何かあたらしいことを始めるとき、本は大きな助けになります。
自分が知らないことを調べたり、誰かの考え方を知るとき、体系的に学ぶことは大切ですよね。
わたしはビジネス書や理工書を読むことが多いのですが、あたらしい知識を得たい時にはたいてい「入門書」を買うことが多くなります。
しかし、どうでしょう。入門書のハズレの多いこと。
”入門”とタイトルで銘打ちながら、内容はまったく初心者向けではないことが多いんですね。
「◯◯入門」などの表記をタイトルに使うときには、もっと明確なルールがあったほうがいいのではないでしょうか?
入門書詐欺撲滅を掲げ、今回はタイトルの付け方について考えてみたいと思います。
初心者向けを装いながら、内容は全然やさしくない本
本屋に行くと「◯◯入門」「はじめての◯◯」といった本がたくさんあります。
これは特にビジネス書、理工書、実用書などに多いのですが、このタイトルの当たり外れは本当に激しい。
つまり、「◯◯入門」というタイトルが付いていながらまったく入門者向けの内容ではない本が多いということです。
本を買って中身を読んでみたらチンプンカンプン…。そんな経験をお持ちの方も多いと思います。
専門書よりも入門書のほうが門戸が広い。それによって売り上げが見込めるという考え方はあって当然です。
とはいえ、入門書のカタチをとるなら、それに見合うわかりやすさを読者に提供すべきです。
ちゃんと内容を確認してから買えばいいわけなのですが、それにしたって入門書を騙った本が多すぎます。
要注意!入門書を騙る”キーワード”はこんなにある
本のタイトルにはさまざまな言葉が使われます。
ここまでは「入門書」という言葉を使って説明してきましたが、実際には”内容がやさしそうな本”を連想させる言葉はたくさんあります。
たとえば、こんな言葉たちです。
- ・基本
- ・読本
- ・入門書
- ・事典
- ・初歩
- ・教本
- ・ビギナー
- ・基礎
- ・はじめての
- ・図解でわかる
- ・スッキリわかる
- ・初心者のための
- ・教科書
- ・たったこれだけ
ザッとこれだけの入門書ワードがあります。
出版社はこれらのワードを巧みに使って、多くの人が手に取りやすいタイトルを付けて本を出版するのです。
もちろん中には本当に内容がやさしい入門書だってあります。
しかし、わたしの経験上、入門書と銘打ちながら、内容はとても初学者向けとは思えないものが書店には溢れています。
タイトルこそ本の中身を正確に表すべき
たいていの本のまえがきには「対象読者はこんな人ですよ」というのが書かれています。
たとえば経済学の入門書があったとして、そこを読めば「本書はマクロ経済学をある程度学んだ人を対象にしています」なんてことが書かれているわけですね。
ここを読めば入門書詐欺に引っかかるリスクは低減するわけですが、果たしてどれだけの人がまえがきを読んでいるでしょうか。
入門書をさがす人ですから、本探しに慣れていないケースも往々にしてあります。
入門書を本屋で発見。中身を読んでみたら全然やさしくない。
この一連の不毛なサイクルをなくせば、本選びはもっとも効率的になるでしょう。
出版社、ひいては編集者のかたはタイトル付けに十分気を使っていただきたい次第です。