こんにちは、アユムです。
本屋の担当とひとくちに言っても、それが書籍担当なのか雑誌担当なのかで必要となる知識はかなり異なります。
発売日なんかは最低限知っておかないと仕事をスムーズに行えません。
雑誌にはけっこう細かい用語やら決まり事があって、担当者はしっかり把握していないとマズイことが多かったりします。
先日、Twitterで出版業界の人と本の返品期限についてのやり取りをしていたところ、「L表記」という言葉を初めて耳にしました。まだまだ勉強が足りませんね…。
この「L表記」については後ほど説明するとして、今回は本屋で雑誌担当をしているなら知っておきたい雑誌の基礎知識についておさらいします。
雑誌コードとその分類、わかりますか?
雑誌の基礎の基礎、はじめの一歩から説明をしていきます。
もう雑誌のことはだいたい知ってるよ!って方は飛ばして読んでくださいませ。
書籍と雑誌でもっとも大きくちがうところはなんでしょうか?
それはズバリ、「コードのちがい」です。
書籍はISBNという13桁のバーコードで管理します。
一方の雑誌には「雑誌コード」という【5桁+号数】でわりふられたコードがあります。
以下より日本雑誌販売株式会社のサイトからの引用を交えて説明をしていきます。
たとえば、少年ジャンプの雑誌コードは以下のようになっています。
【少年ジャンプ 5/3号】⇒29931ー5/3
5桁の雑誌コードのあとに、号数を併記します。
雑誌には大きく分けて、以下のパターンがあります。
- ① 週刊誌 ⇒ 毎週発売されるもの(コードの1桁目が「2」ではじまる)
- ② 隔週誌 ⇒ 1週おきに発売されるもの(コードの1桁目が「2」ではじまる)
- ③ 月2回刊 ⇒ 月2回発売されるもの(コードの1桁目が「2」ではじまる)
- ④ 月刊誌 ⇒ 毎月発売されるもの(コードの1桁目が「0・1」ではじまる)
- ⑤ 隔月誌 ⇒ 1ヶ月おきに発売されるもの(コードの1桁目が「0・1」ではじまる)
- ⑥ 季刊誌 ⇒ 年4回(春、夏、秋、冬)発売されるもの(コードの1桁目が「0・1」ではじまる)
- ⑦ ムック ⇒ MagazineとBookの造語(Mook)。不定期刊行で長期販売が可能(コードの1桁目が「6」ではじまる)
- ⑧ コミックス ⇒ コミック雑誌の作品を単行本化したもの。書籍扱いのコミックもある(コードの1桁目が「4と5」ではじまる)
こうして見ると、いかに分類が多いかがわかるかと思います。
なぜこの分類をきちんと把握しなければならないのでしょうか?
その理由は次に説明する「返品期限」があるからです。
分類によって異なる返品期限
さて、その返品期限についてですが、これは先に説明した雑誌分類によってことなります。
これらの日数は発売日から指定された返品場所に到着するまでの日数でカウントします。
週刊誌は45日(増刊号は60日)。
隔週誌、月2回誌、月刊誌、隔月刊は60日。
季刊は120日。
ムックとコミックは返品期限なし。
こうして見ると、わりと余裕を持って返品期限は設けられている印象を受けます。
週刊誌なんかは1週サイクルなので45日も返品期限はいらないのですが。
とはいえ、担当者は自店の雑誌をすべて把握してないといけないので、機械的に返品することがほとんどでしょう。
それで、「L表記」ってなに?
冒頭でふれた「L表記」についてですが、これは増刊号の返品期限を表記するときに使われます。
LはLimitのLです。
通常の雑誌コードの下の返品期限が明記されるかたちとなります。
例) 雑誌コード 09316-4 L-4/25
【L-4/25】は「4月25日までに返品してね」という意味です。
まとめ
雑誌の売り上げが低迷しているとはいえ、集客力のある雑誌は本屋さんに不可欠です。
雑誌が売れない時代だからこそ、たまには雑誌を読みませんか?の記事でも書いたのですが、紙の雑誌にはそれにしかないメリットがたくさんあるはずなんです。
雑誌コードあたりが一般に普及するとは思えませんが、雑誌の知識を知っていることの恍惚をよりたくさんの人に伝わればいいなと願っております。
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