温度差という言葉があります。
これは、2者間でモノゴトに対しての思い入れのちがいがハッキリしていることを意味します。
具体的には、誰かが熱狂している姿を、冷めた目で見つめている状態です。
「自分はこんなに好きなのに…どうしてあなたは興味がないの?」
こういったケースは日常のあらゆる場面で起こります。
それは「本屋」に対する思い入れにも言えること。
本屋が大好き!という人もいれば、Amazonで十分という人もたくさんいます。
さらに言えば「そもそも本なんか買わないし。ネットで十分でしょ」という層もかなりの割合で存在しているわけです。
本屋好きと、それ以外の温度差を痛感するとき
本が好きで、本屋によく行く人の多くは「書店名を認識して」本屋に行きます。
もちろん、何となくフラッと本屋に入ることもあります。
しかし、ほとんどは「ここは◯◯書店」という認識があってから入店します。
本屋が好きな人にとっては「書店名」はとても大切なんですが、そうでない人にとってはどうでもいいことです。
なぜなら、どこで買っても本は同じだからです。
極端な話、本なんて買えればドコでもいいわけです。
本屋に興味がない人にとって、キヨスクで買う文庫本と、紀伊國屋書店で買う文庫本は同じ価値を持っています。
しかし、本屋を意識的に使っている人はキオスクと紀伊國屋書店はもちろん、紀伊國屋書店とジュンク堂書店のちがいを大切にします。
扱っている本は同じですが、店づくりがちがいます。
本を買うときに感じる感覚、そして購入したあとの満足感や充足感が本屋によって圧倒的にちがいます。
書店名を意識するというのは、言いかえればこんな感じでしょうか。
本は、自分が好きな本屋で買いたい。
なぜ?本は読むだけでなく、購入するときの体験も大切だから。
何を読むかは重要ですが、ドコの本屋で買った本なのかも重要な意味を持つはずです。
紀伊國屋書店新宿本店に行って、ワクワクする感じを味わって買う本と、Amazonで目的買いする本では購入体験に大きな差が生まれます。
読むことだけでなく、本屋での体験も含めて本を楽しむ。
本を買った帰りの電車で読む、あのワクワク感を味わう。
こんな楽しみ方をする人が、もっと増えて欲しいなと思っています。
本屋という空間が、もっと多くの人に愛されますように。