会社名であれ商品名であれ、世の中に名前が付いているものには「由来」があります。
雑誌の名前も同じで、創刊に合わせて何かしらの意図をもって命名されています。
今回は有名雑誌から少しマイナーな雑誌まで、雑誌の名前の由来についてご紹介。
雑誌名の意味を知ると、その雑誌の歴史なんかに触れることもできるのでぜひチェックしてみてください。
女性ファッション誌名の由来
女性ファッション誌は、何かに由来する傾向が非常に強いのが特徴です。
実際のところ、本記事でも取り上げている雑誌のほとんどが女性ファッション誌です。
【anan(アンアン)の由来】:モスクワ動物園のパンダ「アンアン」から
「アンアン」という響きだけを聞いて、いかがわしい印象を持つ人も多いですが全く関係ありません。
この名前は、モスクワ動物園で飼われていたパンダ「アンアン」に由来します。
くわしい解説はコチラから→「なぜ「anan」なのか?雑誌名の由来を徹底解説!」
【CanCam(キャンキャン)の由来】:キャンパスリーダーになれるように
キャンキャンは「Cancan」ではなく「Can”Cam”」というのがポイント。
2つ目の「キャン」は「キャンパス(Campus)」から取られています。
大学でリーダーになれるような女の子を志向するのが雑誌の命名由来です。
くわしい解説はコチラから→「意外と知らない?女性ファッション誌『CanCam』の由来と意味」
【Non-no(ノンノ)の由来】:アイヌ語「花」
「Non-no」はアイヌ語で「花」。
1971年(昭和46年)5月25日創刊。集英社が毎月20日に発売しています。
となると、メンズ・ノンノは「男の花」ということになりますね。
【SPUR(シュプール)の由来】:ドイツ語で「軌跡」
シュプールは集英社が発売している1989年創刊の女性ファッション雑誌。毎月23日発売。
「SPUR」には英語で以下のような意味があります。
- 【名詞】刺激、拍車、はずみ
- 【動詞】刺激する、拍車をかける
そして、ドイツ語の名詞には「スキーの滑降によって雪面にできた跡、轍(わだち)」という意味があります。
こうした言葉の意味から、SPURには”日本のモード界に軌跡(シュプール)を描くような雑誌を”という思いが込められています。
【25ans(ヴァンサンカン)の由来】:フランス語で「25歳」
25ans(ヴァンサンカン)はハースト婦人画報社発行、講談社(2015年4月以降)発売の女性ファッション雑誌。創刊は1980年4月。
由来はフランス語で「25歳」。社交界に身を置くようなお嬢様をターゲットにしています。購読者の世帯年収が高い雑誌です。
【Zipper(ジッパー)の由来】:「ファスナー」の別称、元気いっぱい
Zipperは「ファスナー」の別称。また「zip」「zipper」には、「元気いっぱい」「快活な」という意味もあります。
出典がハッキリしていませんが、こうした意味が由来となっています。
【KERA(ケラ)の由来】:小説家のジャック・ケルアック
小説家であるジャック・ケルアック(Jack Kerouac)に由来。
当初は「Kerouac(ケルアック)」という雑誌名でしたが、「読めない」という声が相次いだため改称。
系統は異なるものの、Zipperとファッションのテイストが比較されることが多いのが特徴です。
【Oggi(オッジ)の由来】:イタリア語で「今日」
Oggiは、小学館が発行する月刊誌。毎月28日発売。
名前の由来はイタリア語で「今日」。
【Domani(ドマーニ)の由来】:イタリア語で「明日」
Domaniは、小学館発行の月刊誌。毎月1日発売。
じつはOggiとDomaniは姉妹誌の関係にあります。
Oggiは「今日」、Domaniは「明日」という対応関係です。
CanCamとAneCanほどわかりやすくないので、知らない人も意外と多い由来となっています。
【Marisol(マリソル)の由来】:イタリア語「海」と「太陽」の造語
「Marisol」(マリソル)は2007年創刊。集英社が毎月7日に発売。
誌名の由来は、イタリア語で「海(mare)」と「太陽(il sole)」を組み合わせた造語です。
【GINGER(ジンジャー)の由来】:「ショウガ」、「刺激を与える」
「GINGER」は2009年3月創刊、幻冬舎発行の女性ファッション誌。毎月23日発売。
名前の由来は「ジンジャー = 生姜」という意味もありますが、他にも「活気づける」という意味を持つ英語です。
【GLITTER(グリッター)の由来】:英語で「きらきら輝く」
グリッターはトランスメディアが発行するセレブ系女性ファッション誌。毎月7日発売。
英語「GLITTER」には”きらきら輝く”という意味があり、それに由来します。
【la farfa(ラ・ファーファ)】:イタリア語「蝶」から取った造語
表紙をご覧いただければ一目瞭然ですが、ラ・ファーファは他誌とは一線を画す読者をターゲットにした雑誌。
わかりやすく言えば、ぽっちゃり系に特化した女性ファッション誌です。
雑誌名の由来はイタリア語で蝶を意味する「farfalla(ファルファッラ)」から作られた言葉。
【Numero(ヌメロ)の由来】:フランス語で「数字、番号」
「Numero」はフランスの雑誌であり、その日本版が「Numero TOKYO」として扶桑社から発行されています。
フランス語で「数字、番号」を意味するのがNumeroで、特集や連載のスタートページに大きくノンブル(ページ番号)が振られています。
【Ray(レイ)の由来】:「綺麗」の「レイ」
Ray(レイ)という雑誌名は、「綺麗」の「レイ」に由来しています。
競合ひしめく”赤文字系雑誌”のなかでも、海外展開を積極的にしているのが特徴です。
主婦の友社が発売している女性ファッション誌。1988年創刊。毎月23日発売。
【FIGARO(フィガロ)の由来】:外国語で「床屋、仕立屋、モデル」
FIGAROという言葉自体は、フランス語やスペイン語などでさまざまな意味を持っています。
そのため雑誌「フィガロ・ジャポン」がどのような由来で命名されたのかは、判然としませんでした。
ちなみにフィガロ・ジャポンはCCCメディアハウスが発売しており、本家はフランスの雑誌「madame FIGARO」です。
【BAILA(バイラ)の由来】:スペイン語で「踊る」
集英社発行の月刊ファッション誌で2001年創刊。
BAILAはスペイン語「bailar(踊る)」の命令形「baila(踊れ)」に由来します。
集英社の発行する雑誌が売り上げ好調なのは以前の記事でも触れましたが、相変わらず高い人気を維持しています。
【CLASSY.(クラッシー)の由来】:英語「高級な、上等な、シックな」
CLASSY.といえば、良い女が読む雑誌の代表格な印象があります、個人的に。
由来は英語の形容詞「高級な、上等な、粋な、シックな」といった意味からきています。
【FUDGE(ファッジ)の由来】:砂糖、牛乳、バターなどで作られたキャンディーの名称
FUDGEは三栄書房発行の女性ファッション誌。男性版のメンズファッジもあります。
由来は、西洋のキャンディーであるファッジから。砂糖、牛乳、バターなどがふんだんに使われ、大変甘いお菓子のようです。
【FRaU(フラウ)の由来】:ドイツ語で「夫人」
FRaUとはドイツ語で「夫人」を意味します。
その名のとおり、雑誌は”感度の高い大人のためのライフスタイルマガジン”を謳っています。
誌面にはグルメ、ファッション、スポーツなど幅広いトピックが並んでいるのが特徴です。
【Ranzuki(ランズキ)の由来】:旧雑誌名「ランキング大好き」の略
Ranzukiはぶんか社が発行する女子高生をターゲットにした女性ファッション誌です。
1998年に創刊された「ランキング大好き」という雑誌が、2000年に改名。略して「Ranzuki(ランズキ)」となりました。
雑誌の表紙を比べると、なかなかインパクト大です。
【VOGUE(ヴォーグ)の由来】:フランス語で「流行」
VOGUEはフランス語で「流行」を意味し、雑誌名に使われています。
アメリカが発祥となった雑誌で、現在は世界18カ国とラテンアメリカに発行されている女性ファッション誌です。
アメリカ版の編集長を務めるアナ・ウィンターは映画『プラダを着た悪魔』のモデルになった人物です。
個人的には発行元であるコンデナスト・ジャパンに憧れてます。
【Harper’s BAZAAR(ハーパース・バザー)の由来】:発行人ハーパーさん
世界最古の女性ファッション誌であるハーパース・バザーの由来は、1867年にアメリカで創刊したジェームス・ハーパーズの名前から取られています。
”バザー(BAZAAR)”には「シルクやベルベット、カシミア、スパイス、香水、輝く宝石――珍しくて高価なものが世界中から集まる場所」という意味が込められています(出典:『ハーパーズ バザー』26の基礎知識より)。
一時期休刊していましたが、現在はハースト婦人画報社が発行を続けています。
男性ファッション誌、モノ雑誌名の由来
【Safari(サファリ)の由来】:スワヒリ語「旅行」
Safariはスワヒリ語で「旅行」を意味します。
また、英語では狩猟という意味を持つなど多様な使われ方をしています。
雑誌のSafariについての明確な由来は判然としませんでした。
【LEON(レオン)の由来】:映画『レオン』から
ちょい悪オヤジを流行らせたのが「レオン」です。
雑誌名はリュック・ベッソン監督の映画「レオン」に由来。創刊編集長を務めた岸田一郎氏(現在は雑誌「マデュロ」編集長)が好きな映画の1つだったことがキッカケ。
ちなみに岸田一郎氏は雑誌「レオン」の”女性版”である「NIKITA(ニキータ)」も仕掛けたのですが、こちらもリュック・ベッソン監督の映画「ニキータ」に由来しています。
【MADURO(マデュロ)の由来】:スペイン語で「成熟」
先述の岸田一郎氏が立ち上げた雑誌「MADURO(マデュロ)」。スペイン語で「成熟」を意味します。
創刊時にはさまざまなネーミング案がありましたが、とある理由で「MADURO(マデュロ)」に決まりました。
当初は「やんちゃジジィ」という言葉を短縮した「ヤンジー」を英語表記したもの「yanG(ヤンジー)」が候補でした。スペルは違いますが「ヤング」とも読めるので気に入ってたんですが、ラグジュアリーブランドがクライアントに名を連ねているため、少々軽すぎるということで再考することに。ターゲットが50〜60代と熟成を重ねた世代なためスペイン語で成熟の意味の「MADURO」にしました(出典:fashionsnap.com)。
読者の受け皿としてCanCamがAneCanという姉妹誌を出すように、LEONの兄弟誌としてのMADURO、といったところでしょうか。
【UOMO(ウオモ) の由来】:イタリア語で「(服飾の)男性用、男物」
30代〜40代の男性向け雑誌「UOMO(ウオモ)」は、イタリア語で「男性、男性用の」という意味があります。
集英社が発行しており、印象としては「メンズ・ノンノ」の兄弟誌といったところでしょうか。
【Gainer(ゲイナー)の由来】:英語「gain(得る、獲得する)」
光文社発行唯一の月刊男性ファッション誌「Gainer」の由来は、英語の「gain(得る、獲得する)」から。
2016年6月24日発売の8月号をもって休刊。
【DIME(ダイム)の由来】:英語「10セント硬貨」
DIME(ダイム)は小学館発行のモノ情報誌。ターゲットは20〜30代の男性。
「DIME」は英語で「10セント硬貨」や「ほんのわずかの金額」といった意味がありますが、雑誌名がなにを由来にして付けられたのかは判然としませんでした。
旅行・グルメ雑誌の名前の由来
【るるぶの由来】:「食べる」「見る」「遊ぶ」
「るるぶ」といえば、エリア別の観光雑誌として広く知られています。
その由来は「食べる」「見る」「遊ぶ」の語尾を取って組み合わせたものです。
【じゃらんの由来】:インドネシア語「jalan」(小旅行、散歩など)
「じゃらん」と言えば旅行予約サイトを思い浮かべる人が多いかも知れませんが、雑誌も発行しています。
意外なことに、インドネシア語「jalan」(小旅行、散歩など)が名前の由来です。
【dancyu(ダンチュウ)の由来】:男子厨房に入るべからず
1990年12月創刊の「dancyu」は、プレジデント社が発行するグルメ雑誌です。
「男子厨房に入るべからず」ということわざから文字っており、男子も厨房に入って料理をするよねという意味が込められています。
ちなみに「カレー」「餃子」「パスタ」を特集する号がよく売れるようです(Fujisan.co.jp「dancyu編集長インタビュー」より)。
以上、雑誌の名前の由来をご紹介しました。
もし、記事内に誤りがあったり、「こんな面白い雑誌の由来もあるよ!」なんてことがあれば、ご連絡ください!