こんにちは、アユム [ @kot_book ] です。
たまにふと「なんでこの都市って1番人口が多くて栄えてるんだろう?」と思うことがあります。
たとえばアメリカのニューヨークがその典型です。冷静に考えると、なぜニューヨークが世界で1番の都市になったのか。不思議ですよね。
そんな疑問に答えてくれるのが『世界史•10の「都市」の物語』という本です。くわしくレビューします。
この本は世界のあらゆる都市が、どのような歴史を経て現在に至るかをくわしく解説しています。
パリ、ロンドン、ベルリンなど世界を代表する都市が取り上げられていますが、僕が個人的に1番興味があるのは、やはりニューヨークです。
洗練されたイメージは昔から持っていたのですが、最近は海外ドラマ「Suits」にドハマリした影響もあって、ますますニューヨークに興味津々です。
なぜニューヨークがなぜ世界一の都市になり得たのか、それは以下のような理由があるからです。
- ・カルヴァン派のプロテスタントがたくさん移住してきた
- ・エリー運河が開通して、国際貿易の中心地となった
- ・アイルランドでジャガイモ飢饉が起きて、10万人以上の人がNYにやってきた
- ・NYがあるマンハッタン島は岩盤が固く、地震がない
- ・イタリア、ドイツ、ロシアなどから移民が多く、ユダヤ人の移住も急増した
ざっくり説明すると、「国外からの移住者が多く、多様な人種が住んでいる」「立地が良い」というのがニューヨークの発展に大きく貢献しています。
「カルヴァン派のプロテスタント」というのは、わかりやすくいうと聖書を重んじる勤勉で真面目な人達です。ようするに、リテラシーの高い人たちがニューヨークに移り住んだという過去があります。
ニューヨークを表す言葉として「人種のるつぼ」とか「人種のサラダボール」というものがありますが、いろいろな文化が混ざり合うことでここまでの発展につながったと考えられています。
移民が多く発生した理由のひとつとして、1845年にアイルランドで起きた「ジャガイモ飢饉」があります。ジャガイモが疫病によって不作となり、食糧がなくなってしまったのです。
その難を逃れるためにニューヨークには10万人以上の人が移り住んだわけですが、なんとその中にはケネディ大統領の祖先や鉄鋼王・アンドリューカーネギーもいたそうです。
これだけでも、ニューヨークに大量の移民が移り住んだということが繁栄の大きなキッカケになったのがわかりますよね。
移民が移り住むには当然ながら立地の良さも必要です。ニューヨークはハドソン川と大西洋の接点に位置しているので、人や物の往来が容易なんですよね。
ニューヨークといえば高層ビルみたいなイメージが強いですが、じつは貿易港としても非常に有名です。
あと、高層ビルが多いのはマンハッタン島の地盤の良さも大きく関係しています。地震がないから安心してビルを建てられるし、崩壊の危険も少ない。そのおかげで、建物にかかる保険とかも安く済むのかもしれないし。
ニューヨークって名前はよく聞くけど、こうして地図で見るとその立地の良さがよくわかりますよね。店舗に例えるならば、角地にあるコンビニみたいな。
人と物の往来が多いエリアに面していれば、当然ながら富が集まるというわけですね。
ここではニューヨークを取り上げましたが、本書ではロンドンとかベルリンとかローマなどの都市の成り立ちも紹介していてかなり読み応えがあります。ちょっとむずかしい記述もあるけど、世界史好きの人にはぜひおすすめしたい1冊です。