地政学って最高。『戦略の地政学』が過去イチ級におもしろい本だったのでレビューします

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地政学って最高。『戦略の地政学』が過去イチ級におもしろい本だったのでレビューしますおすすめの和書

地政学っていう言葉を聞いて「うわーなんかむずかしそう…」というイメージを持つ人は多いと思います。字面がいかにもイヤな感じですよね(笑)

でも、実際に地政学の本を読んでみると「こんなおもしろい学問があるのか!」と感動を覚えるレベルで楽しいです。

今回紹介する『戦略の地政学』は「本当に読んで良かった」と心から思える1冊でした。くわしくレビューしていきます。

なぜアフガニスタンは紛争が多いのか?

地政学ってなに?という疑問にわかりやすく答えるのであれば「国の位置関係によって国際関係を考える学問」です。

この本でも紹介されている、アフガニスタンという国を例にとるとわかりやすいと思います。

アフガニスタンといえば、戦争や紛争が絶えない地域で、僕たちの感覚からすると「危ない国」というイメージが強いと思います。

なぜアフガニスタンでは争いが絶えないのか?この質問にも地政学で答えることができます。

答えをひとことで言うのであれば、アフガニスタンはいろんな国に囲まれていて交易が盛んであり、なおかついろんな文化や宗教が混在するから。地図を見れば一目瞭然です。

アフガニスタン

いろんな国、いろんな文化に囲まれるアフガニスタン

赤い線で囲まれているのがアフガニスタンです。完全な内陸国家であり「交易するときに、いろんな国の人が通るだろうな」というのは容易に想像できます。

まさしく、アフガニスタンは交易をおこなうときの玄関口として栄えてきました。

本書ではアフガニスタンを以下のように表現しているのですが、非常に明快です(言葉の生みの親が誰なのかはわかりません)。

「文明の十字路」「戦乱の十字路」──これほどアフガニスタンの置かれた地理的環境を明確に言い表した言葉はない。

いろんな人が集まれば富も集まりますが、そこに目をつけた大国はアフガニスタンで覇権を争うようになります。さらに宗教が絡んでくれば、その争いは根深いものになることは避けられません。

このように、アフガニスタンで争いが絶えないのは地理的な要因であることがわかります。これこそが地政学です。

僕もそうでしたが「アフガニスタン=なんだか危ない場所」というイメージで止まっている人は多いと思います。しかし、地政学的な見方をするだけで、アフガニスタンで紛争が多い理由もハッキリと理解できるわけです。

今まで漠然とニュースを見ていた人も、地政学をちょっと学ぶだけで国際問題の見方がガラッと変わると思います。

アメリカと中国が争う理由

「アメリカと中国ってなんだか最近、仲悪いよね…」

ニュースを見て、そんな印象を持っている人は多いと思います。

そんなアメリカと中国の争いも、地政学でシンプルに理解することができます。

キーワードとなるのは「ランドパワー(内陸国家)」と「シーパワー(海洋国家)」です。

それぞれの特徴を引用すると以下のようになります(太字はこちらで追加)。

ランドパワーは、土地に対する執着が強く、支配地域を拡大しようとする攻撃的な傾向があること。

シーパワーは土地の支配権獲得よりも、交易を通じて得た権益を守ろうとする傾向が強く、ランドパワーほど攻撃性が高くないこと。

ソ連とアメリカによる冷戦が終わってから、しばらくの間はアメリカによる一国支配が続いていました。

しかし、中国が次第に力をつけてきたことで、アメリカと中国は利権を争うようになってきたのです。世界のGDPは1位がアメリカ、2位が中国ということを考えると、争いが激化するのも当然という気がします(餃子でいえば、宇都宮と浜松みたいな感じ)。

「争ってないで仲良くしたらいいのに」と思いますよね。僕もそう思います。トランプ元大統領と習近平ががっちり握手をして、仲良く貿易をすれば世界は平和になったはずです。

でも、そんな単純な話ではないんですね。アメリカと中国が争っているのは貿易の問題もありますが、国としての違いが根本的な問題として存在します。

国としての違いというのが、ランドパワーなのかシーパワーなのかという点です。

中国は典型的なランドパワーであり、支配地域を拡大するために攻撃的な性格を持ちます。

アメリカは海に囲まれたシーパワーであり、交易を重視します。

日本のメディアによる多少の偏向報道もあるとは思いますが、中国のほうがアメリカよりも攻撃的な印象ですよね。それは中国がランドパワーであり、土地に対する執着が強いからです。

さらに、最近では中国が海に進出してきています。ニュースでたびたび「中国の巡視船が尖閣諸島に…」みたいな報道が行われますが、これはまさに海洋進出の足がかりというわけです。

つまり、ランドパワーの中国とシーパワーのアメリカは、地理的な条件による国としての性質がちがうので折り合いをつけるのがむずかしいんですね。そこに、社会主義と資本主義という対立軸があればなおさらのこと。

このように、ランドパワーとシーパワーという概念がわかるようになると、国際問題も単純化できるので理解しやすくなります。

用語の解説も丁寧で読みやすい

今回紹介した『戦略の地政学』は、むずかしめの内容も含みますが、非常に読みやすかったです。

読みやすく感じた最大の理由は、用語の解説が丁寧だからだと思います。

さきほど紹介したように、ランドパワーやシーパワーとは何か?という説明もちゃんとしてくれるので、地政学の初学者でも十分に理解できるはずです。

今回取り上げた他にも「どうして日本は第二次世界大戦で敗北したの?」とか「ロシアってなんでウクライナのクリミア半島を侵略してるの?」といった歴史や世界情勢も、すっきり理解できるようになります。

「地政学に興味があるから、わかりやすい本を読んでみたい」という人には非常におすすめの1冊です。

個人的には、ここ最近で読んだ本の中で圧倒的No.1の面白さでした。

ちなみに、地政学の入門書であるサクッとわかるビジネス教養 地政学とセットで読むと、さらにわかりやすくなると思います。

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