つい見ちゃう!本の電車広告でドア横が選ばれる理由とは?

どんなに良い本でも、人目につかないと売れることはありません。
反対に言えば、どんなにヒドい本でも上手に宣伝をすれば売り上げを伸ばすことは可能です。

出版業界が調子が良い時代は、本もテレビCMが使われていました。
しかし、広告費にお金を使えないようになり、本の宣伝は新聞やインターネットなどに移ってきています。

そんななか、出版社や本屋にとって大きな宣伝効果が期待されているのが電車広告です。

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出版社の営業は電車広告で書店員を口説き落とす

本屋に行くと、良い場所で平積みになっている本があります。
これは新刊や話題作であることが多いのですが、なかには「広告が出るから」という理由で並べられている本もあります。

つまり、本屋ひいては書店の担当者が広告効果を期待して本を大きく展開するというわけです。

その過程では、ほとんどの場合において出版社の営業が強く関わっています。

出版社としては本を売るために書店で大きな展開を勝ち取らないといけません。

では、出版社の営業は何を根拠に書店員を口説き落とすか?そのときに有効になるのが、電車広告なのです。

電車広告は、文字通り電車のなかで行われる広告展開のこと。
中吊りや窓上、最近では動画広告も増えてきました。

電車のなかで広告を見た人が、昼休みや会社帰りに本屋に立ち寄って買ってくれる。そんな購買行動を狙っています。

最も効果があるのは、名実ともに”ドア横広告”?

電車に乗って車内広告を見てみるとよくわかりますが、本の宣伝に使われる場所は主に2つです。

1つが中吊り広告。通路の上にぶら下がっているアレです。
ここには週刊文春、新潮、各社文庫本、雑誌などを中心とした本の広告が貼られます。

そしてもう1つが、電車のドア横です。
ドア横、厳密に言えば座席の端っこの壁面に貼られている広告のことを指します。

本の広告では、じつはこのドア横広告が最も効果が高いとされています。
これは私が出版社で営業をしていたときに感じたことですが、まず自社でドア横を出したときに身を持って痛感します。

なぜなら、「今度、電車のドア横広告を出すんですよ」と言うと、普段の2〜5倍近くの注文が取れるからです。

反対に、ドア横広告を出している他社の本が大きく展開されていると、場所を占拠されるので自社の注文が取りにくくなります。

「書店員:今度、◯◯社さんの電車広告が出るんであの銘柄はハズせないんですよ〜」

ってな感じで、場所が奪われます。
それだけ電車広告、特にドア横は影響力が非常に強いのです。

なぜ、ドア横なのか?

広告で展開される面積や見え方を考えると、ドア横にそんな効果があるの?と思われるかもしれません。

じつは電車のドア横広告は、他の広告スペースに比べて相対的に料金が割高です。
つまり、広告費用が広告効果を物語っているとも言えるわけです。

ちなみに、電車広告のくわしい知識は「電車広告の基本!本の広告効果と費用はどれくらい?」にまとめていますので、くわしく知りたい方はチェックしてみてください。

ドア横広告を出しているのは、おもにビジネス書の出版社です。
サンマーク、ダイヤモンド、東洋経済新報社など。最近では文響社(「人生はニャンとかなる」の版元)なども積極的に使っていますね。

新文化の記事では、ドア横広告の効果についてこんな風に書かれています。

なぜ「ドア横」の効果が高いのか。ある出版社によると、多くの乗客はスマホを使用しており、中吊り広告にある情報すらネット上で読んでいるため、「基本的に下を向いている」。そんな時、ふと前を向いて見えるのが「ドア横」で、無意識に目に入る。

自分の電車内での体験と照らし合わせると、これは確かに納得させられます。
いまや乗客のほとんどがスマホですから、そもそも広告を見てません。でも首が疲れてちょっと視線を上げたところにドア横がある。

こうした乗客の目線の動きが、広告効果に如実に表れているのかもしれません。

ちなみに、JRと東京メトロを比べると、明らかに広告効果はJRのほうが上です。
それは広告費用の高さからも見て取れますが、書店の反応は明らかにJRの方が上。

やはりJRのほうが運転区間が長いですし、一回の乗車時間が長いことも影響しているのでしょう。

こうした目線で電車広告を見てみると、電車通勤の時間も新しい発見があるかもしれません。
さあ、あなたもスマホをしまって電車広告を見てみましょう!