仕事をする人は知っておかないとヤバい事実『アフターデジタル』【デジタル化された社会で生き残るための本】

働くすべての人が知っておくべき事実。デジタル化された社会で生き残るための本『アフターデジタル』 おすすめの和書

無人コンビニやキャッシュレスなど、いかにも近未来的なテクノロジーが世界でも続々と実用化されています。

日本ではまだまだ生活のなかで見かける機会は少ないですが、中国では屋台での決済もキャッシュレス化されているなど、現金でのやり取りがほぼありません。

現状を見ると日本は中国に大きく引き離されています。

僕はこの本を読んで「これは、便利になるのは間違いないけど、乗り遅れると大変なことになりそうだ」と感じました。

『アフターデジタル』に書いてあることは「会社がお金を稼ぐ方法を根底から覆す」ほどのインパクトがあります。つまり、知らないとヤバいのです。くわしくご紹介します。

最も衝撃だったのは「日本はめっちゃ遅れてる」ということ

この本の結論というか、アウトラインをざっくりお伝えすると「すべての個人データが集められ、最適化され、社会の仕組みが根本から変わる」ということです。

日本では現金を払うのが当たり前の風習として残っていて、たびたび話題になりますよね。一方の中国ではデジタル化がかなり進んでいて、現金決済はほとんど行われていません。

ポイントは「中国がキャッシュレスになっていて、それを日本も見習おうよ」という単純な話ではありません。

キャッシュレス、つまりモバイル決済になると何が変化するか?それは、個人の購買行動がすべてデータ化されるということです。

そして、データ化された情報は集めて分析され、より最適な社会をつくるために活用されます。

中国ではこれが当たり前に行われており、実際に社会の仕組みはかなり便利になっています。

日本では考えられないレベルで、データに基づいた社会システムが構築されているわけです。

これだけだとちょっとわかりづらいと思うので、中国で実用化されている(というか、当たり前になっている?)事例をご紹介したいと思います。

信用スコアで中国人のマナーが向上している?

信用スコアというものを聞いたことがあるでしょうか?一言でいえば、個人に点数をつけて評価する仕組みのことです。

中国ではジーマクレジット(アリペイという決済の機能の1つ)というものがあり、個人の特性、支払い能力、返済履歴、人脈、素行をもとにスコアをつけて個人を点数化しています(スコアは350〜950点)。

つまり、物を買ったり、学校に入学したり、会社を退職したりといったすべての個人データをもとに点数化されるというわけです。

驚くべきは2015年スタートとまだ新しいにも関わらず、5億2000万人もの人が利用しているということです。

ジーマクレジットがあることで、個人の評価が客観的に点数で表示されます。点数が高い人は、賃貸の資金が不要になったり、ホテルやレンタカーの保証金が不要になったりします。

要するに、点数(信用度)が高いと得をする仕組みができあがっているわけです。

金銭的なメリットはもちろんですが、点数が高ければ当然異性からもモテますし、就職なども有利になります。

信用スコアによって中国人のマナーが良くなったという声があるのも納得です。

これは私の主観ですが、信用スコアが浸透してから中国人のマナーが格段に上がったように感じられます。(中略)「善行を積むと評価してもらえる」と考えるようになりました(P26)

データ化されると、多くの人が望む社会が作られていく

信用スコアによって個人が点数化されるというのも重要なのですが、それ以上に大切なのは「すべての行動がデータ化される」ということです。

データ化されるとどうなるか?

誰がどこでどんな物を買ったのか?通勤ルートはどこなのか?どんな趣味を持っているのか?

などなど、こうしたデータが集まればそれに合わせたサービスが提供されるようになります。

なぜなら、企業にとっては個人から得られたデータは貴重な情報で、個人のニーズに合わせて商売をすれば売り上げが伸びるからです。

そして、個人にとっても自分が望むサービスを受けやすくなるため、より生活が便利で豊かになります。

日本では、「プライバシーが侵される」といった議論ばかりが取り上げられており、なかなか実用化までの道は険しそうです。

そもそも、中国と日本では政治システムも国民の価値観もちがうので単純に比較はできません。

ただ、個人のデータが集まることでさらに快適な社会システムが構築されている事例があることは、絶対に知っておくべきでしょう。

スタバが中国で苦戦している理由

個人データからは少し離れますが、いま中国ではコーヒーもデリバリーで買うお客さんが多いようです。

中国ではデリバリー(配達)の仕組みが進歩していて、すぐに注文を届ける仕組みが出来上がっています。

ということは、コーヒーショップにとって「座席」というものは必要ではなくなりますよね。

だって、お客さんがお店に来て、店内でゆっくりコーヒーを飲むことがなくなるわけですから。

そのため、お店は小さなスペースで良くなります。つまり、良い立地(土地が高い)場所でも出店しやすくなりますよね。

デリバリーサービス=ドライバーのネットワークが充実したため店舗は省スペースでよく、そのため良い立地に進出しやすくなり、味に注力しやすくなったのです(P79)

これによって何が起こるかというと、店舗という場所を提供することで商売が成り立っているコーヒーショップにお客さんが来なくなります。

だって、自宅にいながらわずか数十分で美味しいコーヒーが自宅に届くんだったら、わざわざお店に行かなくてもいいですよね。

中国にはスタバも進出していますが、2018年第三四半期の売り上げが前年比マイナスになるなど苦戦が強いられています。

これもすべて、中国の決済サービスの発達とデリバリーサービスの広まりが要因になっていることは間違いないでしょう。

僕もスタバが好きでよく行くんですが、お店に入った瞬間に長蛇の列ができていて、あきらめるというパターンがよくあります。「スタバ=いつも混んでる」というイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。

実店舗は「行く価値がある場所」じゃないと潰れる

スタバの事例を見るとよくわかりますが、これからはわざわざ実店舗に足を運んで何かを買うという習慣がなくなっていくはずです。

なぜなら、オンラインで決済ができるようになって、配達の仕組みが発達すれば家にいながら買い物ができてしまうからです。

食料品の買い物もそうですし、ラーメンも牛丼も配達してもらえればお店に行く必要はありません。なんなら、家や車だってオンラインで買える時代ですからね。

人口が減っていく日本にとってはそう単純な話ではないかもしれませんが、多かれ少なかれ実店舗の必要性が低下していくことは間違いないでしょう。

となると、店舗は「わざわざ行く価値がある場所」を発信していかないと、簡単に潰れる時代になってきそうです。

それこそインスタ映えする店舗もそうですし、「お店に行くと特別な体験ができる」という見せ方が今後は必須になってくるでしょう。

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Ayumu Yuasa

ライター。書店と出版社での仕事を経験後、本と英語のWebマガジン「コトビー」を運営。2017年より株式会社ミシェルベース代表取締役。1988年、千葉県生まれ。読書量は年間200冊ほど。ビジネス書が好きです。

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