これはおもしろい!会社の数字を”経営者目線”で学べる本『コーポレートファイナンス 戦略と実践』

会社の数字を経営者目線で学べる本『コーポレートファイナンス 戦略と実践』 おすすめの和書

会社の数字ってむずかしい…。そんな印象を持つ人は多いと思います。

営業利益やら経常利益やら、一体なんのこと?覚えてなにか意味あるの?と思いますよね。

でも、会社の数字を覚えていると良いことがたくさんあります。

  • ・就職や転職で良い会社を選べるようになる
  • ・経営者目線で仕事ができるようになる
  • ・株式投資で良い投資判断ができるようになる
  • ・なんだか大人になった気分になれる

僕たちはどんな形であれ、会社というものと必ず関わって生きています。ですから、じつは会社(企業)と無関係でいられる人は1人もいないんですよね。

だから、会社の数字を知っておいて損はないし、むしろ良いことがたくさんあります。

さて、そんな会社の数字をどうやって学ぶか?今日は『コーポレートファイナンス 戦略と実践』という本を紹介します。

ファイナンスの前に、会計の基礎知識もきっちり学べる

『コーポレートファイナンス 戦略と実践』。タイトルを見る限り、なかなかむずかしそうですよね。

わりと分厚い本だし、なにより「コーポレートファイナンス」なんて書かれちゃうと敬遠しがちです。

僕もわりとこの手の本は避けてきた人間なんですが、表紙のカラーが鮮やかだったので本屋で思わず手にとっていました(表紙のデザインって大事ですね)。

さて、ファイナンスというのはザックリいうと「会社の投資にまつわるお金のこと」です。

会社のお金にはいろいろありますよね。仕入れにかかるお金もあれば、アルバイトを雇うお金も必要です。

これらのうち、会社の「投資」に関係するのがファイナンスでして、投資にもいろいろあります。

一番わかりやすいのが、企業を買収するM&Aでしょうか。会社にとっては、他の会社を買うことも投資に分類されます。

この本では、会社の投資判断に欠かせない会計の知識にはじまり、「M&Aの買収金額の決め方」や「株主優待をどう考えるべきか?」といった具体的な内容にまで踏み込んでいきます。

本書が他の本とちがうのは、かなり具体的で実践的な内容が書かれているということです。

そのため、会計やファイナンスの知識を身につけて終わり、ということはなく、実務や投資の現場でも役に立つ内容になっています。

「ファイナンス」と「会計」ってなにがちがうの?

ここで「ファイナンス」と「会計」のちがいについて、説明をしておきたいと思います。

本書には、両者のちがいについてこう書かれています。

ファイナンスと会計の関係は「原因と結果」

これはつまり、ファイナンスによってお金を使ったり増やしたりすると(原因)、それが会計の数字として現れる(結果)というわけです。

さきほど説明したとおり、ファイナンスというのは投資に関わるお金のことを指します。そのお金を動かすことで現れるのが会計の数字というわけです。

ちなみにこの本では会計の知識として「損益計算書(P/L)」と「貸借対照表(B/S)」についても、かなりわかりやすく解説してくれています。

なので、会社の数字に興味がある人なら、最低限の知識があれば読み進められるはずです。

ファイナンスの本とは思えない文章のおもしろさ、わかりやすさ

ファイナンスや会計の本というと数字がたくさん書かれていて、文章もつまらない印象を持ちますよね。実際、そういう本ばっかりです。

でも、この本の良いところは文章がかなり読みやすく、わりとリラックスしながら読み進めることができます。もちろん専門用語があるので簡単な内容ばかりではありませんが、少なくとも下手な入門書よりはずっと読みやすいです。

第3章では吉野家、日高屋(ハイデイ日高)、いきなりステーキ(ペッパーフードサービス)のROAを比較する箇所があるのですが、こんなことが書かれています。ちょっと長いですが、引用させてください。

日高屋へ行くとわかりますが、生ビールを330円で飲める「ちょい飲み」というメニューがあります。会社帰りのサラリーマンを囲い込む狙いですが、実にありがたいことに、中華そばと餃子6個を合わせて頼んでも1,000円でおつりが来るという安さと質です。「へ〜、これでよく儲かるなぁ」なんて思ったりしますが、筆者を筆頭に、餃子やおつまみを頼み始めたら、生ビール1杯でお店を出られるほど意志の強いオジサンなんて、この世にいません。ついつい、気がついたら「もう一杯同じの!」と追加でオーダーしているわけです。こうしてオジサンたちは日高屋に仕掛けられた巧妙な罠にハマってしまうのですが(笑)、生ビールの原価率はフード類に比べると低いため、客単価と粗利益の向上につながっています。

どうでしょうか。日高屋の「ちょい飲み」戦略をここまでわかりやすく説明してくれて、僕はこの本が一気に好きになりました。僕も日高屋の巧妙な罠にハマってきた人間なのでなおさらなのかもしれませんが(笑)

さて、何年前か忘れましたが、吉野家がビールとおつまみでサクッと飲める「吉呑み」を導入しましたよね。このちょい飲みの流れは他のお店にも広がっています。

これは原価率が低い生ビールと、おつまみによる客単価アップを狙った戦略というわけです。

最初にちょい飲みに目をつけた日高屋は売上も上がり、株価も上昇しています。大成功でした。

一方、吉野家は売上高こそ伸びているんですが、肝心の利益が付いてこない。不思議ですよね。

しかし、本書に書かれている吉野家の苦戦理由を読むと、おおいに納得できます。ぜひ一読してみてください。

おすすめの和書ビジネス書
シェアする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新の情報をお届けします。
アユム

読書コーディネーター。1988年、千葉県生まれ。年間200冊以上の本を読む、無類の読書好き。書店と出版社での仕事を経験後、読書コーディネーターとしてWebマガジン「コトビー」を運営。2017年より株式会社ミシェルベース代表取締役。

アユムをフォローする



読みたい本が見つかるWebマガジン コトビー