書店で本が売れなくなった!そういった声は時を経るごとに大きくなってきています。
実際のところ、書店の売り上げはインターネットにどれくらい奪われているのでしょうか?
今回は本の販売ルート別売上高をランキングでご紹介。
構成比の変化を見ることで、本が売れる場所の移り変わりを読み取ることができます。
本はここで売れている!ルート別ランキング
それでは早速、本がどこで売れているのか見ていきましょう。
データは「販売ルート別推定出版物販売額 2013年度」から作成しています。
販売ルート | 推定販売額 | 構成比 | 前年比 |
---|---|---|---|
1. 書店ルート | 1兆2252億1800万円 | 72.3% | 94.9% |
2. CVSルート | 2252億1700万円 | 13.3% | 91.9% |
3. インターネットルート | 1607億円 | 9.5% | 111.1% |
4. 生協ルート | 349億円 | 2.1% | 98.3% |
5. 駅売店ルート | 342億100万円 | 2.0% | 85.1% |
6. スタンドルート | 138億6300万円 | 0.8% | 86.4% |
合計 | 1兆6940億9900万円 | 100.0% | 95.6% |
栄えある第1位はみんな大好き「書店」がランクインしました。
こうして売り上げだけを見ると、書店の販売額が圧倒しているように見えます。
しかし、前年比を見ると94.9%とダウン。書店での売り上げ構成比は着々と減少しています。
それに引き換え、インターネットルートは前年比111.1%と大幅増。
これを見ると、いかに書店の売り上げがインターネットに奪われているかが読み取れます。
ちなみにCVSというのはコンビニエンスストアのことをいいます。
コンビニのせいで書店で本が売れなくなった!という声もよく聞かれますが、前年比を見るとコンビニの方が減少しています。
2013年度のデータということもあり、現在はますますインターネットの売り上げが伸びていると考えられます。
書店で本の売り上げを伸ばすにはどうしたらいい?
書店での売り上げを伸ばすにはどうしたらいいのか?
個人的にはもう散々考えているのですが、なかなか明確な答えが出せていません。
考えられるアイデアは以下のとおりです。
- ・書店での陳列を工夫する
- ・ポイントサービスを充実させる
- ・出版社の取り分を減らして書店に還元
- ・インターネット不買運動を起こす
まず誰もが思いつくのは「書店での陳列を工夫する」というアイデアです。
「書店の売り上げを伸ばすには書店員の力が必要だ!」という意見は、たくさんの人が同じことを言っているのであまり言いたくはありません。
でも、やはり書店での品揃えや陳列を充実させることで、アナログ的な発想ながら売り上げを伸ばせる確度は高いのではないでしょうか。
Amazonだけが本を売る世界はとっても危険
「やっぱり、本を買うなら書店だよね」とみんなが思ってくれる取り組みをしないことには、インターネットに本の売り上げを奪われ続けます。
ネット上では「本屋なんかいらないっしょ。Amazonで十分っしょ」という論調が非常に強いですが、こんな短絡的な意見にはまったく同意できません。
もし書店がすべて潰れてAmazonだけが本を売る世界になったらどうなるでしょうか?
きっとAmazonが言論統制をすることすら可能になります。これは決して大仰な話ではないはずです。
Amazonの暴走といっては語弊がありますが、わたしたちが読みたい本を読めるようにするためには、書店を潰してはいけません。
そのためには、書店に人が集まる取り組みをコツコツ続けていくのが堅実かつ確実な方法です。