自分がいかに「思い込み」で損をしてるか痛感する【『ファクトフルネス』を読んだ感想】

4.0
【書評】ファクトフルネスで思い込みを消す おすすめの和書

こんにちは、アユムです。

人はネガティブな情報が好きなので、ネットやテレビは悪いニュースが大半です。

こればかりは人の根っこの部分にある恐怖心とか防衛本能がそうさせているので仕方ない部分はあります。

しかし、だからといってそこに身を委ねてしまうと、現実世界を歪んだ形で理解してしまうことになるんですよね。本当はそうじゃないのに、そうだと思い込んでしまう状態に陥るということです。

今回紹介する『ファクトフルネス』は、世界の貧困や社会問題についての統計データをもとに、「世界を正しく理解する」ための考え方が書かれています。

僕自身も、いかに先入観や固定概念でモノを考えているかに気づかされた1冊です。

【結論】人は「思い込み」のせいで世界の真実を見ることができてない

この本に一貫して書かれていることはズバリ「思い込みのせいで、世界を正しく理解できてない。だから、その思い込みをなくして客観的に世界を見れるようにしよう」というものです。

最初にも述べたように、人はネガティブな情報が大好きですよね。ニュースになるのは殺人事件や交通事故、あるいは不倫スキャンダルなどの芸能ゴシップばかり。

心があたたまるようなニュースが大々的にメディアに取り上げられることは極めて少ないわけです。

そして、その根本にある「ネガティブが好き」という人の価値観が、世界を理解するうえでの大きな障害になっています。

この本では、そういった偏ったモノの見方を「10の本能」に分けて、Q&Aを交えながら正していく形式で進んでいきます。

「思い込み」ということは、すなわちその考え方が間違っているということを意味します。

  • 【この本で紹介されている「思い込み」
  • 分断本能「世界は分断されている」
  • ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」
  • 直線本能「世界の人口はひたすら増え続ける」
  • 恐怖本能「危険でないことを恐ろしいと考えてしまう」
  • 過大視本能「目の前の数字がいちばん重要だ」
  • パターン化本能「ひとつの例がすべてに当てはまる」
  • 宿命本能「すべてはあらかじめ決まっている」
  • 単純化本能「世界はひとつの切り口で理解できる」
  • 犯人捜し本能「誰かを責めれば物事は解決する」
  • 焦り本能「いますぐ手を打たないと大変なことになる」

これだけ見るとなんだかむずかしそうな印象を持たれるかもしれません。

でも、さきほど書いたようにこの本に一貫していることは「人は思い込みでモノを考えている」ということです。

それを踏まえておけば、思わず膝を打つような事実を突きつけられてワクワクしながら読み進められるはず。

僕が「殺人事件」のニュースを一切見ない理由

僕はある日からテレビのニュース番組を一切見なくなりました。

そもそもテレビの視聴時間が減ったというのもあるんですが、特に「なにかの事件」についてのニュースを目に入れないようにしています。

その最たる例が殺人事件です。

テレビのニュース番組では、ほぼ毎日のように殺人事件についての報道がありますよね。

たしかに「こういう事件が起きると大変ですよ。気をつけましょうね」というメッセージにはなるし、人の防衛本能(こういうことに巻き込まれないように)や殺人の抑止(?)につながるのかもしれません。

あるいは、メディアの都合で視聴率を取るための格好のネタという側面もあるでしょう。

でも、僕からしてみれば「殺人事件について知ったところで何の役に立つんだよ」と強く思っています。

だって、人が殺された話を聞いて自分にとってなんにもメリットがないですよね?むしろ悲しい気分になって、嫌な気分になって損をするだけです。

だから、ネガティブで意味のないニュースは見ないようにしました。

さて、さきほど「10の思い込み」を紹介した中に、ネガティブ本能というものがありましたね。

これはまさに殺人事件が連日報道されることの根本的な理由を突いています。

つまり、人の「ネガティブ本能」に働きかけて悪いニュースばかりがメディアを賑わしているというわけです。

人が興味を持つニュースを報道して数字(視聴率やアクセス数)を稼ぐことがメディアの仕事なので、当然といえば当然のやり方ではあります。

でも、ネガティブ本能に駆られたままニュースを受け取っていると、なにもメリットはありません。

モノの正しい理解は損なわれるし、殺人事件について知って悲しい気持ちになるだけです。

だからこそファクトフルネスを身につけておくことに大きな意味があるわけです。

悪いニュースに振り回されるのは自分の人生にとって大きな損失ですよ。

良い変化のほうが悪い変化より多かったとしても、良い変化はあなたの耳には入ってこない。あなたが探すしかない。統計を見れば、良い変化がそこらじゅうにあることに気づけるだろう。

「悪いニュースのほうが広まりやすい」と心得ておけば、毎日ニュースを見るたびに絶望しないで済む。大人も子供も、ぜひこの考え方を身につけてほしい。(第2章 ネガティブ本能 より)

まわりくどい話が多いので、苦手な人は多いかもしれない

僕はこの本を読んで、多くの気づきがありました。

特に、自分のなかで潜在的に理解していたこと(ネガティブ本能)を実際に解説してくれたのは強く印象に残っています。

ただし、正直いってこの本はまわりくどい説明や著者のエピソードが大半を占めているため、人によっては冗長に(ムダに)感じられるかもしれません。

「たとえ話」が深い理解を生むことは多々ありますし、その例示がこの本の持ち味でもあります。

僕はこの本をできるだけ多くの人が読むべきだと思いますが、まわりくどい話が苦手な人は読み飛ばしながら「拾い読み」をするのがおすすめです。

いずれにしても名著となりうる完成度の本なので、大人も子供も読むべき1冊なのは間違いありません。

【評価】おすすめポイント&残念なポイント『ファクトフルネス』

【評価】

3.5
  • 【おすすめポイント】
  • 自分では気づけなかった「思い込み」に気づくことができる。仕事はもちろんだけど、プライベートでも役に立つ。思い込みで自分が損していることはたくさんあるので、それを改善できる1冊。
  • 【残念なポイント】
  • たとえ話が多く、まわりくどい説明が多い。具体的なエピソードがこの本の持ち味ではあるが、冗長に感じる人は多いと思う。
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アユム

ライター。書店と出版社での仕事を経験後、本と英語のWebマガジン「コトビー」を運営。2017年より株式会社ミシェルベース代表取締役。1988年、千葉県生まれ。読書量は年間200冊ほど。ビジネス書が好きです。

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