民間が運営する図書館が最近増えつつありますが、その中でも異彩を放つであろう図書室が渋谷にあります。
それが2014年5月末、東京・渋谷にオープンした「森の図書室」です。
渋谷・森の図書室のコンセプトは、
- ・本が読めて、借りられる。
- ・お酒が飲める。
- ・音楽が楽しめる。
- ・むかし遊びにいった、友だちの家のように気軽な空間。
という、今までの図書館にはない特徴がウリとなっています。
森の図書室の魅力、そしてどのような経緯でオープンまで至ったのかくわしく解説します。
森の図書室が生まれた経緯とは?
この図書室のオーナーである森さんは、しばらく渋谷に住んでいました。
しかし、最寄りの図書館は駅から遠く、19時には閉館してしまう。
渋谷で気軽に、仕事帰りでも立ち寄れて、お酒も楽しめる本の空間をつくりたいと考えオープンを決意しました。
住所、営業時間などの基本情報は以下のとおりです。
- 〒150-0044
- 東京都渋谷区円山町5-3 萩原ビル3F
- 平日・土日・祝日 18:00 – 24:00
- お昼 13:00ごろ – 17:00
- 不定休
森の図書室の立地は渋谷駅から徒歩7分というまずまずの場所。道玄坂沿いでアクセスは良好です。
ランチタイムも利用できますし、さらに18時〜24時までオープンしているので、会社帰りにでも立ち寄れるのは今までにない図書館の在り方といえるでしょう。
提供:森の図書室
コンセプトからもわかるように、いわゆる図書室のような静謐な空間ではなく、本とお酒と食事を通して人と人がつながる場所という感じです。
ブックカフェやブックバーのようなイメージといえばわかりやすいでしょうか。
特に注目したいのは「誰もが本を無料で借りられる」ということ。
登録を行えば、飲食をしない場合でも本を無料で借りられるのです。
図書室自体は会員制の形態をとっているため、席を利用して飲食も楽しむ場合は別料金がかかります。
席料や料金は以下の3パターン。
- ・会員様:0円
- ・非会員様(席料):500円
- ・会員権:10,800円(更新:1年ごとに1000円)
会員でない人でも利用できますが、席料が毎回500円かかります。
会員になると、図書室に一番好きな本をメッセージ入りで置くことができるので、自分のオススメ本をシェアする楽しみも。
図書室の大きさは35坪(70畳)で席数は40〜50席となっています。
パソコンや勉強などをすることもできますが、長時間の利用はほどほどにとのことです。
定期的にイベントも開催しているので、参加するキッカケにもなりますね。
クラウドファンディング「CAMPFIRE」で資金集め
オーナーの森さんは、中学生のころから『いつか、自分の図書館をつくる』という夢を抱いていました。
しかし、図書館をつくるのには莫大な費用がかかるため、実現するとしても「老後に余裕があったらかな…」と考えていたそうです。
ここで登場するのが「クラウドファンディング」です。
クラウドファンディング(Crowd Funding)とは、一言でいえば「群集(クラウド)から資金集め(ファンディング)」をすること。
森さんは日本最大のクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」を通じて資金集めを行いました。
このCAMPFIREでは音楽、本・漫画、アート、映画、プロダクト等のクリエイティブなプロジェクトにおいて、「プロジェクトを実行する」ために必要な資金を、インターネットを通して500円という少額から募ることができます。
また、クラウドファンディングの大きな特徴にそのリターン方法があります。
一般的な投資や融資は金利や株式でのリターンとなりますが、このクラウドファンディングのリターンはモノ・サービス・体験です。
森の図書室の投資リターンは図書室を利用できるというモノ・サービス・体験でした。
【関連サイト】
※アイキャッチ画像は「森の図書室HP」より