昌文君の謝罪シーンに注目。上司が部下に頭を下げるということ【漫画『キングダム』を語る 第2巻】

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【漫画『キングダム』を語る 第2巻】昌文君の謝罪シーンに注目。上司が部下に頭を下げるということキングダム

※この記事はネタバレを含みます。

こんにちは、アユムです。

キングダム第2巻は、避暑地に着いた信たちが追っ手であるムタと戦うシーンから始まります。

そして、山の民に協力を求めに行くのがメインのお話です。

じつを言うと、この2巻目は決定的な見どころというか、見せ場的なシーンはありません。

ただ、細かいところでグッと来る場面があるので、今日はそのあたりに触れたいと思います。

※記事内の画像は引用の範囲内で使用しております。万が一問題がございましたらご一報いただけますと幸いです。速やかに対応いたします。

昌文君、下僕の信に頭を下げる

山の民に協力を求めに行った大王・政は、結局山の民に連行されてしまいます。ピンチです。

さて、どうするか?という場面になって、昌文君が信に「大王を追ってくれ」と頭を下げるシーンがあります。

昌文君、下僕の信に頭を下げる

『キングダム 2巻』原泰久、集英社

このシーンでは昌文君が信を信頼するようなったことがハッキリ見て取れるし、それだけでもグッと来ちゃいます。

ただ、王の身代わりとして、昌文君が連れて行った漂を死なせてしまったことを信に謝るシーンはもっと大きな意味を持っていると思うんですよね。

昌文君が信に謝るシーン

『キングダム 2巻』原泰久、集英社

「漂のことはすまなかった」

「こんなはずではなかった、許せ」

「大王を頼んだぞ」

なんというか、このシーンだけで昌文君の人柄が見事に表現されていると思います。

もっといえば、このシーンを読んだ人全員が昌文君のことを好きになると思うんですよね。なんというか、人としての弱さみたいなのを良い意味でちゃんと見せられる人物なんだなと。

昌文君が厳しくもやさしい人物であり、キングダムという作品のなかでいかに信頼に足る人物であるか。それが、このシーンで意図されているんじゃないかと僕は思っています。

それと同時に、信にとっても昌文君から直接謝罪されることで、ようやく気持ちの整理ができる状態になると思うんですよね。

ちょっと例えとして合ってるかわからないけど、会社の上司に謝られる感じですかね。

上司が部下に謝るのってけっこう大きな意味を持つと思うんだけど、キングダムのこのシーンはそれに通ずる部分があるのかなと思いました。

漂が死んで信が覚醒することを王騎は読んでいた?

昌文君が王(ここでは身代わりの漂)を城から逃がすときに、王騎は昌文君を軍隊を率いて足止めします。

王騎は嬴政の味方になる存在なので、本来であれば昌文君と戦う理由はありません(この段階ではそこまでわかっていませんが)。

王騎は、なぜ味方であるはずの昌文君と戦ったのか?

ふつうに考えれば、昌文君が死んだことにして、相手陣営(竭氏)を油断させるためです。王騎は昌文君の偽物の首を肆氏(しし)に差し出していますからね。

漂が死んで信が覚醒することを王騎は読んでいた?

『キングダム 2巻』原泰久、集英社

そして、王騎が昌文君の領地を手に入れることで、昌文君の親族を守ることができます。実際、あとのストーリーで昌文君の一族を肆氏が抹殺しようとする動きがあるのですが、「ここは私の領地よぉ〜」といって、王騎が肆氏を追い払うシーンがあります。

ここまではストーリーからわかる話なんですが、ここからは少し深読み(妄想)をしてみたいと思います。

僕が王騎は、漂が討たれることで信が覚醒することを予期していたのではないか?ということです。

本来であれば、王騎は昌文君を守って、漂をそのまま逃したほうがいいですよね。そうすれば漂が生き残ることができますから。

でも、昌文君が王騎に足止めされたことによって、漂は命を落としてしまうわけです。

そして、漂が死んだことで、信は復讐に燃えて秦王・嬴政の剣となって突き進むことになります。

これは、見方を変えれば、漂が死んでいなかったら信と嬴政は結びついていなかったということです。

つまり、王騎は嬴政の秦王としての将来性を見抜いていて、そして、信の伸びシロにも気づいていた。

そして、漂が死ぬように画策して、嬴政を飛躍させるために信を仕向けた、とも考えることができます。

もし王騎がそこまで考えて昌文君を足止めしたのだとしたら…。勝手な妄想なのはわかっていますが、王騎ならそこまで考えていそうな気がします。

キングダム
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Profile
Ayumu Yuasa

ライター / 映像編集者
本と英語のブログ「コトビー」(月間10万PV)を運営。書店員および出版社での仕事を経験後、独立しました。2017年より株式会社ミシェルベース代表取締役。本と本屋が好きです。

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