「この本、チョー面白いから読んでみて!」
なんて言って、本を人に貸すことがあります。
貸す側も借りる側もノリ気ならまだいいのですが、貸し手のテンションが一方的に高いだけの場合も。
そのあと本を返してもらって、あなたは愕然とするのです。
「ちょ…本がめっちゃ傷んでいる!」
今回は本を貸す人の心理と借りる人の心理について考えてみたいと思います。
貸すから読んでみて!は断りづらい
本を貸すときには大きく分けて2つのケースがあります。
- 1. 本好き同士が盛り上がって貸し借りをする場合
- 2. 貸し手の一方的なハイテンション
1. 本好き同士の貸し借りは上手くいきやすい
ケース1は非常に微笑ましく、前向きで楽しい本の貸し借りです。
たとえば共通の作家が好きな者同士がいて、
- 「ねえ、〇〇の新作読んだ?」
- 「まだ!」
- 「じゃあ貸してあげるよ!」
- 「エッ!嬉しい!」
こんな場合はいわばWin-Winが成り立っています。
貸し手も興奮を伝えられるし、借り手ははからずも新作が読めるからです。
2. 貸し手の一方的なテンションは要注意
ケース2はさまざまなリスクを孕んでいます。
たとえば、自分一人が難しい哲学書に感動をして、それを共有するために本を貸したとしましょう。
- 「フロイトを読んで感動したから君にも貸してあげるよ!」
- 「え、あ、そう…。ありがとう…」
貸し手のテンションの高さが如実に表れていると、借り手としては無下に断れません。
あんまりノリ気でない相手に本を貸すと、あとになって残念な結末が待ち受けています。
本が返却された後に想定されること
ここまで、本の貸し借り2パターンについて取り上げました。
気持ちが先走って本を貸してしまうと、貸し手にはいったいどんな悲劇が待ち受けているのでしょうか?
借りる側にモチベーションがあれば、本は丁寧に扱ってもらえる可能性が高くなります。
しかし、貸し手の一方的なテンションだけで押し付けると…
- 1. ろくに読まないで返却される
- 2. 読みかけの時に【人】みたいに置かれる
- 3. 表紙がズタズタになって返ってくる
- 4. 謎の「シミ」が付いてる
- 5. そもそも永遠に返ってこない
感想を聞いても「良かった」の一点張り
まず、興味のない人に本を貸しても、だいたい読んでません。
「ごめん、読まなかった」と言える間柄であればいいのですが、必ずしもそうとは限りません。
- 「あの本、どうだった?」
- 「良かったよ!」
- 「伏線がすごいと思わない?」
- 「伏線が良かった!」
読まない人はだいたい、本を雑に扱います
程度の差はあれ、本好きはカバーはきちんとかけますし、汚れるような環境での読書は避ける傾向にあります。
本に興味がなく、無頓着な人に貸してしまうと、キレイな状態で返ってくることはまずありません。
身に覚えがない「シミ」が付いていたり、どこで読んだの?と聞きたくなるような、水によるフヤケが散見されます。
そもそも返却してくれない
これは貸す側にも多少の責任があるのですが、乗り気でない人に本を貸すと返却されないことがあります。
いわゆる「借りパク」です。
貸す側も人間ですので、時として自分が本を貸したことを忘れることがあります。
その場合、そもそも相手は本に興味がない人ですので、本の存在はこの世からなかったことになります。
ジャイアン風に言えば「永久に借りる」というやつです。
やっぱり本は貸さないほうがいいと思う
こうして記事にして書いてみると、過去に本を貸した記憶がよみがえり、やり場のない虚無感がこみ上げてきます。
この本の内容を誰かと共有したい!っていう気持ちって、本が好きな人ほど湧き上がるものだと思います。
でも「貸す」という行為に出てしまうのはやり過ぎなわけです。
共有欲が出てきても、貸してはいけない。貸すと先ほど説明したような「悲劇」が待ち受けているからです。