こんにちは、アユムです。
僕は海外旅行にほとんど行かないので、世界情勢にはすごく疎いです。
そのせいもあって、地理とか世界情勢のジャンルがとても苦手。カタカナがいっぱい出てきたり、宗教による紛争への理解はかなり乏しいです。
その苦手意識を助長するのが解説本のむずかしさにあります。僕がいろいろ読んできた限りだと、地理とか世界情勢の本ってけっこうむずかしく書かれているんですよね。
ただ、今回紹介する『国マニア』は、世界中の珍国や小国を集めた、”初心者でも惹かれる”内容になっています。
「知らずにいるのはもったいない」と思えるような国々を学べる格好の1冊に出会うことができましたので、くわしくご紹介します。
『国マニア』を読んで僕が学んだこと
- ① 小国はコレクター向けに「切手」を販売して財源を稼いでる
- ② 自国のカントリー・ドメイン(日本で言う .jp )を販売している国がある
- ③ 小国は、ほぼ間違いなく植民地による争いの歴史がある
この本は、世界にある小さな国や珍しい国を紹介する内容になっています。
なので、それぞれの国について読みながら「へえ〜こんな面白い国があるんだね」なんて考えながら読むのが1番スタンダードな気がします。
ただ、僕はこの本を読むなかで、上記3つのポイントに強く印象を受けました。しかもそれぞれが、小国に共通する点が多かったのも面白かったです。
以下より、くわしく説明していきます。
① 切手の販売で稼いでいる国が意外と多い
小さな国には、稼ぎ頭となるような産業が発達していないことが多いため、国としての収入が低いことが多々あります。
そういった国では、歳入を賄うために「切手」を販売していることが多いです。
「切手って…そんなので稼げるの?」と思いますよね。僕も思いました。
でも、本書では以下の国で切手販売の事例が紹介されています。
- ▪ツバル
- ▪リヒテンシュタイン
- ▪ピトケアン諸島(イギリスの海外領土)
- ▪コンゴ共和国
「なんでもありかよ!」と言いたくなったのは、コンゴ共和国の切手です。
なんとコンゴ共和国では2005年に、なぜか愛知万博のシート切手を販売しています。
図案はというと、新幹線と山手線をバックに亡くなったばかりのヨハネ・パウロ二世が手を振り、シリーズ切手では定番の蝶と蘭の花もあしらうという、まさになんでもアリの組み合わせ。
なぜコンゴ共和国が日本の愛知万博をモチーフにしたのか?大いに謎ですよね…。
切手コレクターはとにかく「全部集めなければ意味がない」と考えるらしいので、その心理をついてシリーズものの切手を販売するようです。
でもたしかに、どこの国かわからないような切手でも、日本にはない異国情緒を感じることができれば買いたくなるのかも…。
② 自国のドメインを販売して稼いでいる国がある
まず「ドメイン」ってなに?という話なんですが、わかりやすくいえばURLの最後に付くアルファベットのことです。日本でいえば「jp」がそれにあたります。
日本では当たり前のように「.jp」や「.co.jp」というのが使われていますが、じつは国にはそれぞれ独自のドメイン(トップレベルドメイン)というものがあります。
たとえばアメリカは「us」、韓国は「kr」、イギリスなら「uk」というドメインがあります。見てわかるように、国名のアルファベットが使われていますね。
さて、トップレベルドメインを使えるのは基本的にその国やエリアに存在する法人や個人だけなのですが、一部では国特有のドメインを海外に販売して収入を得ているケースがあります。
その代表例がオセアニアにあるツバルという国です。
ツバル(Tuvalu)の国別ドメインは「tv」。勘の良い人ならおわかりかと思いますが、tvというドメインは映像関連の会社やサービスのWebサイトと非常に相性が良いんですよね。
ツバルは自国のtvというドメインを海外に販売して、それを国の収入にしているというわけです。
他にも自国のドメインを販売して外貨を獲得しているケースはあるようですが、ツバルのtvというドメインは1番わかりやすい事例かと思います。
③ ほとんどの小国で植民地化による争いが起きている
これは僕の歴史の勉強不足から来ている部分もあるんですが、小さな国ではほぼ間違いなく植民地との争いが起きているということを認識させられました。
日本が韓国を植民地にしていたように、フランスやスペインも海外に出向いてせっせと植民地を獲得していました。
この本を読んで特に感じたのはイギリスの植民地に対する熱烈さです。
モルジブやマルタ共和国といった小国から、アラブ首長国連邦といった国までもイギリスが支配している時期がありました。
エリア的に「さすがに遠すぎない?」と思わざるを得ない場所でも植民地にしているんですよね。たとえばインドとかオーストラリアを植民地にしていたわけだけど、いま思えばさすがに無理があるでしょ、距離的に。
日本で置き換えるなら、南米のアルゼンチンとかチリを植民地化しようとしていたことになるわけでうすからね、距離的にいえば。
カタカナが多いので要注意
この本は「国マニア」というだけあって、地理や歴史の説明がふんだんに盛り込まれています。
そのため、カタカナの多さは否定できません。ですから、カタカナに対する免疫がない人は注意が必要です。
ただ、聞いたことあるけどあまり知らない国名(ツバル、リヒテンシュタイン、モナコなど)が多く紹介されているので、まったくの初見という国名は意外と少なかったです。
拾い読みしやすいので、気軽に読める
この本は、国ごとのチャプターが分かれていて、1つの国を紹介するごとに話が区切れます。
そのため、ちょっとした辞書的な使い方ができるレイアウトになっています。
地理や歴史の本って長々と書かれている場合が多くて読み疲れちゃうことが多いんですが、この本は読みたいページだけを拾い読みしながら読了できました。
本書を読むだけで、まったく知らない異国に想いを馳せることができました。楽しい1冊です。