を確認できる三省堂書店スマホアプリの課題

本屋がスマホアプリに本格的に取り組んでいる事例は決して多くありません。

そんななか、積極的にスマホアプリを活用しているのが三省堂書店です。
株式会社三省堂書店は「クラブ三省堂アプリ」を使って、店頭在庫状況を調べることができる機能を実装しました。

これを使うことで「せっかく行ったのに在庫がなかった…」という事態とおさらばできます。

在庫を調べるサービスは「honto with」(丸善、ジュンク堂、文教堂の3社)でも利用できましたが単体の書店としては大きな試みといえます。

しかしながら、店頭在庫をスマホで表示するのにはリスクもつきまといます。
それは実在庫との乖離です。

本屋では在庫数を正確には明示しません。
一見すると「◯冊在庫あり」と表示するほうがメリットが大きそうに見えます。

しかし、正確な在庫数は返品などがあるため日々変動します。
ですから、あくまでも「在庫あり」としか表示しないのです。

スマホアプリで在庫ありと表示するとどんな事態が想定できるでしょうか?

それは、在庫ありと表示されているものの、店頭では本が見つからないというケースです。
書店員あるあるですが、データ上の在庫と実在庫が狂っていて、本が見つけられないということはよくあります。

すると「スマホで在庫をチェックして来店したのに、実際には店頭在庫がなかった」というお客さんの不満は大きくなるでしょう。
お客さん目線で考えると「わざわざ来たのに在庫がないなんて…」という気持ちになるはずです。

これが電話での在庫確認であれば、取り置きができるのでそういった事態は起きません。

ちょっと感情的なお客さんだったりすると「なんで在庫がないんだ!話がちがうじゃないか!」といって激昂しかねません。
店頭でトラブルが起こっては本末転倒ですし、書店員にとっても精神衛生上よくありません。

つまり、スマホで在庫の有無を表示するのであれば実在庫をきちんと正確に反映しないといけません。
あるいは、スマホから店頭取り置きの申し込みができる仕組みを構築する必要があるでしょう。

スマホアプリで便利になる本屋ですが、細かいところでは改善の余地がまだまだたくさんあります。
便利なサービスであることは間違いないですし、本屋の売り上げアップにもつながる取り組みです。

トライ・アンド・エラーを重ねながら、良い点と悪い点を見直していく必要があるでしょう。