太洋社が自主廃業か?負債84億円で取次大手の廃業は避けられない見通し

帝国データバンクによれば、取次大手の太洋社が自主廃業を検討しているとのことです。

太洋社といえば、出版業界の取次としてコミックを中心に本の流通を手がけています。
業界内では「コミックの太洋社」と呼ばれるほど、その影響力は大きかったのです。

2005年6月期には年売上高約486億6700万円を計上するなど、売り上げは好調に見えました。
しかし、よく言われるようにインターネットの普及などで物流量が減少。さらには本屋の倒産などが相まって、取引先が消滅していく事態に見舞われてきました。

2015年6月期の年売上高は約171億2100万円に減少し、赤字には歯止めがかからなくなっている状況です。




栗田出版販売の衝撃が太洋社に広がった

さらに太洋社に追い打ちをかけたのは栗田出版販売の事実上の倒産でした。
栗田が倒産したとき、業界的には「あの栗田ですらダメなのか?」という印象がとても色濃く広がったのです(ちなみに栗田出版販売の負債額は134億9600万円で出版取次としては過去最悪の数字)。

そして書店は疑心暗鬼にかられ「太洋社も危ない」という認識が広がり、いわゆる”帳合変更”(取次会社を変更すること)の動きにつながってしまったのです。

帳合変更は、着々と進められてきました。
私が出版営業として働いていた2年ほど前から「今度取次が変わるんです」という書店員の声をよく聞いたものです。

そのほとんどはトーハンや日販への帳合変更です。

つまり、太洋社が廃業するとなれば、二大取次制への移行がますます加速することになるでしょう。

太洋社の自主廃業は避けられない?

太洋社の2015年6月期末時点で約84億7900万円とかなり厳しい状況となっており、現在はさらに負債が膨らんでいる可能性があります。

本日2月8日に出版社向けの説明会が開かれ、どのような状況報告がなされるのかに注目が集まります。

自主廃業となれば、いよいよ二大取次が幅を効かせるようになるでしょう。
本屋の担当者の裁量(つまり、自由に仕入れができるか)が奪われる可能性も出てきます。

取次の倒産の流れはますます広がっていくかもしれません。
なぜなら、あの大阪屋(+栗田出版販売)ですら厳しい状況と言われているくらいですから。
さらには、トーハンや日販の売り上げも安泰とは言えない状況です。

実務上は取次がトーハンと日販の2つに絞られたほうがラクです。
しかし、書店の仕入れや商品の多様性を考えると、取次が絞られるのは考えもの。

今年の取次については、悪いニュースしか聞けない1年になるかもしれません。