【賛否両論】書店員は本屋にいるお客さんに声を掛けるべきなのか?

さて、世の中にはいろんな小売りの販売員がいます。
たとえば洋服のショップ店員。ほかには家電量販店の店員さん。これらの販売員はお客さんに積極的に声をかけますよね。

こうした販売員はありがたいこともありますが、ウザく感じることがほとんどです。

わたしの場合、洋服を見に行ったら販売員に声を掛けられないか警戒しながら服を物色します。
少しでも店員が距離を縮めてきそうな気配を感じた瞬間、その場を離れて様子をうかがう。そんな嗅覚をいつしか会得しました。

こんな少々ウザい側面を持つ小売りの販売員。もし、本屋で書店員が声を掛けてきたらどうなってしまうでしょうか?
ちょっとありえないけど、考えてみる価値はありそうな予感がします。




「声がけ書店員」のマイナス点:本屋の静寂をブチ壊す

「本屋」と呼ばれるには必要な条件があります。
その条件の中には「静かな空間」があるはずです。

もし自分が本屋で本を探しているときに、書店員が

「おおっ、お客さんお目が高い!哲学といえばプラトンでっせ!」

とか言って声を掛けてきたら、たぶんブチ切れると思います。

自分も被害者ですが、まわりでゆっくり本を選んでいるお客さんにとっても大迷惑です。
そして何より書店員からそんな事言われたら、周りのお客さんから

「(うわ…あいつ、あんな顔して哲学書読むのかよ…)」

と、白い目で見られること請け合いです。

「声がけ書店員」プラス点:思いも寄らない本と出会える

では反対に、書店員が本屋の客に声を掛けることにメリットはないのでしょうか?

本屋に関してはよく「思いがけない本と出会える」という分析がなされます。
特にこれは「ネット書店 vs リアル書店」論争が交わされるときに出てくるフレーズです。

つまり、目的買いで本屋に入ったのに、ブラブラしてたら意外な本を知ることができた!ということ。

この理論と「声がけ書店員」を組み合わせると、一体どうなるのでしょうか?

そもそも意外な本と出会える空間なわけですから、そこに書店員からのレコメンドが交わると、それはそれは凄まじいことになります。

「声がけ本屋」に入店し、何気なく本屋で立ち読みをしていると、

「『夜と霧』が気になる?!ほな『わが闘争』とかも読んだらええやん!」

とか言ってくるわけです。

もし、声がけ書店員を肯定的に捉えるならば、それはけっこうありがたいかもしれません。
わざわざ類書を探す手間も省けますし、見識も広がります。

書店員としても自分の才能をいかんなく発揮できますので、大きなやりがいにつながるのではないでしょうか。

「声がけ本屋」を実現させるには?

この声がけ本屋を現実のものにするには、まずお客さんが声を掛けられるつもりで入店する必要があります。
ふつうの本屋に声がけ書店員を混ぜておくと、お客さんがキレて暴力事件になりかねません。

ですから「当店ではおすすめの本を紹介するために、お客さまに積極的に声がけを致します」というコンセプトを掲げないといけません。
そうすればお客さんもそのつもりで本探しを楽しめますね。

また、店内は棚の分類が非常に重要になります。
いわゆる「文脈棚」をきちんと形成しておかないと、おすすめするのに手間どってしまうからです。

声がけ書店員には相応の知識が要求されますので、教育体制も整えておかないといけません。

お客さんが声を掛けられる前提でお店に来てもらえれば、けっこう楽しいお店になりそうな気がします。

「声がけ本屋」まとめ

きっと、街の小さな本屋ではこうしたやり取りが日常的にあるのかもしれません。
店主におすすめの本を聞いて、それを読んでみる。
こうしたやり取りって、いまの一般的な書店では絶対にありませんよね。大型書店では尚更ありません。
パッと思いつくのは東京・篠崎にある本屋「読書のすすめ」くらい。

ふつうの本屋で声かけられたら確実にウザいけど、コンセプトを掲げたお店があれば入ってみたい気がします。
どこかの個人経営の本屋で、イベントとして1日限定とかでやってくれないかなあ。