「嫉妬や憎悪を努力に変える天才」が書いた1冊は、もはや”救いの書”だった。山里亮太著『天才はあきらめた』

「嫉妬や憎悪を努力に変える天才」が書いた1冊は、もはや”救いの書”だった。山里亮太著『天才はあきらめた』おすすめ本・書評

こんにちは、アユム [ @kot_book ] です。

南海キャンディーズの山里亮太(以下、山ちゃん)といえば、お笑い芸人の中でも随一の嫌われ者。そして圧倒的なネガティブイメージを持つ存在。そんな印象を持っている人が多いのではないだろうか。

僕もこれまでは「山ちゃん = 怨念の塊」という負のイメージを抱いていたのだが、この本を読んでその考えはガラリと変えさせられた。

タイトルにもあるとおり、彼は「天才になることはあきらめた」と言っているが、僕は本書を読んで「こんなにも凄い”努力の天才”が他にいるだろうか?」という感情を禁じ得なかった。これほどまでに、嫉妬や恨みを努力に昇華する才能を持つ人間はなかなかいないだろう。

今回は、僕たちの日常生活でも必ず役に立つ「悩みや怒りを前に進むための燃料に変える術」について、本書から紹介したいと思う。

ただの自伝本だと思って手に取らないのは絶対に損なので、ぜひ一度目を通してみて欲しい。

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嫉妬も怒りも、前に進むための燃料に変えてしまう

「山ちゃん = クズ」というイメージを多くの人が持っていると思う。僕もそう思っているし、なにより、本のなかで本人が自分自身のことをクズだとはっきり認めている。

しかし、僕たちは”クズ”から学ぶことが大いにあると思う。なぜなら、誰もが心のなかに少なからずクズな部分を持っていて、それをくすぶらせているだけだから。

この本では山ちゃんのクズエピソードが数多く披露されており、それは単純に面白い(元相方を激怒させて、自転車を投げつけられる話とか)。

ただ、面白いだけではなく、スカッとさせられる話も盛りだくさんだし、なにより「この人は嫉妬も怒りも全て燃料に変えちゃうんだな」と驚かされる。

たとえば、お笑いライブで採点を担当した女性社員から、南海キャンディーズはこんな言葉を浴びせられる。

「そんなキャラクター、すぐに飽きられるって私わかってるから、だから0点。以上」

こんなことを言ってのける女性社員もなかなかのクズだが、安心して欲しい。山ちゃんはそれを上回るクズなのだ。彼は女性社員から受けたこの言葉を受けて、このように語っている。

いつかこの人に全力で嫌な言葉を浴びせてやる。今はできない。今したら終わりだ。いつか覚えとけよ…。僕のノートには、その日のこのやり取りと、その人を罵倒するために自分が頑張らないといけないことをびっしり書いた。

その日のためには、そいつからされるダメ出しも真摯なふりして聞けたし、媚びることもできた。むしろ、そいつはいつか俺に逆襲される種を必死で蒔いて水をあげてる愚かな奴!くらいの気持ちだった。そう考えるようにしてからは何の苦痛もなかった。

おそらくほとんどの人が嫌なことを言われたら落ち込んで引きずるか、なかなか消えない怒りに苦しんで自分をすり減らすだけだろう。

しかし、ご覧のとおり山ちゃんの【憎悪→燃料】という変換力は凄まじいものがある。

このやり方は賛否両論あるだろうし、誰にでもできるわけではない。ただ、ムカつくことや嫌なことを言われたとしても、それを燃料に変えることで救われる部分も多いはずだ。

(ちなみに、その女性社員への逆襲は見事に成功する。それはぜひ本書にて確認して欲しい)

努力を邪魔する「逃げさせ屋」を無視する方法

  • 「これ頑張っても意味ないかな」
  • 「どうせ自分には向いてないし」
  • 「あんな凄い人がいるんだから、自分が今から始めても仕方がない」

おそらく、ほとんどの人がこういった理由で努力をやめてしまったり、目標をあきらめてしまった経験があると思う。こういった努力を邪魔する思考のことを、山ちゃんは”逃げさせ屋”と表現している。

脳内にはありとあらゆる過去の自分の失敗や、他人の成功などを引っ張り出してはゴールを目指さないように囁いてくる”逃げさせ屋”が現れる。

そいつが頭に出てきたときには、シンプルに「うわ、逃げさせ屋が来た。じゃあこれを無視したら何者かになれるんだ!」と声に出して、作業に取り掛かる。これで倍進んでいけた。

僕の場合、ブログ記事やYoutube動画を制作することが毎日の仕事なのだが、記事を書く気分になれないときはたいてい「まあ、昨日はちゃんと書いたし、今日くらい書かなくてもいいか…」といった理由をつけて現実から逃げることがよくある。

YouTubeの場合はもっとひどくて、他の人の動画を研究するつもりが「あー、自分にはこのクオリティの動画つくれないわ…」とか「今さらやっても二番煎じなのでは?」などと考えはじめてしまい、結局動画を作るのをやめてしまうことが多い。

冷静に考えればこれらは全て「逃げさせ屋」の仕業であって、努力させまいとする抗力が自分に働いている証拠なのである。

なにかの本で読んだことだが、人は変化を嫌うから、なにか新しい行動をしようとすると自動的に抑止力が働くようにできているのだという。

山ちゃんはこうした努力を邪魔する思考を徹底的に無視して生きてきた。

現実逃避とかいう、もっともらしい言葉になって奴らが襲ってきてもとにかく無視。そして、何かのために前向きなことを考える。仕事をするまでは行かなくても、前向きな予定だけでも立てる。

行動自体は「無視する」というシンプルなものではあるけれど、「無視すれば何者かになれる」という発想は非常に役に立つものだと思う。そして、シンプルがゆえに誰にでも試すことができる普遍性もある。

やる気が起きなかったり、サボりたい衝動に駆られたときは「逃げさせ屋を無視する」という行動に出てみる。意外と解決は簡単なのかもしれないと思えるはずだ。

誰もが「自信貯金」を持つことができる

僕はビジネス書の類が好きだから、こういった芸人の自伝本を娯楽ではなく、ついつい「学びの書」として捉えてしまう。そういった意味で、この本は一級の自己啓発本に分類されると思う。

というのも、山ちゃんの紡ぐ言葉のひとつひとつが経験に裏打ちされていて、非常に説得力があるのだ。自分の内面に沸き起こった激しい怒り・憎悪に対して、非常に理にかなった対処法が語られており、それが老若男女問わず、多くの人に共感をもたらすはずだ。

それだけじゃない。山ちゃんは前向きで健全な発想も持っている。たとえば、山ちゃんは自分だけの「自信貯金」というものをつけていて、これが非常にユニークで面白い。

どんな些細な出来事であっても、良いことができたらとにかく自分を褒める。それを何度も繰り返すと「自信貯金」がコツコツと貯まっていく。この貯金を崩すタイミングは、困難に直面したときや目標をあきらめそうになったときだ。

こういう「自分は駄目なんだなぁ…」という無駄な悩み時間をスタートさせてしまいそうなとき、この貯金をちょっとずつ崩して自信を保っている。

僕は、くよくよタイムを短くすることがいかに大事かを自分に言い聞かせた。このくよくよタイムを早く終わらせられるほど、「自分はスゴイ!」と褒めてあげられた。そしてその勢いで簡単な作業をやる。すると、普通にこなすより頑張ってる感が出て、ご機嫌で作業ができた。自分の中でこのルールはとても役に立った。

「将来のお金の不安」「職場の人間関係」など、人は簡単に悩みを持つことができる。そして、無意識のうちに時間を費やしては、自分を無駄に苦しめてしまう。

しかし、山ちゃんのように普段から「自信貯金」を貯めておけば、くよくよすることがあっても「自分は◯◯ができたんだから大丈夫」という具合に乗り切ることができるかもしれない。

自信貯金をずっと覚えておくのはむずかしいだろうから、良いことがあったらノートに書いておいて、それを定期的に見直すと”貯金意識”がより高まるはずだ。

下手なベストセラー本より、好きな人の自伝

僕は自分の好きな人や尊敬する人の自伝本がなによりも最高の教科書だと思っている。

わかりやすくいえば「誰か知らない人が書いたベストセラー本」を読むより、「あまり売れてないけど、自分が興味のある人物の本」を読んだほうが100倍タメになるということだ。

そういった意味で、この本は僕の嗜好にピッタリだったし、いま現在の僕の悩みにも非常に参考になった。

  • 『天才はあきらめた』こんな人におすすめ
  • ・悩みや不安を引きずってしまう
  • ・怒りっぽい自分がイヤになる
  • ・あいつに言われた「嫌な言葉」が忘れられない
  • ・努力が続かない。あきらめっぽい

これらに一つでも当てはまる人は、きっと本書を読んで救われる部分があると思う。ぜひ一度、手にとって読んでみて欲しい。

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Profile
Ayumu Yuasa

読書が好きなライターです。以前は書店員と出版社の仕事をしていました。2017年から㈱ミシェルベース代表。年間100冊ほど本を読みます。2013年から始めた読書ブログ「コトビー」は、おかげさまで累計読者が400万人を突破しました。趣味は「知らない街を散歩すること」

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