これじゃ戦えない!書店ガールに漂う3つの違和感

書店ガールのドラマが始まりました。
出版業界の人にとっては、とても興味深い内容の作品です。

なんといっても舞台は書店。出版業界について描かれたドラマは、近年見かけることがないので、貴重な作品とも言えます。

しかし、いざフタを開けてみれば初回視聴率6.2%。これはどうやら打ち切りの可能性すらある数字のようです。
とはいえ、とりあえず視聴率の話はここでは置いておきます。

このドラマはまゆゆこと、渡辺麻友が演じる主人公が、困難を乗り越えて本を喜びを伝えるストーリーです。
今回は書店ガールを実際に観て感じた「違和感」について考えてみたいと思います。

ストーリーの細かい内容については触れませんのであしからず。




主演がまゆゆじゃなければ…

これはそれぞれの主観だと思いますが、「主演・まゆゆ」というのがしっくりきません。

単純に好きではないといったらそれまでですが、キャスティングに問題がありすぎるドラマです。
わかりやすくいえば「引きがない」。まゆゆと稲森いずみの主演で数字が取れる勝算があったのでしょうか。

これが深夜枠のドラマならまだわかりますが、フジテレビ火曜夜10時のドラマです。
せめて渋目の俳優が脇を固めてくれれば良かったのですが、それもなし。

出版不況であえぐ業界人にとって、一筋の光となるはずが、むしろ泥を塗られたかたちです。

POPで対立してるヒマはない

残念な思いや違和感はまだあります。
以下のとおり箇条書きで列挙します。

  • ・棚の整理の仕方がおかしい
  • ・事務所がキレイすぎる
  • ・POPにかける時間なんかない

背表紙の天が破れる、本の扱い方

観ていない方には伝わらないと思いますが、本の整理の仕方がおかしいです。
冒頭から、本棚の本を引き出して入れる、引き出して入れる、というのを繰り返すのですが、あんなにゆっくり整理しませんし、意味が見出せません。

だいたい、背表紙の天の部分を思いっきり引っ張っているので、破れるリスクが非常に高い。
カバーが少しでも上にはみ出ていたら、すぐに破れてしまいます。
返品率を下げることが至上命題になりつつある書店にとって、あんな本の扱い方を続けていると死活問題につながります。

事務所の違和感

これも観ていない方にはわからない話で恐縮です。
書店にはバックヤードや事務所がありますが、あんなにキレイな事務所を構える書店は皆無です。

立派な会議室あり、それぞれのデスクがあり、ガラス張りの仕切りあり。

「ドラマの演出なんだから仕方ないないよ!」

もちろん、わかっております。
でもあまりに現実と乖離していたので、違和感を感じずにはいられませんでした。

POPにかける時間なんかない

主人公のまゆゆは本のPOPをたくさん書いて、売り場を華やかにしたいと考えます。

頑張ってまゆゆが書いたPOPは効果抜群!先週まで売り上げ0冊だったマンガが、POPを付けた日に6冊も売れたのです。
やったねまゆゆ!よくがんばった!

翌日、意気揚々と売り場に行くと、付けたはずのPOPが全部はがされている。
いったい、誰が…?

呆然とするまゆゆ。その背後の人陰が…
そう、副店長の稲森いずみです。

作者にPOPを剥がせと言われたことがキッカケで、副店長の独断でPOPを剥がしたのです。

書店の中にはPOPを設置しない方針をとるお店も実際に存在します。
たとえば未来屋書店。POPを付けない方針のお店が未来屋書店には多いです。もちろん例外もありますが。

書店員がPOPに時間をかけるヒマはほとんどありません。なかにはPOP職人と呼ばれるカリスマ書店員も存在しますが。
ドラマ上のまゆゆは家に帰って徹夜で書いていたみたいですが、これほどの熱意にも違和感を感じました。

もっとリアリティを求めて欲しかった

ネット上の批判を見ていると、もっとリアリティが欲しかったという声が多いように思えます。

たとえば、お客さんから在庫の問い合わせが入ったけど、在庫が切れたときの上手い対処法など。
これはこれでリアルすぎますが、こういう演出もあっていいのではないかと思いました。

何度も言いますが、ドラマの演出上、仕方ない表現や演出も多く存在します。
でも、きっとこのドラマを観ているのは大半が出版業界人や書店員です。
そういった人を敵に回すような演出をしているようでは、数字なんか取れません。

「もはや、まゆゆのキスシーンで視聴率を取るしかない!」

といった声もネット上では聞かれますが、まゆゆのキスシーンは厳しいはず。

今後の書店ガールがどうなるか。何とか最終回まで走りきれればいいのですが…。