こんにちは、あゆむです。
今では当たり前のように読書をしていますが、振り返ってみると「これが読書にハマったきっかけだな」という出来事があります。
きっとみなさんにも、読書にハマったきっかけがあると思います。
僕が読書にハマったのは、中学生のときのあることがきっかけでした。
毒にも薬にもなりませんが、今回は僕が読書にハマったきっかけの本、そして、会社を辞めるきっかけになった本をご紹介します。
姉に返却を依頼された『青の炎』
僕が「初めてちゃんと読書をしたな」とハッキリ覚えているのは中学2年生の頃です。
そのころはテスト勉強期間になると、友達と連れ立って近所の図書館へ勉強に行くのが日課でした(ほとんどがお喋りタイムだったけど)。
いつものように図書館へ行こうとすると、姉に「図書館に本を返却してきてほしい」と頼まれることに。
そのとき渡されたのが『青の炎』(貴志祐介著)という推理小説です。
最初はただ返却するつもりだったのですが、何気なしにページを流し読んでみると、いつのまにかグイグイ引き込まれていき、気づいたら最後まで読み終えていました。
このことがきっかけで「小説っておもしろいんだな」と気づき、少しずつ読書にハマっていきました。
作中で知った江戸川乱歩とドストエフスキー
『青の炎』は推理小説のなかでも「倒叙(とうじょ)推理小説」と呼ばれるジャンルの作品です。
倒叙推理小説は、犯人目線で物語が進んでいきます。警察や探偵が犯罪を解決していくのがメインではなく、犯人側の心の葛藤や犯行の手口などを中心に描いているのが特徴です。
小説ではありませんが、フジテレビのドラマ「古畑任三郎」は犯人を明らかにした状態でストーリーが始まるので、倒叙推理作品の一形態と言えるかもしれません。
話がそれましたが、僕が読んだ『青の炎』では、作中で江戸川乱歩やドストエフスキーの話題が出てきます。
面白い小説のなかで紹介されている本となれば、興味を持たずにはいられません。
早速、江戸川乱歩の「心理試験」とドストエフスキーの『罪と罰』を読み始めました。
『罪と罰』はむずかしすぎて挫折しましたが(高校1年のときに念願の読破)、江戸川乱歩の「心理試験」は非常に読みやすく、僕は倒叙推理小説のおもしろさにどんどんハマっていきました。
本の素晴らしいところは、この連鎖にあると思っています。面白い本を読んで、そのなかでまた新しい本を知る。そのおかげで、本との出会いに事欠くことがありません。
大学生のときに初めての大人買いを経験
大学生のときに、人生で初めての「大人買い」を経験します。
買ったのは北方謙三『三国志』。何がきっかけだったか思い出せませんが、急に三国志が読みたいと思ったんですね。
当時は一人暮らしをしていて、すでにAmazonを使っていたのでスグに注文をしました。
自宅に届いたのは、豪華な箱に入った『三国志』13巻+読本1冊。箱には北方謙三さんの写真が載っていて、その風格に思わず息を飲んだものです。
僕は予備知識も皆無だったんですが、北方さんの三国志は本当におもしろくて、あっという間に全巻読み終えてしまいました。
読本を含めて全部で14巻という本を最後まで読めたのは、自信にもつながります。やはり、自分に合う本と出会うことは、良い読書人生を送るうえで大切なことなんだなと今になって思います。
『三国志』を読み終えて、軽く”三国志ロス”な気分になってしまったので、すかさず『水滸伝』(もちろん北方さんの書いたやつ)を注文。
『水滸伝』は全部で19巻もありますが、これも大変おもしろく、きっちり最後まで読み終えました。
僕は『三国志』で初めて北方謙三という作家を知ったのですが、もともとはハードボイルド小説を書いてきた人です(ハードボイルドとは、ひとことで言えば「強い男」の話)。
それを知ったせいもあるのでしょうが、北方さんは男同士の友情・絆・裏切り、そして男女の情愛を書くのが本当に上手です。
歴史小説で、ここまで人間の内面を描ける人は稀有ではないかと思います。
仕事を辞めるきっかけになった、1冊の本
僕は新卒で銀行に入社したのですが、わずか半年で逃げるようにして辞めてしまいました。
銀行が単純に自分に合っていなかったというのもありますが、なによりも大きかったのはある1冊の本との出会いでした。
それは、松浦弥太郎さんの『最低で最高の本屋』という本です。
この本は松浦さんがアメリカの路上で本を売る話や、自分で本屋を開業するに至るまでの話が事細かに描かれているエッセイです。
銀行で働いていた僕はこの本を読んで衝撃を受けました。こんな自由な人生があるのかと。
いま思えば、何ひとつ目標もなかった自分の人生に、ハッキリとした輪郭を与えてくれた1冊です。
たった1冊の本で人生が変わってしまうとは、にわかに信じがたいと思いますし、自分でも驚きです。
もちろんその本が持つ凄さもあるとは思いますが、自分の人生の転換期にその本と出会えたということが何よりも大きな意味を持つのかなと。
人生の良いタイミングで、良い本と出会えるかどうか。
じつは、その本が自分にとって良い本になり得るかどうかは、どのタイミングでその本と出会うかによって決まるのかもしれません。
ありがたいことに、僕の人生の転換点には、いつも良い本との出会いがありました。
これからも良い本と出会えることを祈りつつ、今日も読書に励んでいます。