※本記事は2016年12月15日に書かれたものです。
出せば売れる作家の代表格、村上春樹氏の新刊が来年の2月に発売されます。
今回は新潮社からの刊行ということで、同社からは『1Q84』(2009~2010年)以来、7年ぶりとなります。
前作は文藝春秋から刊行された『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(2013年)以来、4年ぶりとなります。
今作は上下2巻、原稿用紙2000枚の書き下ろしの新作ということなのでファンのみならず必読の1冊となるでしょう。
ここ数年、村上春樹といえばノーベル文学賞発表の時期になると騒がれる存在となっており、本人からしてみたら「ほっといてくれよ」な感じだとは思いますが、それだけ注目度の高い作家であることはまちがいないわけです。
気になるのは新作のタイトルですが、これは現在のところ未定。追って、新潮社から発表されます。
新潮社のウェブサイトでは村上作品の情報が受け取れるメールマガジンに登録できるので、気になる人はチェックしておくといいかもしれません。
ベストセラー必至の村上春樹作品によって図書館では予約が殺到するでしょう。またしても図書館の「貸本屋」問題が再燃しそうですね…。
そんな村上春樹氏の作品は、出せば売れる。つまり、多くの出版社にとって出したい作家でもあります。
今回は新潮社でしたが、前回は文藝春秋。そして、前々回は新潮社でしたね。
で、気になるのは村上春樹作品はどこの出版社から最も刊行されているのか?ということ。
そんなわけで、一覧にしてみました(短編は含まず、長編小説のみ)。
- 『風の歌を聴け』(1979年)【講談社】
- 『1973年のピンボール』(1980年)【講談社】
- 『羊をめぐる冒険』(1982年)【講談社】
- 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985年)【新潮社】
- 『ノルウェイの森』(1987年)【講談社】
- 『ダンス・ダンス・ダンス』(1988年)【講談社】
- 『国境の南、太陽の西』(1992年)【講談社】
- 『ねじまき鳥クロニクル』(1994〜1995年)【新潮社】
- 『スプートニクの恋人』(1999年)【講談社】
- 『海辺のカフカ』(2002年)【新潮社】
- 『アフターダーク』(2004年)【講談社】
- 『1Q84』(2009〜2010年)【新潮社】
- 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(2013年)【文藝春秋】
- ・講談社…8作品
- ・新潮社…4作品
- ・文藝春秋…1作品
こうしてみると、講談社の一人勝ちという状態です。しかし、『アフターダーク』(2004年)以来、講談社からは長編小説が刊行されていません。
さらに、次回作が新潮社刊行となるため、講談社と新潮社のバランスは崩れつつあると言えます。もちろん、短編集などは文藝春秋はもとよりその他の出版社からも刊行されているけれどね。
とはいえ、ベストセラー必至の村上春樹作品がどの出版社から発売されるのか?というのは、やはり業界関係者にとっては大きな関心事です。
発売日やタイトルなどの続報が入り次第、また追ってご紹介したいと思います。