本を選ぶ基準は人それぞれですが、最近のわたしは「装丁買い」にハマっています。
装丁(そうてい)というのは、わかりやすく言えば「本の表紙」のこと。本が売れるか売れないかは、この装丁で決まると行っても過言ではない、重要なポイントです。
装丁買いとは、つまり本の内容というよりも見た目を重視して本を買うことをいいます。いわゆるジャケ買い。
私事ですが、最近部屋の本棚を新調した(というより、DIYで作った)ので、本を飾りたい欲求がすごいんですよ。そのせいもあって、装丁が美しい本に入れ込んでいます。
内容は二の次!(というのは言い過ぎですが)手に持っているだけで、ワクワクゾクゾク興奮できる本を4冊ご紹介します。
ファッションフード、あります。
1970年代〜2010年代における「食」についての歴史が書かれている本です。
歴史とはいっても、そんな堅苦しいものではなく、非常にポップでライト。扱っている食というのも、ファストフードやチーズケーキやティラミス、オムレツやピザなどファッションやカルチャーと結びつきながら時代を築いてきたものばかり。
装丁ですが、おそらくこれはソフトクリームのコーンと包み紙をモチーフにしたデザインになっています。本屋で一目惚れして、即買いでした。
紀伊國屋書店が出す本の装丁は良い。これは私のなかで、けっこう声高に言いたいところ。
東京国際ブックフェアなどに行くと、出版社別に本を展示(出品)しているのですが、紀伊國屋書店のブースに行くと必ずテンションが上がります。
プレゼントとしても、なかなか良いチョイスになると思うのでぜひ手にとってみてください。
On the Beach
名実ともに、装丁として優秀なのが『On the Beach』という、写真作品です。
この本は第50回造本装幀コンクールで文部科学大臣賞を受賞しています。
1巻と2巻に分かれていて、ゴミで汚れた砂浜をアートな切り口で写真に収めています。
2巻セットは限定のスリーブケースが付属していて、これまた美しい。
私は東京国際ブックフェアでひと目見て、これは買いだ!と即断。
しかし、普通の本屋では1巻ずつしか売っておらずスリーブケースが付いてない…。さて、どうする。
そう思って、刊行している出版社HeHe(ヒヒ)に問い合わせたところ、「ヨーガンレールの店舗なら在庫があるかもしれません」とのこと。
そこから調べて、丸の内のヨーガンレールに電話をし在庫確保!すぐに買いに行きました。
はい、チーズ
カート・ヴォネガットは現代アメリカ文学を代表する作家で、この本は未発表の短編小説を集めた1冊です。
タイトルは「はい、チーズ」。これは原題である「Look at the Birdie」を訳したものです。
原題に使われている”Look at the birdie!”(または”Watch the birdie!”)とは、子供の写真を撮るときの(往年の)決まり文句。プロの写真家が、子供の写真を撮るとき、カメラに小鳥のマスコットをぶら下げて、「はい、この小鳥ちゃんを見てね」と声をかけたことに由来する
「なぜ『はい、チーズ』なんだろう」と疑問だったのですが、本書の訳者あとがきで翻訳家の大森望さんが解説してくれていました。
肝心の装丁ですが、黄色い背景に手作り感満載の人形がレイアウトされていて、個人的に好きな配色でした。
ナイフとかピストルも描かれていますが、これは作品のなかで扱われている題材をモチーフにしたものでしょうか。
この本のカバーデザインも非常にキュートなので、女性向けにプレゼントしたら喜ばれそうです。
〈インターネット〉の次に来るもの
黄色と白のストライプが鮮やかな装丁デザイン。蛍光イエローが目を引きます。
上製本(ハードカバー)で、背表紙が角背になっているので、手に持つと興奮が最高潮に達します。角背は手のひらに当たる感覚が何とも言えぬ心地よさがあります。
実際、売れ行きも好調で発売当初はアマゾンランキングでも上位に入っていました。
カバーデザインもさることながら、内容も非常に読み応えがあります。